大阪府では、学校や地域で優れた防災教育展開している学校を顕彰する「ぼうさい甲子園」が毎日新聞社などが主催して、行っています。
今回、2024年度の大賞に選ばれた府内の中学校は、「ゼミ」方式をとり、生徒が楽しみながら防災を学びながら、住民とも協力しあい、地域の防災意識の向上を図っています。
担当教員の得意分野を生かせるよう、「情報」、「食」、「安全」、「ユニバーサル」の4分野でゼミを設けました。
そのゼミを生徒がみずからの興味関心に応じて選べるようにしました。
生徒たちは
・地域の防災倉庫を取材して新聞を発行
・防災レシピの考案
・校区の危険箇所の確認とアプリでの情報共有
・避難時のエコノミークラス症候群を予防する体操の考案
など多彩な活動を展開しました。
私は以前から、防災活動や防災時での中学生の役割について課題意識をもっています。
それは、防災や災害避難時には、中学生は守られる存在と位置付けている自治体が多いということです。
30年前に起きた阪神淡路大震災では、避難所の運営はもちろん行政、おとなのボランティアが活動しました。
しかし、神戸市立のある中学校では、避難所の運営の実際を中学生がボランティアで担っていたという事実があるのです。
つまり、中学生は防災時、災害時に守られる立場にもあるのですが、被災者を守る立場にも立てるのです。
そのような中学生の力に期待するとき、このぼうさい甲子園の取り組みに、わたしは大きな可能性と意義を認めるのです。