小学生のとき、家族旅行で行った信州・日本アルプスの高原は、わたしにとって一生忘れることができない、鮮烈な光景でした。
山間部に住んでいるとはいえ、大阪府の山々とは、まったく違った趣でした。
青い空からの強い日差しと木陰のコントラストが鮮やかな雪をかぶった立山連峰を背景にする乗鞍高原一帯の夏は爽やかで心洗われるものでした。
そして、それは昼間の光景でしたが、夜には静寂があり、ときとして底知れないほどの沈黙の中に沈んでいくような、静寂な夜がありました。
光の妖精たちが飛び跳ねているような夏の避暑地の清々しい光景だけでなく、高原の夜の限りない静寂に子どもながらに心を惹かれたのでした。
ただし、わたしはそこに住みたいとはもはや思いません。
大阪のふるさとの山々は、日本アルプスと違って、夜は漆黒の闇に閉ざされてはおらず、にぎやかな明かりが灯る街の光景と地続きなのです。
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