そこで,管内6か所に「天敵カブリダニによる害虫ハダニ防除」実証ほを設置し,持続可能な農業技術の普及に取り組んでいます。
本年度の実証ほでは,ハダニの天敵であるミヤコカブリダニの定着を促進するために,10月にミヤコカブリダニと同様の天敵のチリカブリダニとの同時放飼の効果を検証しています。
平成23年1月18日,JAみやぎ亘理,アリスタライフサイエンス株式会社,農業・園芸総合研究所,当普及センターが連携して実証ほの定期巡回調査を実施しました。
多くの実証ほでは,ハダニの発生数が少なく,ミヤコカブリダニ,チリカブリダニの定着を確認することができましたが,一部のほ場でハダニの発生が確認されました。
ハダニの発生が少ないほ場では,カブリダニにより防除できるので化学合成農薬の散布を行わないことを指導しました。生産者からは,「農薬の散布回数が減って省力的である。」との意見が聞かれました。一方で,「どの程度のハダニ発生密度までがカブリダニによる防除の許容範囲であるのかの判定が難しい。」との意見も出されました。カブリダニの防除技術の向上のために,先進事例情報等を生産者へ提供する計画です。
JAみやぎ亘理の職員からは,「普及センターが作成した天敵カブリダニマニュアル等の情報提供により,管内生産者の関心が高まり,昨年度よりも天敵カブリダニの使用者が増加している」との話がありました。
普及センターでは,天敵の利用等の持続可能な農業技術の導入支援を今後も継続していきます。
<連絡先>亘理農業改良普及センター 0223-34-1141