箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

社会を身近に思える子どもを育む

2021年11月05日 06時42分00秒 | 教育・子育てあれこれ
日本の格差社会はいま急速に進んでいるように思われます。

今回の衆議院選挙では、新型コロナウイルス感染拡大防止で長期にわたって営業自粛が求められ、大きなダメージを受けた多くの飲食店従業員や非正規社員が政治にどう判断をくだすかが問われていました。

しかし、結果は投票率がさほど上がらず、野党の得票数は伸びず、与党が安定多数の議席を確保しました。

この理由は、この間の新型コロナウイルス対策を高く評価した人が多かったというよりは、人びとの中に「無力感」がまん延しているからではないかと思います。

「投票してもどうせかわらないし・・・」

「努力できない自分が悪いんだから」

「自分には関係ない」

それほどまでに、格差社会が確実に進んでいるのではないでしょうか。

「自己責任論」が幅をきかせ、「自分がダメだからしょうがないよ」という無力感やあきらめが、人びとを覆いつくしています。


10代の若い投票者の動向も話題になりましたが、投票率は大きくは伸びず、低迷しました。

いまの子どもたちは、どのように自分たちの未来に夢を描くことができるのでしょうか。

格差がひたひたと固定化される社会に抗い、だれもが安心して生きることができるために行動を起こせる主権者として、若い人びとが行動を起こし、ムーブメントを生み出すことは、外国では健在です。

子どもが幼い頃からの学校教育の活動に注目したいと思います。

たとえば、箕面市では生徒会選挙のときに、実際の投票で使っている投票箱を市から借りてきて、少しでも意識を高くもち誰を信任するかの投票を行っている中学校があります。

もともと、日本では子どもたちは「社会」を遠い存在として捉え、児童生徒、学生期は進学のための学習に精を出せばいいという価値観が人びとの間に根付いています。

でも、成人したからといって急に社会を近い存在としてとらえるのは無理です。社会をもっと自分に引き寄せ、関心をもつよう、児童生徒・学生を導いていかなければならないのです。


コメントを投稿