河口公男の絵画:元国立西洋美術館保存修復研究員の絵画への理解はどの様なものだったか?

油彩画の修復家として、専門は北方ルネッサンス絵画、特に初期フランドル絵画を学んできた経験の集大成を試みる

作品展示2 1988年

2018-04-09 23:59:54 | 絵画

1988年作《自画像》F20号カンヴァスに油彩。当時私はフリーの修復家で、日ごろから自由な制作時間が取れなかった頃に、ストレス解消に描いた作品。カンヴァスの目をつぶして平らにするためにチタニウムホワイトの地塗りをペインティングナイフで施してあります。

シルバーホワイトは健康のために地塗りの様に、後で磨いて粉が呼気に入るような恐れがある場合には用いない方がよいでしょう。昔は何も知らずやってましたが、修復保存学で学んで絵具の毒性は気にするようになりました。皆さんも気を付けた方が良いです。EC圏ではヴァーミリオン(硫化水銀から作る)が製造禁止になりました。

グレーを基調としたモノトーンで描き始めると、イマージを展開するのは簡単ですが、色彩を加えるのが難しくなり苦労しました。そのぶん完成度は落ちました。


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