CubとSRと

ただの日記

基本、変わらないよね

2019年07月12日 | 重箱の隅
 前回、
 社会主義による革命というのは、『現行の社会体制を否定』し、『新しい社会体制をつくる』
 ということだから、とにもかくにも
 『現行の社会体制を否定しなければならない具体的な理由を見つけ出すこと』
 から始めることになる、と書いた。
 それで、「対華二十一か条の要求」を出した日本に抗議するという五・四運動を起こし、それ(対華要求)を受け入れた中華民国を否定する、という手順を取る。
 何で四年も前のことを引っ張り出したかというと、それしか「具体的に」国を否定すべき理由がなかったから、というのが妥当な線だろう。とにかく行動の基である共産党(=新しい結社)を、作らねばならない。
 そして、先ずは現行勢力と手を組み、段々に現行勢力を浸食していく。
 まずは団結したように見せかけ、実は内部工作を盛んにして現行勢力を乗っ取ってしまう。このやり方は千古不変。トロイの木馬みたいなやり方だが、あんな陽気なものではなく長期にわたって延々と地下工作が続けられる。
 民主党が吸収したつもりだった自民党や社会党左派の生き残り(大半は社会主義思想の持主)が、気が付いたら内部でノイジーマイノリティーとなって「声の大きい者が勝つ」という言葉通り、民主党を内部崩壊に導いた。
 そしたら今度は共産党が、「選挙の時だけ、野党は結束し、強大な自民党に対峙しよう」とやって、気が付いたら共産党の議席が増えただけで、あとはもうさっぱり。
 シナでは「国共合作」がそれだろう。
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 1924年に、コミンテルンは国民党に声をかけ、中国共産党と協力関係をむすばせた。これが第一次国共合作である。要するに、国民党(中華民国)とソ連が手を結んだのだ。
 何しろ五万人の国民党に対して共産党員はわずか一千五百人だから、ソ連は「共産党に敵対せず、党員を国民党に吸収してくれ」と国民党に圧力をかけたのである。
 国民党の孫文は、金を出してくれるなら、相手が日本でもコミンテルンでもよかったのである。
 国民党の軍隊も共産党の軍隊も、同じ穴のムジナである。共産党の軍隊は農村の秘密結社で、国民党軍は都市の秘密結社という違いがあるだけだ。
 国民党の蒋介石と関係していた青幇(チンパン)や紅幇(ホンパン)は、都市の秘密結社である。どちらも裏社会の犯罪組織だったから、金を持っていた。
 だから、中国共産党にとって、都市の金ヅルを得られた国共合作は歴史的に大きな意味を持っていた。共産党は、そのネットワークを使って広がっていったのである。
 ところが、国民党の蒋介石による反共クーデターが起こって共産党員が排除され、第一次国共合作は崩壊する。
 ただ、なんとか合作を維持しようとした陳独秀などの共産党指導者もいた。陳独秀だけは日本でマルクス主義を勉強して、マルクス主義の本を翻訳し、論文を書いていた筋金入りの社会主義者である。なんとか国民党と一緒に、農民暴動などではない、本当の社会主義を打ち立てようと真面目に考えていた。
 そこがイデオロギーなどどうでもいい毛沢東とは違っていた。
 最終的に陳独秀は共産党から除名されてしまう。

 「中国・韓国の正体」~異民族がつくった歴史の正体~
  宮脇淳子
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 ここでやっぱり出て来るのは
 「国民党の孫文は、金を出してくれるなら、相手が日本でもコミンテルンでもよかった」 
 という一文。
 これまでも孫文を評するに「清濁併せ吞む」という言葉が能く使われてきたけど、良く言えば「なりふり構わず目的のために邁進する」、早い話が「目的のためには手段を選ばない」このやり方。「節操がない」と表現するだけでは奇麗すぎる。
 三民主義にしたって、実のところ、言いっ放しで具体的に(事務的に)取り組んだのか、というと????だろう。「大ぼら吹き」と言われる所以。
 対する共産党の方はやはりすごい。工作は延々と続けられる。
 ただし、社会主義革命達成のために真面目に取り組んだ者は、これまた見事なくらい失脚する。
 いや、失脚させられる。
 そして最後にもう一つ。
 彼らは社会主義をソ連から学んだのではなく、日本で、或いは日本語を通して学ぶしかなかった、ということ。
 ドイツ語だってロシア語だって分からないんだから、先ずは留学先で学ぶ。留学地は日本しかない。
 社会主義思想に限らず、西洋の学問全てを、日本語に翻訳されたもので学ぶしかなかった、ということ。
 孫文だって政治や国家についてアメリカで学ぶことはできなかった。英語ができるようになる(英会話)ことと学術書を読めることは同じではないからだ。
 (専門分野の色々な概念は、それに取り組んでいくうちに学習し、理解するものだから。)
 


コメント
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