CubとSRと

ただの日記

「転倒」関連で

2024年05月21日 | 日々の暮らし
 こんな日記を書いていた。
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  「緊急時の通勤バイク」
                 2018年11月21日 | 日々の暮らし

 5、6年間だったと思うがSRとセローの二台体制だった。そのセローも買い替えて二台目。それぞれに面白いバイクだからそれぞれに結構色々なところに行った。
 セローでは四国一周をしたり富士山まで行ったりしたこともある。
 車の合宿免許でストレスから変になりそうだった時、休日を利用して神戸まで戻った。二台目のセローで引き返して空いた時間を使って石鎚山までツーリングをしたりして何とか緊急事態を切り抜けることができた。
 ただ、SRもセローも買い物は苦手だ。で、仕事の帰り、しょっちゅうスーパーの袋をハンドルにかけて帰っていた。
 そんなことから遂にカブを「買い物専用」ということで購入した。
 アパート住まいで、さすがに三台は置けないからセローは手放した。
 「でも、緊急時には通勤バイクにもなる」という設定だから、カブは50ではなく90ccのを買った。
 本当なら110ccが良かったんだけど国産ではもう製造してない。それに海外生産のカブはヘッドライトが角目。車体も角々している。
 中途半端に「カッコいい」から、却って国産よりカッコいいとは思えない。

 「緊急時には通勤バイクにも~」という設定は、思いもしなかった形で現実のことになった。
 前日の夕方、SRが巻き込み事故で乗れなくなったからだ。
 直進中、左の車線前方を走っていた車が速度を落としながら右折を開始。こちらの目の前に壁になってしまう。
 中央分離帯の切れ目を遣ってUターンをしようと思ったらしい。車の右後部に突っ込んだ形になって横転。
 「カブを持っていて良かった~~」
 怪我らしい怪我をしてない、打ち身程度だったからそんな暢気なことを思っていたけど、これ書いていて気が付いた。最近の左ひざの痛み。あの時の後遺症だ!
 「明日はカブで通勤、か。天気が悪いから却っていいかも」
 翌日は強い低気圧が襲来、朝から生暖かく、雨。加えて南からの強風が吹いていた。
 仕事の帰り、峠を越えて南向きに走っていた。
 正面からの強風は強くなるばかりで、遂に余りの圧力にカブが前進できなくなった。こんなことは初めてだ。
 仕方がない、降りて取り敢えず風が弱まるのを待とう。
 ほんの一、二分後。
 後ろでクルマのブレーキ音と車体が路面をこする「ガーッ」という音が聞こえたと思ったら、次の瞬間、腿の辺りを掬い上げられた。
 と思ったら、仰向けに身体が宙に浮いていた。

 「え?え?」と思ってるうちに側溝に落ちる。
 「ガコッ」というヘルメットがコンクリートにぶつかる音。
 笑ってしまうくらい見事に身体が側溝にハマっている。
 
 
  見事にはまっているからと言って笑っている場合ではない。とにかく抜け出さなければならない。
 けど、見事にはまっている。左右に隙間がない。
 この時いきなり起き上がったりすると、もし怪我をしていたら怪我を酷くしてしまう、なんてことがある。
 まずは身体を動かしてみること。痛いところ、動きにくいところは? ・・・なかった。

 これは「氷川清話」で学んだ。
 海舟が或る時落馬して、しばらく動かなかった。従者が心配して駆け寄ると
 「慌てるな。何でもない」
 といっておもむろに起き上がったから、従者が不平を言うと
 「慌てて起きたりすると怪我をしていたら余計に酷くなる。だから起き上がらないで具合を確かめていたのだ」
 と強がりを言った(と従者は思った)。
 強がり半分、真実半分・・・と思う。次の危険が差し迫っているならそんなことは言ってられないがそうでないなら慌てて起き上がるより自分の身体だ、ちゃんと確認してからの方が良いに決まっている。
 
 さて起き上がろうとするが、書いた通りで反転すらできないくらいの狭さだ。もう腹筋運動式で上体を起こすしかない。
 上体を起こし、側溝の縁に指を掛けてやっと外に出ることができた。
 出てみて、改めて側溝の幅が狭かったことやそこに身体をぶつけることもなくすっぽりとハマってしまっていたことを再確認し、何だかひたすら感心してしまった。
 撥ね上げられたのではなく、単純に掬い上げられてそのまま放り出された。上から叩きつけられたのではなくピザ窯の中にピザ用のスコップみたいなやつで滑り込むように投げ出された、と言うのが一番近い感じか。
 カブは、と見ると当然、少し前方に横倒し。側溝にははまってない。
 首を巡らすと、5メートルくらい後ろに側溝に脱輪した乗用車が見えた。
 カブは左のリアサスペンションが曲がって動かせない。
 「緊急時の通勤バイクにも~」、は、たった一日。
 腹が立ったのは、翌日上司に「頭は大丈夫か」と問われたこと。「脳神経外科に行け」、と。
 心配して言ってくれているのだとは思ったが、身体は大丈夫、という報告をした後の、この言葉だったので
 「ん?どういうこと」としか思えなかったんだけど、どうも本当のところは
 「二日続けて事故に遭う、ということは、一回目の事故で神経をやられているに違いない。二回目の事故は自分の異常行動から事故になったのでは?」
 と考えたから、らしい。
 いずれにせよ、常々「バイクは危ない」と言っている人だったから、僻み根性でそう聞こえたのか。
 それとも本当に頭がおかしくなっていたのか。
 10:0。相手が修理、治療費共、全額負担する。カブも買い替えてもらって、と言われたが、このカブ、もう生産してないわけだから。変形したリアサス、サイドスタンド等、交換してもらって、それから20年余り。今も乗っている。


 今は通勤してないから、SRとカブは肩を並べている。「SRとcubのある隠居生活」だ。
  




コメント
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