箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

足もとのゴミ

2019年09月23日 13時26分00秒 | 教育・子育てあれこれ









廊下を歩いていて、突然かがみこみ、落ちているゴミを拾う。

私がふつうのようにしていたら、見ていた生徒がいいました。

「校長先生、ゴミを拾うのですか?」

「うん、そうやで」

・・・・・・・・・・・・

私にしてみれば、ごくふつうの行動なのです。


いまでこそ、ほとんどありませんが、今から20年以上前、中学校が荒れていたころには、生徒はよくゴミを投げていました。

ちなみに私が教師になった頃は、中学校で全国的に吹き荒れた校内暴力が、少し落ち着き始めたころでした。

それでも、授業をエスケープして、廊下に寝転んでいる生徒がいました。

昼休みには、三角形のテトラパックの牛乳が5個ぐらいまとまって飛んできて、ガラスに当たる。

すると、パックははじけ、ガラスの表面は真っ白になり、ミルクの「滝」が流れました。

生徒指導に注力して、そんな状況はおさまりましたが、次はゴミの問題でした。

中庭はゴミだらけということもありました。

なかには、わざと紙吹雪を作ってベランダから撒いている生徒もいました。

配付したプリントは紙飛行機になって、ユーラユラと校舎と校舎の間を飛んでいたこともあります。

そんな状況だったので、教師は校内に落ちているゴミをゴミぶくろとハサミをもって歩き、ゴミをよく拾いました。

私にとっては、それが習慣というか、教師としての性(さが)のようになっていました。

ただ、どんなゴミが落ちているかで、生徒の様子がわかるということもありました。

行事が近づくと、プリントよりも、学校行事に関係したゴミが多く落ちていました。

定期考査が近づくと、学習プリントのゴミが増えました。

それにより、行事前の浮ついた気持ち、テストが近づくイライラ感を生徒が感じているのかと考えました。

その当時と比較すると、今はわざとゴミを投げる中学生はほとんどいなくなりました。


まあ、それでも、大勢の生徒が生活する学校では、廊下や階段にときどきゴミが落ちています。

さまざまな体験をしてきて、いま生徒に思うのは「足元のゴミにそっと手を伸ばせる人になってほしい」ということです。、

それは、環境教育というようなおおげさなものではなく、ゴミが落ちていたら、自然に拾うという人間的な行為です。

だから、私は黙々と掃除の時間、一人ででも、ホーキをもってゴミを集めている生徒には、惹かれるのです。

「ご苦労さま」と、ねぎらいの言葉をかけたくなります。

そんな子は、大人になっても、身の回りを整理する人になるのでないかと思います。




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