石巻市では平成26年以降オリーブの試験栽培が行われています。栽培面積は年々増加しており,令和3年4月時点で4haあまりとなっています。
栽培の主体は平成29年に設立された「石巻市北限のオリーブ研究会」で生産者団体の他,石巻市,復興庁,宮城大学や県が構成員となっています。研究会では行事の一環として香川県から(株)アライオリーブ社長の荒井雅信氏を講師としてお迎えし,定期的に指導会を開催しています。
令和3年の第3回目となる今回の指導会は令和3年6月22日,23日の2日間にわたり石巻市内6か所の栽培試験地を巡回指導する形で開催され,これから発生が多くなる病害虫の防除やちょうど満開期となり受粉※の時期となっていることから確実に受粉・結実させるための作業などについてお話しをいただきました。また,普及センターからはオリーブ花粉の発芽率調査の結果について説明しました。
今年1月の低温により一部の樹に凍害が発生するなど今後の生育への影響が心配されましたが,今年は昨年以上の開花があり,今後自然災害などの発生がなければかなりの収量増が見込まれます。
石巻産のオリーブは植栽後の年数が浅いこともあり,まだ本格的な収量には達していないため現在のところ市販はされていませんが,昨年試作したオイルは上々の品質となっています。近い将来,石巻産のオリーブオイルが店頭に並びますので,お見かけの際は是非お買い求めいただき御賞味くださいますようお願いします。
※オリーブなどの果樹の多くは別の品種の花粉を受粉しないと実がなりません。これを自家不和合性といいます。このため,実をならせるためには別の品種の花粉をめしべにつけてあげる必要があります。たまに「花は咲くのに全く実がならない」という御相談を受けることがありますが,1本しか植えていない,または同じ品種だけを植えているような場合は上記の理由により実がなりません。
<連絡先>
宮城県石巻農業改良普及センター 先進技術第2班
TEL:0225-95-1435 FAX:0225-95-2999