大阪グルメ倶楽部

メンソールのグルメレポート&オフレポート

デヴィッド・セニア(南仏料理/西天満)

2007年06月03日 14時24分29秒 | フレンチ
 かなり予約はとりにくい店なので、10人で予約できたというのは、偶然だったのかもしれません。

 それはともかく、あちらこちらで紹介されているので、改めて紹介することは何もないんですけど、リッツ・カールトン大阪の『ラ・ベ』で料理長を務めていたデヴィッド・セニア(David Senia)がオーナーシェフを務める店で、グランド・オープンは2006年11月。デヴィッドはニースの出身らしい。

 南仏料理の特徴と言えば、メンソールは軽やかさだと思ってる。太陽の光をいっぱいに浴びた野菜たちとハーブたちの奏でるハーモニー。軽やかさがあって力強さがある。個人的には、バターたっぷり、クリームこってりのヘビーなフレンチが好きなんだけど、それとは別に南仏系の料理も好きだったりする。ただ、ここまで感激した南仏料理は初めてだったけどね。メンソールには、日本人への挑戦、あるいは挑発と言った言葉が、最初の一品(アミューズ・ブーシュ)を口にした時に頭の中で閃いたりした。なぜそう思ったのかは追々と…。

 ちまたでは、5,000円のコースと紹介されている場合が多いけど、2007年6月からメニュー構成が変更になっているので、今回メンソールが食べたのは5,500円のコース。昔8,500円だったコースが現在はいくらになっているのかは、聞かなかったので判らない。

 地下一階への階段を下りると、スタッフが扉を開けてくれ、ボンソワールと迎えてくれるので、メンソールもボンソワールと答える。あとで、デヴィッドから、フランスにいたことがあるのか?、と聞かれてしまったが、メンソールが喋ったフランス語はボンソワールの他に、メルシー・ボクー、トレ・ボン、オル・ヴォアールくらいなので、間違いなくお世辞だろう。

 席について、まずはドリンク。メンソールは泡。そして、オリジナルのオリーブパンが、なぜか吊されて登場する。食べきると次々に補充される。軽くて柔らかいが、若干目が詰まっている。最初の一品はホタテ貝柱を使ったアミューズ。ソースはイベリコ豚を使ったもので、カリッと歯に当たるのはカリカリに焼いたパンだそうだ。そしてアクセントは生山椒。海の幸に豚肉のソース、アクセントに山椒というハーブという奇抜な取り合わせなんだけど、旨く調和してる。そして山椒の刺激を舌が感じた時、これは和食の基本的な技法を取り入れてるんじゃないかと思った。和食は基本的には素材の味を大事にしていて薄味なんだけど、たとえば木の芽や山椒、辛子味噌とかで要所にアクセントを付けていく。それと同じで、軽やかさの中にピリッとしまったアクセントを感じる。

 二品目が前菜なんだけど、これは上手く説明できん。料理の説明はちゃんと聞いたんだけど、複雑すぎて覚えてられなかった。二種類のアスパラガスを配して、魚介類をセルクル固めしたもの。四角かったからセルクルと言ってはいけないのか…。ビーツのソースがあり、スペイン産キャビアが彩りを添えていて、味の方も新鮮な驚きがいっぱいの皿だった。

 三品目がスープ兼パスタ。ペンネなんだけどカボチャを練り込んであると聞こえた様な気がする。角の様につきだしているのはイカスミ。メンソールは、パスタの形状が決まれば、ある程度ソースは決まると思ってて、ペンネにはもう少し重い目のソースが合うと思ってたんだけど、見事に打ち崩してくれた。ペンネ自体にはしっかりとした歯ごたえがあるんだけど、ソースの方が軽やかなんだ。にもかかわらず絶妙のハーモニーなんだ。

 四品目はメインの鯛を使った料理。ソースはぶどうを使ったソースでやや甘め、回りは野菜たちが固めていて、セルクル固めのリゾットが添えてある。いや、四角いからセルクルじゃないんだな。日本人は魚料理が好きだけど、単純に塩焼きしたり、煮付けにしたりすることが多い。煮付けの場合は、当然醤油ベースの甘辛い味となる。今回の皿は、ぶどうを使ったソースなので酸味があり甘みがあって、日本人が普段食べている料理からすると対極に位置するものだと思う。ただ、ここへ来てちょっと飽きが来たかなと言う感じがしないではなかった。それでも、それを払い去って十分あまりのある内容であったことには間違いはない。

 デザートに入る前に、チーズがサジェストされる。ををっ、それはセクシーだ。メンソールにはウォッシュとブルーのヘビーなヤツをくれと言ったんだけど、出てきたチーズは全員同じ内容で、しかもオーソドックスな内容だったので、ちょっとがっかりしたかな。ちなみに、チーズが苦手な人が多い様で、チーズをオーダーしたのは男性群だった。

 デザートは、スイカのゼリーとショコラからセレクトできる。何故か無難なショコラを選んでしまったけど、スイカのゼリーの方もかなり美味しそうだった。最後はコーヒーで〆。帰り際にはサブレをいただいてしまった。デヴィッドは、出口のところまで見送ってくれて、料理に対する質問にも丁寧に答えてくれていた。

 若干、メイン以降のサービングが間延びしたとか、10人のテーブルだと料理の説明が反対側の端まで聞こえないとか、グラスを空けてないのにワインを追い注ぎするなとか、いろいろあるんだけど、料理がいいだけに、サービシングに対しても厳しい目で見てしまうんだけど、店内は活気にあふれているし、料理はうまさの中にも意外性があるし、今年メンソールが行った中ではベストワンかな。次回は、10,000円払ってでも、カウンターに座りたいという気持ちにさせてくれる。

 偶然、隣のテーブルに座ってた娘も、神田うのの180%くらい可愛かったし…。



(店  名) デヴィッド・セニア
(ジャンル) 南仏系フレンチ
(所 在 地) 大阪市北区西天満4-11-5 梅新イーストホテル地下一階
(電  話) 06-6376-5088
(営業時間) 11:30-14:00、18:00-21:30
(定 休 日) 日曜日、月曜日のランチ

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1 コメント

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料理はまぁ良いけど・・・ (hana)
2007-10-25 14:39:15
ランチで1度行きましたが、とにかく時間がかかるかかる。料理は確かに目にも鮮やかで斬新で美味しかった。でも、あれこれ中から、あのセニアが作りながら聞いてくるのは、全部サービスではありません!要注意。全部金額に入ってますぜぃ。
ただ、2回目はディナーで予約入れておいたのですが、1回目、2回目ともサービスが非常に稚拙で、看板が泣くって感じです。ランチの時には領収書をお願いしたら、1枚書くのに15分もかかった!おまけに余計なものは追加で出してくれるけど、肝心のコースに含まれているデザートは出し忘れ。時間があまりにかかりすぎて上司は約束の時間もあったので、デザートはなくなくキャンセル。2回目のディナーの予約に至っては、日を間違えていて、当日念のために確認入れたら入ってなくて、週末。そんな週末にわざわざ事務所での食事に予約を入れるわけがないやんか!というわけで、上司は怒り、もう二度とあそこは使わん!と言って以来、事務所でも、個人でも行ったことはありません。やっぱりサービスも味のうちだと思いますから。
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