5月16日(木)
午前中は雨。
従って早朝散歩は、なし。
けど、サボったわけじゃないから堂々と酒は飲める。
昼からは降らないということなので買い物に。
出る前に「強風が続くので大丈夫かな」と思いながら定例行事、以前強風で佇立してしまった棟瓦の様子を見に道路へ出ようとした。
すると何だか聞き慣れないバタンバタンという音がする。どうも近い。
「うちの家か?それとも近くのどこか?」
まあ、ここいらの家で怪しい家と言えば我が家くらいだろうから、大方うちだろう。
そう思ってそれらしい方角を眺めるのだが、音自体は連続するものではないからちっとも見つけられない。
そうこうするうちにまた強い風が吹いた。音がした。
原因が分かった。強い風が吹くと二階の雨樋が受け金から10センチくらい浮き上がり、次の瞬間戻って受け金に当たる。その音だった。
西側の壁の端から端まで南北に長い雨樋が掛かっている。そいつが端から端まで浮き上がり、揃って受け金に打ち当たる。雨樋と受け金を括りつけている針金がこの数十年間のうちに錆びて千切れてしまったのだろう。
西風を受けて、雨樋はあたかも飛び立とうとする飛行機の翼のようにふわっと浮き上がる。
浮き上がった雨樋は、その都度力尽きて地面たる受け金に激突する。
西側の壁には二階の屋根しかない。壁と隣家との境界まで数十センチ。
つまり大きな三脚を立てようとしても幅がないし、何より二階の屋根の高さまでカバーできる三脚なんて、ない。庭師用の特殊な三脚だってこんな狭い場所には立てられない。
梯子を立て掛けるにしても雨樋を何とかしようとするなら垂直どころかのけ反った形で作業をするしかない。とてもじゃないけど命懸けでやったつもりだった雨樋の修繕なんかとは命懸けの桁が違う。
命がいくつあってもできない難工事だ。プロだってこれは足場を組んでやるしかあるまい。
ついに大金が掛かるのは覚悟の上、で、この家の購入時の仲介業者に工事業者の紹介をしてもらうことにした。
早速施工業者に連絡を入れてくれて、言われた通り探し出した二十数年前の火災保険の書類を使って修理の準備にかかることに。
それに気をよくして、というか安心して改めて酒の肴の買い出しに。