各方面で人気の割烹『このは』には、女将のワインセレクションに興味があって、一度は行ってみたいと思ってた。今年のメンソールのテーマが、和食にワインと言うこともあって、優先度は高かったんだけど、もう一つのテーマ、フレンチ&イタリアンの方にウェイトが乗ってしまい、和食でワインはなかなか実現しなかった。で、やっと行けた。何度か当日予約して、空席とかキャンセル待ちとかがあるなら行ってみようとは思ってたんだけど、人気の店なので、それは叶わなかった。
席に着いたメンソールは、ワインをオーダーしてみる。グラスで行くかボトルでするかを悩んだので、ワインリストを要求してみたんだけど、ワインリストはないらしい。完全に下駄を預けてお任せするしかない様なので、まずはグラスをオーダーしてみた。出されたのはブルゴーニュのシャルドネで、酸味はあまりなくちらり麦わらの薫りがするワインだった。突き出しは鶏もも肉の湯引き風。下に敷かれているのは金字草で、メンソールは初めて食べたんだけどわかめの様な、ちょっと硬い目のほうれん草の様な感じ。これをおひたしにした感じ。上にはネギ&オクラがのせられていて、薄味に仕上げられていた。
造りは、とりがい、たこ、ハモの三種もり。あしらいはミョウガの千切り。とりがいは肉厚の物で、噛みしめると甘みがある。たこも弾力があり、旨い。ハモはちょっといかん。水っぽい。とりがいとたこが旨いだけに、この落差はちょっといただけないかな。なんとメンソールはこの日、カウンターに座れなかったので手元が見れなかったので何とも言えないんだけど、冷凍物を使うとは思えないし、下ごしらえに失敗するとも思えないので、何とも疑問な一品だった。
椀は、えびしんじょう。蓋を取るとカツオの薫りが立ち上る。まず、十分に薫りを楽しむ。それから、ダシを十二分に堪能する。椀物は、ついつい実の方に先に箸を付けたくなるけど、実を崩すとダシの味が濁るので、少なくとも半分くらいはダシを味わいたい。カツオが踊っているのが見えてきそうなほど濃厚な香り、そして軽やかな味。塩味、醤油味をぎりぎりにまで絞ってあるので、カツオの味が良く生きているし、その中でえびの味が生えている。ちなみにメンソールの二杯目は七本槍という日本酒。
八寸は、ハモの蒲焼き、八尾の枝豆、トマト&ツブ貝、シシトウと言った感じ。やっぱりハモはいかんと思う。かなり不用意な様な気がするが…。酒の方はワインに戻してみた。女将によると、グラスワインをオーダーした場合は先ほどとは違うワインを出してくれるとのことだったので、喜び勇んでオーダーした。出されたのはコート・デュ・ローヌのヴァンドペイ。こちらも、先ほどのブルゴーニュと同じく黄金色に輝いている。メンソール個人的には、先ほどのブルゴーニュの方が好みだったけど、基本的な女将の考え方としては、やや南方の、酸味が少ない白ワインが和食に合うと考えているんじゃないかと思う。
小鉢は未来コーンのすり流し。じゅんさいが添えられているんだけど、ほぼ一気にいただいてしまったので、じゅんさいの歯ごたえ、舌触りがよく判らなかったりした。やっぱりじゅんさいはある程度量がほしいかもしれん。このころメンソールは、白菊の9BYを燗で飲んでた。一応女将に聞いてみたところ、常温からぬる燗あたりがよいとのこと。メンソールとしては、温度を変えていろいろ試してみたいという思いはあるんだけど、一応遠慮して人肌燗と伝えてみた。日本酒の取りそろえの方は、それほど数多くない。本醸造から純米吟醸まであるが、基本的にはそれほど端麗から口の品種ではなく、やや甘みの残る柔らかでふくよかな感じの物が多い。料理の方も、柔らかく優しい感じの物が多いし、山椒、木の芽と言った和風ハーブもあまり使われていないことから考えると、シャープな日本酒とは合わないという考えなのかもしれない。燗をしてもらえる酒が二種類に限定されているのは残念な限り。
天ぷらは、蓮根、ヤングコーン、オクラ、シシトウなど。ミニかき揚げがあって、チーズの代わりにふな寿司を使っているとのことで期待したんだけど、ふな寿司がよく判らんかった。もう少し大胆に使ってほしい気もするが、それをすると、コース全体としてのバランスが崩れてしまう様な気がしないではない。別の店で、天ぷらだったら赤ワインでも行けると言われていたので、ここは赤ワインとしてみた。イタリア産の、若干渋みのあるタイプ。いわゆるミディアムボディよりやや軽い目だと思う。確かに合うし違和感はない。ただ、和食がワインと合いにくいのは、生の魚介類や味噌などを使った料理なので、天ぷらにはそれほど違和感なく合うはずだとは思う。
続いては炊き合わせ。本当はここでワインをもってくるべきだったかと思ったけど、メンソールは日本酒をオーダーしてたんで、合わせることは出来なかった。ちょっと残念か。ズッキーニなんかも使ってあって楽しい。ここで木の芽が添えられることが多いんだけど、木の芽はなくて白髪ネギでまとめていたりする。優しさと柔らかさが大将の信条なんだろうなと思う。
最後のご飯物の前に、もう一品いただいてみたけど、そういったオーダーをする客は少ないのかな。和食では、ご飯物に入る前にご飯を出していいかどうか聞き、客はおなかの具合に合わせてもう一品、あるいは二品をオーダーするかどうかを決める。メンソールは勝手に、自己強肴とかいってるけど…。
で、ご飯は、ミョウガご飯だった。コースの時々に、ミョウガが顔を出してたんだけど、この伏線だったのか…。料理に添えられているミョウガは、独特の薫りも少なく、刺激的で特徴的な味もあまり主張しなかったので、これは、コース全体を貫いている優しさと柔らかさだと思う。ミョウガご飯は、たぶん酢漬けにしたミョウガを使ってると思うんだけど、その酢の味がまた食欲を増進させてくれる。ご飯の方にもやや強い目に塩味が付けられてるんだけど、これがまた絶妙で、香の物なんかいらん。もうご飯だけで掻き込めるという感じ。お代わりが出来たので、半分くらいお願いした。このとき、盆で受けてくれるのが普通だと思うんだけど、手で受けられた。ええのか?。みそ汁はアサリ。メンソールとしては、ちらり山椒を使うのが好きなんだけど、ここでは使っちゃだめだ。ミョウガご飯が主役になってるし、ここで山椒を使うとミョウガご飯が死んでしまう。
5,000円のお任せコースで七品というのは、お徳だと思う。ただ、メンソールの直感では、この店は一品でオーダーした方がいいというか楽しい店の様な気がする。もちろんカウンターに座らないと行けないし、大将と直に会話が出来ないとだめなんだけどね。それにしても、当日に電話して、一名で予約が取れないところは普段使いしにくいという重大な欠点があるかな。もう一つ。一つのグループは、全員コースにするか、全員一品で頼むかしか出来ないらしい。このあたりのわがままが許されないのは、ちょっと残念かな。
(店 名) このは
(ジャンル) 割烹
(所 在 地) 大阪市西区土佐堀1-1-14 R10土佐堀一階
(電 話) 06-6445-0058
(営業時間) 17:00-22:00
(定 休 日) 日祝
席に着いたメンソールは、ワインをオーダーしてみる。グラスで行くかボトルでするかを悩んだので、ワインリストを要求してみたんだけど、ワインリストはないらしい。完全に下駄を預けてお任せするしかない様なので、まずはグラスをオーダーしてみた。出されたのはブルゴーニュのシャルドネで、酸味はあまりなくちらり麦わらの薫りがするワインだった。突き出しは鶏もも肉の湯引き風。下に敷かれているのは金字草で、メンソールは初めて食べたんだけどわかめの様な、ちょっと硬い目のほうれん草の様な感じ。これをおひたしにした感じ。上にはネギ&オクラがのせられていて、薄味に仕上げられていた。
造りは、とりがい、たこ、ハモの三種もり。あしらいはミョウガの千切り。とりがいは肉厚の物で、噛みしめると甘みがある。たこも弾力があり、旨い。ハモはちょっといかん。水っぽい。とりがいとたこが旨いだけに、この落差はちょっといただけないかな。なんとメンソールはこの日、カウンターに座れなかったので手元が見れなかったので何とも言えないんだけど、冷凍物を使うとは思えないし、下ごしらえに失敗するとも思えないので、何とも疑問な一品だった。
椀は、えびしんじょう。蓋を取るとカツオの薫りが立ち上る。まず、十分に薫りを楽しむ。それから、ダシを十二分に堪能する。椀物は、ついつい実の方に先に箸を付けたくなるけど、実を崩すとダシの味が濁るので、少なくとも半分くらいはダシを味わいたい。カツオが踊っているのが見えてきそうなほど濃厚な香り、そして軽やかな味。塩味、醤油味をぎりぎりにまで絞ってあるので、カツオの味が良く生きているし、その中でえびの味が生えている。ちなみにメンソールの二杯目は七本槍という日本酒。
八寸は、ハモの蒲焼き、八尾の枝豆、トマト&ツブ貝、シシトウと言った感じ。やっぱりハモはいかんと思う。かなり不用意な様な気がするが…。酒の方はワインに戻してみた。女将によると、グラスワインをオーダーした場合は先ほどとは違うワインを出してくれるとのことだったので、喜び勇んでオーダーした。出されたのはコート・デュ・ローヌのヴァンドペイ。こちらも、先ほどのブルゴーニュと同じく黄金色に輝いている。メンソール個人的には、先ほどのブルゴーニュの方が好みだったけど、基本的な女将の考え方としては、やや南方の、酸味が少ない白ワインが和食に合うと考えているんじゃないかと思う。
小鉢は未来コーンのすり流し。じゅんさいが添えられているんだけど、ほぼ一気にいただいてしまったので、じゅんさいの歯ごたえ、舌触りがよく判らなかったりした。やっぱりじゅんさいはある程度量がほしいかもしれん。このころメンソールは、白菊の9BYを燗で飲んでた。一応女将に聞いてみたところ、常温からぬる燗あたりがよいとのこと。メンソールとしては、温度を変えていろいろ試してみたいという思いはあるんだけど、一応遠慮して人肌燗と伝えてみた。日本酒の取りそろえの方は、それほど数多くない。本醸造から純米吟醸まであるが、基本的にはそれほど端麗から口の品種ではなく、やや甘みの残る柔らかでふくよかな感じの物が多い。料理の方も、柔らかく優しい感じの物が多いし、山椒、木の芽と言った和風ハーブもあまり使われていないことから考えると、シャープな日本酒とは合わないという考えなのかもしれない。燗をしてもらえる酒が二種類に限定されているのは残念な限り。
天ぷらは、蓮根、ヤングコーン、オクラ、シシトウなど。ミニかき揚げがあって、チーズの代わりにふな寿司を使っているとのことで期待したんだけど、ふな寿司がよく判らんかった。もう少し大胆に使ってほしい気もするが、それをすると、コース全体としてのバランスが崩れてしまう様な気がしないではない。別の店で、天ぷらだったら赤ワインでも行けると言われていたので、ここは赤ワインとしてみた。イタリア産の、若干渋みのあるタイプ。いわゆるミディアムボディよりやや軽い目だと思う。確かに合うし違和感はない。ただ、和食がワインと合いにくいのは、生の魚介類や味噌などを使った料理なので、天ぷらにはそれほど違和感なく合うはずだとは思う。
続いては炊き合わせ。本当はここでワインをもってくるべきだったかと思ったけど、メンソールは日本酒をオーダーしてたんで、合わせることは出来なかった。ちょっと残念か。ズッキーニなんかも使ってあって楽しい。ここで木の芽が添えられることが多いんだけど、木の芽はなくて白髪ネギでまとめていたりする。優しさと柔らかさが大将の信条なんだろうなと思う。
最後のご飯物の前に、もう一品いただいてみたけど、そういったオーダーをする客は少ないのかな。和食では、ご飯物に入る前にご飯を出していいかどうか聞き、客はおなかの具合に合わせてもう一品、あるいは二品をオーダーするかどうかを決める。メンソールは勝手に、自己強肴とかいってるけど…。
で、ご飯は、ミョウガご飯だった。コースの時々に、ミョウガが顔を出してたんだけど、この伏線だったのか…。料理に添えられているミョウガは、独特の薫りも少なく、刺激的で特徴的な味もあまり主張しなかったので、これは、コース全体を貫いている優しさと柔らかさだと思う。ミョウガご飯は、たぶん酢漬けにしたミョウガを使ってると思うんだけど、その酢の味がまた食欲を増進させてくれる。ご飯の方にもやや強い目に塩味が付けられてるんだけど、これがまた絶妙で、香の物なんかいらん。もうご飯だけで掻き込めるという感じ。お代わりが出来たので、半分くらいお願いした。このとき、盆で受けてくれるのが普通だと思うんだけど、手で受けられた。ええのか?。みそ汁はアサリ。メンソールとしては、ちらり山椒を使うのが好きなんだけど、ここでは使っちゃだめだ。ミョウガご飯が主役になってるし、ここで山椒を使うとミョウガご飯が死んでしまう。
5,000円のお任せコースで七品というのは、お徳だと思う。ただ、メンソールの直感では、この店は一品でオーダーした方がいいというか楽しい店の様な気がする。もちろんカウンターに座らないと行けないし、大将と直に会話が出来ないとだめなんだけどね。それにしても、当日に電話して、一名で予約が取れないところは普段使いしにくいという重大な欠点があるかな。もう一つ。一つのグループは、全員コースにするか、全員一品で頼むかしか出来ないらしい。このあたりのわがままが許されないのは、ちょっと残念かな。
(店 名) このは
(ジャンル) 割烹
(所 在 地) 大阪市西区土佐堀1-1-14 R10土佐堀一階
(電 話) 06-6445-0058
(営業時間) 17:00-22:00
(定 休 日) 日祝