みやぎ農業未来塾「在学中コース」は,農業関係を志す学生を対象に,地域農業の現状を学んでもらうことを目的として開催しているもので,今回は迫桜高等学校の2,3年生19名が参加し,栗原市高清水の「リッチフィールド有限会社」を視察しました。 リッチフィールド有限会社は約1.2haのハウスでパプリカの養液栽培を行っており,1日当たりの収穫量は1~1.5tです。
総株数は実に3万本にも登り,正社員4名,パート職員10名で栽培管理を行っています。
種子やハウスの資材などはオランダから,培地に使用するヤシ殻はスリランカから輸入しているそうです。
今回の大震災により設備は大きな被害を受けましたが,現在は順調に収穫作業が進んでいます。
案内していただいたシャミム・アハメド農場長は,学生達の質問に丁寧に答えてくださいました。日本ではまだまだパプリカの需要があるので,伸びしろはあるとのことでした。
学生達は,広大なハウスはもとより,自分たちの背丈よりもはるかに高い仕立て方や巨大な養液タンク,台車に乗って行う誘引作業の様子などに興味津々の様子でした。
普及センターでは,在学中コースの他にも就農希望者から就農5年目までの生産者を対象にしたコースも設けており,より多くの方が就農・定着しやすい環境を目指してこれからも支援を続けていきます。
<連絡先>
宮城県栗原農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0228-22-9404 FAX:0228-22-6144
リーダー研修会は,岩手県南地域と宮城県北地域の4Hクラブの交流を目的とし,持ち回りで開催しているもので,今回は栗原地区が主催しました。
研修会は農商工連携をテーマとし,栗原市一迫の農業法人2社を視察し,当日は普及指導員などの関係者を含めて17名が参加しました。 始めに株式会社愛宕産土農場の佐藤均社長から,愛宕生産組合から法人化に至るまでの経緯や平成19年に法人になってから現在の経営概要について,また,加工の取り組み(味噌)から農商工連携事業化(ずんだ)に至るまでの経緯などについてじっくりとお話しを伺いました。
枝豆による農商工連携事業化に至るまでは多大な時間を要しましたが,やってよかったと思っているそうです。色々なことを始めるきっかけとなり,また,ノウハウを学べる場となりました。今後は仙台圏も視野に入れていきたいと考えているそうです。
クラブ員からは,集落の中での法人の役割についてや,経営戦略についてなどの質問が積極的に出されました。 次に「あいすむら」の取り組みについて,有限会社小山牧場の小山寛記専務からお話しを伺いました。純粋に自分たちの牛乳をお客様に直接届けたいとの思いからアイスクリーム屋さんを始めたそうです。基盤である酪農経営の延長,楽しみとして始めたので,当初はアイスクリームで儲けようとは思っていませんでしたが,やり始めてからはお客様や地域に対する責任が生まれたということでした。寛記氏は,開店から半年間は店舗につきっきりで,雇用や接客など様々な事を学びました。ショーケースには常時18種類のジェラートを置いており,そのうち4~5種類はいちごなど季節ごとに地物を使っています。
社長は地域との関わりをとても大切にしており,また,「あいすむら」を地域のたまり場にしたいとの思いから,地域の様々なイベントにお店を使ってもらうこともよくあるそうです。クラブ員達は,アイスクリームを食べながら同世代の話に真剣に耳を傾けていました。
2件の事例を視察してクラブ員達は,農商工連携というテーマに限らず,農業経営者としての考え方や人・地域との関わり方など基本的なことについてたくさんのヒントを得られたのではないかと思います。 夜に行われた意見交換・交流会は残念ながら11名しか参加できませんでしたが,岩手県の普及指導員も交えてクラブ員同士で盛んに交流が図られました。
<連絡先>
宮城県栗原農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0228-22-9404 FAX:0228-22-6144
平成23年8月23日(火),栗原市果樹振興協議会主催(事務局:栗原農業改良普及センター)で先進地視察研修会が開催されました。
協議会は栗原市内のりんご生産者44名で構成されている組織で,各種行事を通してりんご栽培技術の向上や生産者間の情報交換の場として活動しています。
視察研修会は,協議会の主要行事として毎年実施されており,今年度は青森県内2か所を視察しました。当日は22名の会員が参加しました。
最初は黒石市にある地方独立行政法人青森県産業技術センターりんご研究所です。ここでは「青台3」等新わい性台木の特性や「流しせん定」,「詰めせん定」のせん定方法の違いを実際の樹を用いながら説明を受けました。
次に弘前市でりんご栽培に取り組む「アップルファーム幸果」を訪問しました。経営主の相馬司幸氏から今までのりんご栽培への取り組み状況や経営理念,こだわった栽培方法等について説明を受けました。栽培技術の面では,徒長枝の発生が少ない樹体の様子やりんご樹の特性をよく理解した上でのせん定技術のポイントが参考になりました。また,販売面では,作ったりんごをいかに有利販売につなげていくかという様々な取り組みについても参考となりました。
普及センターでは今後とも協議会活動を通して会員のりんご経営力の向上支援を継続的に行っていくこととしています。
<連絡先>
宮城県栗原農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0228-22-9404 FAX:0228-22-5795・6144
始めに,本年度から新たに会員となった4名の農業士の方々が紹介され,総会の役員改選では,会長として新たに川崎町の高橋康治氏が選出されました。
引き続き行われた研修会では,昨今本管内の農畜産物生産において特に懸念されている福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の農畜産物への影響等について,大河原地方振興事務所農業振興部及び畜産振興部から情報提供を行いました。参加した会員は,これらの問題を身近なものとして捉えており,皆真剣に聞き入っていました。
その後行われた情報交換会では,管内農業を一層盛り上げていくため,今後も本会が一致団結して活動していくことが確認されました。

<連絡先〉大河原農業改良普及センター地域農業第一班
TEL:0224-53-53-3516 FAX:0224-53-3138