平成22年度JICA国別研修「農業普及・地域活性化」コースの一貫として,ザンビア共和国農業協同組合省(日本の農林水産省にあたる)で農業普及を統括する副局長を団長とする政府職員6名の方が日本の農業普及制度を研修するために来庁しました。
JICAでは,2002年~2009年にわたってザンビア共和国の村落開発計画プロジェクトをおこなった結果,普及員の活動がその成否を大きく左右することがわかったので,2010年からの5年間で農業普及制度を強化することにより農村の自立的発展を促そうとする新プロジェクトを立ち上げたとのことです。プロジェクト初年目の今回は,普及制度を所管する幹部職員の方が参加し,次回からは現地で活動する普及職員を研修対象とする計画とのこと。
宮城県での滞在期間は平成23年2月12日からの9日間で,JICAのザンビア派遣職員がかつて縁のあった丸森町を受け入れ先として,農家生活や生産活動,農協の支援内容など様々な現地活動を見聞するよう計画されています。 研修は平成23年2月15日に大河原合同庁舎で行いました。農業改良普及センター職員を講師に,普及制度の変遷,普及指導員資格,普及計画の作成方法,プロジェクト活動の実際などを学ばれました。
特に関心が高かったのは普及制度の発足当時のことで,緑の自転車や役場駐在制,油紙を用いた保温折衷苗代の指導がもてはやされたことなどでした。ザンビアでは焼き畑農業が一般的であり,農業への投資能力が低いこと,道路を初めとする社会インフラの整備も遅れているなど,普及活動も困難な状況にあることを受講者から説明されました。
総合討議では,普及計画の作成手順や評価手法に質問が集中し,この研修を自国で活かそうとする熱意が感じられました。
JICA:独立行政法人国際協力機構,技術協力や資金協力を総合的に行う政府開発 援助の実施機関であり,青年海外協力隊もその活動の一環です。
〈連絡先〉大河原農業改良普及センター 農業普及指導専門監
TEL:0224-53-3253 FAX:0224-53-3138