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一方、不景気、景気停滞ならそれが増えるという傾向がはっきりと見られました。
でも最近は、景気に関係なく離職率が3割程度で高止まりしています。
大手企業も対応として、初任給を引き上げたり、残業を減らし、休暇も増やしたりしています。それでも、若い世代の離職率が上がっているのです。
じつは、2015年以降、働き方改革関連法をはじめとする一連の法律が施行されました。
法律の力はやはり大きいです。
法律は社会のしくみを変えます。社会システムが変われば、上司と部下の関係が変わります。
人と人の関係が変われば、意識・感覚が変わります。意識・感覚が変われば、「アウト」「セーフ」の基準が変わるのです。
その結果、劣悪な環境で若手社員こき使う、いわゆる「ブラック企業」や社員の過労自殺などの問題が改善されてきています。
そのように、一連の法整備で労働環境が少しずつ改善されてきているにもかかわらず、若い社員の離職・転職は減らないという問題。
その問題に直面しているのが、いまの日本社会が抱える課題なのです。
今の職場は、人材育成の方針も変えてきています。上司や先輩が、新入社員や若い社員を励ましてほめて育てる方針に転換しているところも増えてきました。
しかし不満が少ないはずの「ほめられる職場」でも、辞めるケースが目立っています。
おそらく、「ほめられる職場」に対し、若い世代はかえって不安に思うようです。
その不安とは、将来へのキャリア形成の不安です。
終身雇用制が崩れてしまったいま、働く人には、自分自身に知識や経験を積んでいく必要があります。
ですが、「ほめられる職場」ではその達成に時間がかかる、じれったいと思うのが今の若い世代なのでしょう。
早く離職して、キャリア形成を図り転職するという構図に陥っているのが今という時代の特徴だと思われます。
ある生命保険会社のCMで、若い人が「あきらめたくない」と語るシーンがテレビで流れています。まさに、自分のキャリア形成をあきらめたくないのです。
社会の全体が一丸となって一つの目標に向かっていた時代はすでに終わっています。
学校教育の果たしてきた影響も大きく、個性重視の教育の中で育った若者が、それぞれ目標を定め、なるべくありのままの自分でいたいと思う感覚をもっています。
その実現には、どこに転職しても通用するスキルを身につけることが必要です。若い人が、社外の同年代のキャリアと比べて不安にならないような対策が必要です。
もはや企業単体ではなく、地域や業界で育成することが必要になります。地域の中小企業が連帯してが一緒に同期の社員を育てるのです。
大手の企業では、企業間でお互いに若手社員を出向させて育成するやり方も増えてくるでしょう。
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