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人はなぜ戦うのか?~日本の特殊部隊創設者は語る
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北野幸伯
ウクライナ戦争について、
「ゼレンスキーが降伏しないのが悪い!それで犠牲者が増える!」
とか、
「ウクライナに武器を供与している欧米が悪い!それで戦争が長引き、犠牲者が増える!」
などの主張を聞くことがあります。
こういう話を聞くと、私は思います。
「嗚呼、この人たちは、中国が日本に攻めてきたら、『犠牲者を出さないよう、尖閣、沖縄を中国に譲渡しろ!」
とか、
「はやく降伏しない日本の首相が悪い。悪い首相のせいで犠牲者が増えている!」
などというのだろうなと思います。
さて、この件について、日本の特殊部隊「特殊作戦群」(SOG)の創設者・荒谷卓先生は、
<よく、「どこかの国が攻めて来たら、白旗を掲げればいいじゃないか」と言う人がいます。たしかに白旗を掲げれば、戦いは起きないでしょう。しかし日本を占領したその国は、占領した日本人を徴兵し、新たな戦場に送るでしょう。戦うのを好きな国の隷下に入るということは、その国部になって戦いに行くということになります。そうなったときに、その人は占領した国の兵隊として戦うことも拒否するのでしょうか。徴兵を拒めば処刑されますから、戦わないという選択は命を捨てることと同義になります。>
(『日本の特殊部隊をつくったふたりの“異端”自衛官 ー 人は何のために戦うのか!』192p)
ところで、人は何のために戦うのでしょうか?もう一つの特殊部隊「特別警備隊」創設者の伊藤祐靖先生は、こう語っておられます。
<自衛隊を辞めてミンダナオ島に行き、日本という国を外から見て、初めて自分は「日本の掟」を守りたかったんだとわかりました。日本人が心地よく思い、大事にしているもの。それを何というか考えたとき、自分にとって「掟」という言葉が最もしっくりきたのです。それは長い歴史のなかで受け継いできた、森羅万象のすべてのものとの共存を目指し、自然の摂理を重んじようとする日本の在り方を表しています。>
私は、荒谷卓先生や伊藤祐靖先生のような真の侍が日本にいることを、本当にありがたく思いました。
わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
頂門の一針 6418号
2023(令和5年)年 2月20日(月)より