逆風に抗して Against the wind,♪ we are running against the wind.♪
ここではないどこかへ。モモンガーの旅
2018年に横浜から信州にUターン
自転車と日々の生活を
綴ります。
 



入社5年目の1978年の冬、国内で初めての高放射線環境/原子炉圧力容器内に入っての炉心構造物修理作業を終えた所で、原子力から水力に社内転職した。原子力の危険性とか、原子力技術に先が無いとか難しいことを考えた訳では無く、大きなシステムの中の一部分しか担当できないこととか、国内に仕事が限定されてしまうことのつまらなさから、1年後にはオーストラリアに長期駐在できるというエサにつられての社内転職だった。まあ、その時丁度公開された「チャイナシンドローム」に少しは影響を受けたかもしれないが。
所がその半年後にThree Mile Island原発(TMI)#2が炉心溶融を起こしてしまい、いろいろ悩んだ転職が正解だと思えるようになった。同期からの5年の遅れを取り戻し、一人でオーストラリアに行っても困らないよう、必死に勉強したのも良い思い出だ。

昨日ハーシーに宿を取ったのは、40年後のTMI原発を見てみようという野次馬根性からだった。
発電所入口でTMIを眺める。冷却塔から盛んに水蒸気が出ているので、#1は動いているようだ。


で、入口で止まっている私の車を追い抜いて、数台の車が構内に入っていく。守衛が居たり、ゲートがあるわけでは無いので、後に続いて、緊張しながらもサスケハナ川に掛かる橋を渡る。



すると、そこは原発の敷地の中、従業員用の駐車場であった。150m位先に見える原子炉建屋、タービン建屋まで歩ける場所だ。


ここまで入れるのか? 本当に良いのか? 銃を持った保安要員が走ってこないか? という不安を抑えて、駐車場を一周し、そそくさと車内から写真撮影して、TMI原発敷地内から離れたのであった。

さて、この後は、TMIからさほど離れていないアーミッシュの村へ。電気や自動車という近代の発明を拒否して、18世紀のままの生活している人々の村だ。観光用のステージコーチに乗り、Intercource(何てセクシーな名前なんだ!)の村を走る。


ノンビリと走る馬車だけかと思ったら、車は拒否しても、スピード狂はいるみたいで、牧場の中で、二輪馬車を飛ばしている若いアーミッシュも居るみたい。



文明を拒否しているとは言っても、農業収入に観光収入も沢山あるようで、家はピッカピカ。ドライブウェイに車が無いのと、電線が引き込まれていないだけの差かもしれない。


あ、もう一つ発見。ギアとチェーンも拒否しているので、自転車がなく、キックボードのような、脚蹴り2輪車が近所への足。でもなぁ、この車軸にはきっとボールベアリングが入っている。


村外からの車ともすれ違うが、一家でどこかに向かう家族の馬車とすれ違う。


一家が木陰で談笑しながら、小物や廃品のガレージセールをやっていたので、記念に刺しゅう付き枕カバーをゲット。


次のアーミッシュの村、Paradiseに向かうと、Covered Bridgeがあった。スタッドレスタイヤの無い、馬車で、雪の凍った橋は危ないものね。


21世紀から18世紀へのタイムスリップはこの位にして、今日の3つ目の観光地、Winterthur Gardenへ向かいましょう。ここはダンロップ家のお屋敷と広大な庭園が公園になっている場所だ。ガイドツアーバスに乗って、1時間ほど、庭園を周回する。2、3週間前なら、ツツジが満開で綺麗だったようだが、だいぶ南に来たので、もうツツジはほぼ終わり。


自動車の出現の前に作られた屋敷なので、敷地の中に、自家用の鉄道駅があったのだとか。


そこかしこに小さな(と言っても、巨大な)テーマの決まった秘密の花園風の庭があるようだ。


庭を回った後は、館も見学しなければ。増改築で複雑に続く本館。


内部は中世のお城風から、アールデコまで、よりどりみどり。


超巨大なサンルーム。木彫の鷲が羽根を広げている。

 

日常生活エリアは、豪華ではあるものの、華美ではない落ち着きがある。


でも、こんなダイニングで食事をしても、私には味が解からないだろうね。


再度外に出て、本館周辺の庭を歩く。


しかし、今日も長い距離を歩きすぎて、右脚が痛い。この辺りで、車に戻りましょう。


宿にチェックイン後、周りをドライブ。現役時代に来たことはなかったのだが、火力事業の東海岸の事務所が近くだったので、寄ってみる。グーグルマップにはあったのだが、最近、会社が左前なので、事務所は閉鎖したみたいで、看板が無くなっていた。


美味しい夕飯を食べて、

 

モーテルに戻れば、一面の夕焼け。明日は晴れそうだ。


原発も嫌だが、アーミッシュのように電気無しで生活するのも嫌だ。もちろん、ダンロップ一族のように、広大な館に住みたいとも思わないが、つつましく、あまり環境に悪さをしないように、生活したいと思った一日。走ったのは、こんな場所。

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