モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

イボタノキで吸蜜するウラゴマダラシジミ。ゼフィルスの季節到来。ウスバシロチョウやヒメウラナミジャノメも(妻女山里山通信)

2023-06-05 | アウトドア・ネイチャーフォト
 ウスバシロチョウが例年より早く出現したのでウラゴマダラシジミも早いだろうと妻女山山系へ。ウラゴマダラシジミは幼虫の食草がイボタノキなので、その群生地へ向かいました。いよいよゼフィルスの季節到来です。そういえば家を出ようとしたら、ガラス戸の縁にクジャクチョウが止まっていました。

 ほぼ満開のイボタノキの花で吸蜜する一頭のウラゴマダラシジミを発見。せわしなく吸蜜する様子を連写しました。昨年より5日、例年より10日ほど早い出現です。

 順番に花から花へと吸蜜して行きます。

 ウラゴマダラシジミ(裏胡麻斑小灰蝶)は、シジミチョウ科ミドリシジミ亜科。やや大型のシジミチョウで、翅の裏の縁に沿って二列の黒胡麻状の紋があり、それが名前の由来です。

 下側の花へ移動中。こういう時でもないと丸めた口吻はなかなか見られません。

 一番下の花を吸蜜。この後、二頭のウラゴマダラシジミがやってきました。

 ウスバシロチョウもやってきました。他にはたくさんのセイヨウミツバチやハナアブたちも。隣のクヌギの花穂にはチャイロスズメバチも。

 陣場平へ移動して見つけたのはヤマトシリアゲ。2億5000万年前のベルム期から生息していた古い起源の昆虫。青虫や毛虫を捕まえて体液を吸います。

 小さすぎて肉眼では確認できなかったのですが、拡大してもこれがなんの死骸か分かりません。セミのような長い口吻が見えます。頭部が手前に折れています。長い口吻と2本の触覚が特徴。黒白のまだら模様。グーグルレンズで調べると、カメムシ、ツノゼミ、ゾウムシが出てきました。まだ決定的な種が見つかりません。未同定。どうやらナガゴマフカミキリの様です。以前撮影したものと比べてみると間違いないと思います。

 おそらくイオウイロハシリグモの死骸。何に襲われたのでしょう。

 ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科。食草はイネ科のススキ、チヂミザサなど。

 ヤブヘビイチゴ(藪蛇苺)。イチゴはそれ自体は偽果で痩果(そうか)。本当の果実は表面の粒々。無毒ですが無味無臭。中国では、ジャモ(蛇苺)といい全草を熱、咳、のど、痔の薬。抗がん活性作用もあるらしい。

 川中島の戦いで上杉謙信の本陣と伝わる陣場平。貝母は先週末の大雨でずいぶん倒れましたが、まだ立っているものも。サンコウチョウ、ウグイス、シジュウカラ、ホトトギス、ガビチョウなどの鳴き声がします。

 中央にあるクマノミズキの実。球形になり、秋には紺色から黒へ。多くの鳥や昆虫の餌になります。

 貝母(ばいも)の葉や茎は枯れても実はまだ緑です。梅雨明け頃には実も枯れて割れて種が弾き飛びます。

 イボタノキで吸蜜するヒメウラナミジャノメ。

 イボタノキに頭を突っ込んでいるのは、クロハナムグリ。初めて撮影しました。いやそんなことはないですね。ただかなり久しぶり。

 ミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)の赤い実があちこちで見られます。渋みはなく甘い実です。

 スイカズラ(吸葛)。冬を耐え忍ぶことから忍冬(にんどう)とも。白い花が黄色に変わることから金銀花ともいいます。花をたくさん摘んで作る忍冬酒には、利尿作用があり、膀胱炎、腎臓病、各種の皮膚病、強壮に効くそうです。

 ヤマホタルブクロ(山蛍袋)キキョウ科ホタルブクロ属。昔、ホタルを入れて遊んだからの名前だそうですが、本当かなと思っていたら、生前父が子供の頃そうやって遊んだと聞いて、へえ!って納得しました。

 妻女山展望台裏の四阿から望む右に茶臼山。その右奥に虫倉山。北アルプスの白馬三山は霞んでいます。今週末には梅雨入りするでしょうか。

 信州の筍というと根曲がり竹が有名ですが、産地は飯山、高山、信濃町や戸隠と山間部です。長野市や千曲市の里山や麓では淡竹が採れます。根曲がり竹より太く、アク抜きが不要なので大人気です。信州新町道の駅やJAスーパーの産直売り場で買えます。ボリュームあって安いのが魅力です。やはり鯖の水煮缶詰との味噌汁が有名ですが、若竹煮、炊き込みご飯、天ぷらや肉詰めやエビや白身魚のすり身を詰めてフライも美味です。ひとつ前の記事にこの時期の山菜料理を6品載せています。ご覧ください。

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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、商用利用の場合、有料でお使いいただけます。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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スフラギスをつけたウスバシロチョウ。ミナミヒメヒラタアブ、ダイミョウセセリ、コミスジ、アカサシガメ。実山椒の煮物、淡竹の若竹煮(妻女山里山通信)

2023-05-30 | アウトドア・ネイチャーフォト
 はしり梅雨の様な天気が続く毎日。晴れの日が貴重な5月というのも珍しいのですが、そんな晴れの日が週末続いたので妻女山山系へ撮影にでかけました。キバネツノトンボの撮影が主でしたが、その他の昆虫もあちこちで活発に活動を始めました。北九州から東海は異例の早さで梅雨入りした模様。スーパー台風2号で災害がないといいのですが。キバネツノトンボの記事は、一つ前と二つ前にあります。産卵シーンがご覧いただけます。

 ハルジオン(春紫苑)で吸蜜中のメスのウスバシロチョウ(薄羽白蝶)。交尾を終えた印である三角のスフラギスをつけています。スフラギスはラテン語でシールの意味で、交尾を終えるとオスは多量の粘液を出してメスの交尾口を塞ぎます。そうして他のオスと交尾できないようにするのです。精子は精子包につつまれて挿入されます。精子の入る口と産卵の出口は別なので、産卵の妨げにはなりません。スフラギスは日本語では、交尾嚢・受胎糞・封減片・貞操帯などと表記します。作り方ですが、後部は穴が空いているので前方から左右に交互に壁を作っていくものと思われます。できればその動画が見たい。またスフラギスの成分を知りたいものです。
ウスバシロチョウの複数回交尾とスフラギスについて:寺 章夫

 あまりに小さいので、撮影するよりまず発見するのが難しいミナミヒメヒラタアブ。体長は8−9ミリ。これは複眼の間が離れているのでメス。胴も平べったく広いのが特徴。オスは細い丸胴です。幼虫はアブラムシを食べます。

 長い下口式の口器(唇弁)を出してハルジオンで花粉を吸っています。黄色い筒状の花弁には蜜が含まれています。動きが細かく素早いので撮影が大変です。撮影中は息を止めています。

 ハルジオンで口吻を差して吸蜜するダイミョウセセリ(大名挵)。イボタノキやスイカズラ、オカトラノオなどでも吸蜜します。食草はヤマノイモなどの葉。

 コミスジ(小三條)。羽ばたきと滑空を繰り返し軽やかに舞うチョウ。幼虫の食草はクズ、フジ、ハギ、ニセアカシアなどのマメ科植物。冬は3齢幼虫で越冬します。人の気配に敏感で、なかなか容易に撮影させてくれません。

 アカサシガメ(赤刺亀)。餌は小さな昆虫で体液を吸います。主にハムシの仲間を捕まえますが、時には自分より大きなコオロギを捕まえて体液を吸うこともあります。不用意につかむと刺されることがあります。

 川中島の戦いで上杉謙信の本陣となった陣場平。貝母(ばいも・編笠百合)は枯れていますがまだ倒れているものはわずかです。歴史マニアの人達が訪れました。ウスバシロチョウの撮影に来た人も。山蕗を採りに来た人達も。サンコウチョウやヒヨドリ、シジュウカラなどの鳴き声がしますが、特定外来生物のガビチョウの鳴き声も。

 枯れた貝母を伝ってアカネ(茜)が上へ上へと伸びています。アカネは万葉集にも詠われていますが、古くから根が草木染に使われてきました。その夕焼けを思わせる茜色は実に魅力的な色合いです。煮出した液に布を浸し、ミョウバンで媒染します。
「あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」 額田王  萬葉集1巻20
「あかねさす 日並べなくに 我が恋は 吉野の川の 霧に立ちつつ」 車持千年 萬葉集6巻916


 陣場平入り口に設置したインセクトホテル。この間はベニボタルの仲間が来ていました。

 ウスバシロチョウが日向ぼっこ。陣場平は有害帰化植物のハルジオンは全て抜いてしまうので吸蜜できませんが、林道脇のものは残してあります。

 ヤブヘビイチゴ(藪蛇苺)が咲いているのですがウスバシロチョウは吸蜜しません。ヘビイチゴは陣場平の日の当たる場所に、ヤブヘビイチゴは半日陰に見られます。葉は、ヤブヘビイチゴは先が尖り、ヘビイチゴは全体が丸い印象。果実はヘビイチゴに艶がなく、ヤブヘビイチゴにはあります。果実は無味無臭ですが無毒。解熱や神経痛の生薬として用いられます。

 サンショウ(山椒)の実が日当たりの良いところは大きくなってきました。昨年より1週間ほど早めです。実山椒を摘みました。

 イボタノキ(水蝋樹・疣取木)も早めに咲きだしました。モクセイ科イボタノキ属の落葉低木。別名は、トスベリノキ、カワネズミモチ。ウラゴマダラシジミの食草です。樹皮にイボタロウムシがつき、イボタ蝋(ろう)が取れ、家具の艶出しや日本刀の手入れなどに用いられます。材は決めが細かいので、楊枝や木工芸に使われます。

 キツネアザミ(狐薊)。アザミとつきますが、アザミではなくキク科キツネアザミ属の2年草です。消炎などの薬草です。古代に農耕と共に中国から渡来した史前帰化植物。江戸時代には、化粧道具に似ていることから狐の眉掃とか眉掃薊と呼ばれていました。

 採ってきた実山椒をコウナゴ(小女子・イカナゴ)とで、白出汁とあご出汁で煮ました。はじめに茹でこぼしてアク抜きをします。実山椒は京土産の縮緬山椒の佃煮が有名ですが、こんな風に薄味で煮付けるのも非常に美味です。山椒は、サンショオールなどの働きで血行構を良くし整腸作用があり、鎮痛、殺虫、解毒、嘔吐、腹痛、下痢、消化不良、寄生虫駆除などの効能があります。ただし、キサントキシンと呼ばれる麻痺成分が含まれているので過食は禁物です。だから痺れるのですけどね。昔訪れたアマゾンには「タカカ」という飲むと痺れる美味しいスープがあります。遠くジャングルが見える大河のほとりで屋台のタカカを飲んだ思い出は忘れられません。
 私達が食べている野菜は、本来野草や山菜だったものを品種改良して食べられるようにしたものです。野草や山菜は主に昆虫や動物に食べられないために有毒のものがほとんど。アクも食べられないための物質。栄養も豊富ですが毒も多いのです。ただ閾値(しきいち)というものがあり、ある量までは薬効がありそれを超えると有毒となります。野草や山菜を食べるには、正しい知識を得ることが大事です。

 淡竹(はちく)とワカメ(若布、和布、稚海藻)の若竹煮。淡竹はアク抜きが不要ですが、10分ほど茹でて置いておくとわずかなアクが取れます。今が季節のワカメと白出汁、ホタテ出汁で煮ます。そのままゆっくり冷ますと味が染み込み皐月の透き通った滋味の味になります。まだ筍があるので、筍ご飯は中華風にしようかなと思っています。

 山蕗も終盤。干しホタルイカやソフト鰊の煮物も堪能。他に無いかと思いついたのが山蕗とスルメの煮物。白出汁、炒り粉出汁、ホタテパウダー、アサリパウダーで煮てみた。実山椒も入れて。炙ったスルメが最高にいい仕事をしている。絶品。

「鶏と淡竹とウドの中華炊き込みご飯」鶏肉を中華醤油と牡蠣油に浸けておくのがポイント。干し椎茸、ニンジン、長ネギ。中華出汁、貝出汁、ごま油、多めのすりおろし生姜で炊きます。「淡竹と鯖の水煮缶詰と新玉ねぎの味噌汁」自家製味噌が肝。北信の郷土料理。淡竹は採ってすぐならアク抜きが不要ですが、買ってきた場合は茹でてしばらく置くとアクが抜けます。根曲がり竹の半額ぐらいです。細いものもありますが、根曲がり竹の倍以上の太さのものもあります。ひき肉や、魚やエビのすり身をつけてフライにすると美味です。

「淡竹と鯖の水煮缶詰と新玉ねぎの味噌汁」をたくさん作ったので、翌日は煮込みうどんに。うどんは友人が育てた幻の小麦「伊賀筑後オレゴン」で手打ちうどん。信州の善光寺平から上田にいたる間の千曲川の沿岸で、大正時代から戦後まで作られた人気の小麦でした。三重県伊賀上野市の農林省関西試験場が、筑後平野で作っている小麦と、アメリカ西部のオレゴン州の小麦を交配して作った硬質小麦です。日本の小麦は、軟質小麦。アメリカのオレゴン種はグルテンが多い硬質小麦です。この二つを交配して作られたのが伊賀筑後オレゴン種で、準強力粉です。わが家でも父が昭和30年代半ばまで作っていました。

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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、商用利用の場合、有料でお使いいただけます。

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キバネツノトンボの産卵ラッシュ。16都道府県でレッドリスト(絶滅危惧種)に指定されている希少な昆虫。産卵孔から卵が出て産みつける動画もアップ(妻女山里山通信)

2023-05-27 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が28度の週末。貴重な晴れの日、キバネツノトンボの産卵が見られるのではと妻女山山系へ。予想以上の産卵ラッシュに遭遇しました。トンボの仲間ではなく、アミメカゲロウ目ウスバカゲロウ科ツノトンボ亜科の昆虫です。2日前にカッコウの初鳴きがありました。貝母の陣場平では特定外来生物のガビチョウがやかましいほどに鳴いています。市からは毎日の様に熊の目撃情報が流れます。淡竹の筍の時期なので下りてくるのです。熊鈴とホイッスルを忘れずに。

 一匹のキバネツノトンボのメスが、産卵する茎を探して飛び回っています。細いと自分の体重で曲がってしまうし、太いと卵を産みつけにくいのでしょう。10分ほど探し続けていました。曲がってしまうだめな細い茎に何度も来るのは可愛そうでした。腹部は卵でパンパンに膨れています。触角の先の丸い玉が可愛らしい。どういう機能があるのでしょう。

 やっと最適なメリケンカルカヤ(米利堅刈萱)を見つけると産卵を始めました。

 前回遭遇した個体に比べると産卵する速度は少し遅めです。

 産卵孔から卵が出てくる瞬間。

 下から上に産みつけていき、腹部の曲がりが限界になるとにじにじと上に登り、また産卵を始めます。

 複眼の反射の模様は拡大するとダビデの星の様な形が見えます。昨年の記事で拡大写真を載せました。
キバネツノトンボ。体の構造と生態を観察する夏日の草原。複眼にダビデの星? 16都道府県でレッドリストに指定されている昆虫(妻女山里山通信)

 産卵が終わった様です。16分かかって67個の卵を産みました。

 すごくきれいに産みつけられています。皆無事に孵化してくれるといいのですが。

 2分ほど休んで近くの茎に移って休憩中。

 別の植物に少し大き目のメスがやってきて止まりました。どこかで産卵を終えた後なのでしょうか。

 すると別の茎で産卵をしているメスがいました。

 花穂の直前で産卵が終了しました。60個産みました。

 やはり別の茎に移って休んでいます。帰ろうとしたら別のメスがやってきて産卵する茎を探し始めました。観察したかったのですが、炎天下の撮影でクラクラしてきました。熱中症になっては大変なので下山しました。これ以外にスフラギスをつけたウスバシロチョウや、極小のミナミヒメヒラタアブなども撮影したのですが、別の記事で紹介します。

産卵するメリケンカルカヤを探すキバネツノトンボのメス。(YouTubeで、ハイビジョン・フルスクリーンで見ることをお勧めします。最大2160p 4kで見られます)


キバネツノトンボの産卵 vol.01


キバネツノトンボの産卵 vol.02


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キバネツノトンボの産卵。16都道府県でレッドリスト(絶滅危惧種)に指定されている希少な昆虫。動画もアップ(妻女山里山通信)

2023-05-23 | アウトドア・ネイチャーフォト
 16都道府県でレッドリスト(絶滅危惧種)に指定されている希少なキバネツノトンボ(黄翅角蜻蛉)の産卵に遭遇しました。交尾期は早々と終えてオスは姿を消しました。やはり昨年より10日ほど早かった様です。産卵は11分に及びました。貴重な産卵シーンの数々を撮影することができました。

 一匹のキバネツノトンボが飛び回っていました。あちこちのメリケンカルカヤ(米利堅刈萱)に止まってはすぐに飛び立つことを繰り返しています。止まった個体を見るとメスです。しかも腹部が大きく膨らんでいます。ひょっとして産卵する草を探しているのかなと思いました。

 トンボといいますが、実はアミメカゲロウ目ウスバカゲロウ科ツノトンボ亜科の昆虫。大きな目のその愛くるしい姿は、一度見たら忘れられません。絶滅危惧種ですが、長野県ではあちこちに生息地がある様です。それだけ信州は自然環境がいいということなのでしょう。

 10分ほどあちこちを飛び回って産卵場所を探していましたが、1本のメリケンカルカヤに決めた様です。

 1分ほどジッとしていました。目の反射の文様と、翅の翅脈が面白い。黄と黒のツートーンもお洒落。実に魅力的な容姿をしています。

 突然産卵を始めました。

 茎に産み付けられた卵が粘性のある糸を引いています。これが接着剤なのでしょう。産卵孔もよく見えています。

 茎の右左に交互に産卵していきます。

 卵を二列に産んでいきます。卵が茎から少し離れてしまうと。

 尾部を器用に動かして直しました。お見事。卵を茎に産みつける時に、尾部を細かく動かして卵を固定させていますが、その様子は下の動画で見られます。

 茎の穂先の方まで産み付けています。茎のどこから産みつけていくかも計算しているのでしょう。

 こんな風に二列に産みつけました。離れた部分もバラけずに繋がっています。茎は花穂もあってデコボコしているのですが、巧みに産みつけています。

 産卵が終わった様です。11分かかりました。卵は31個✕2列で62個でした。お腹もしぼんでいます。お疲れさん。卵が無事に孵化できるか観察をしたいと思います。

 茎の上側に登りました。

 約3分の休憩の後に翅を広げて飛び去りました。卵が孵化するのに30日ほどかかるそうです。蟻地獄に似ている幼虫は、孵化すると地面に落下し肉食なので餌を求めて徘徊する様です。幼虫の期間は不明とか。謎の多い昆虫です。
 今回はオスを撮影できませんでしたが。昨年撮影したオスの記事です。
キバネツノトンボ。体の構造と生態を観察する夏日の草原。複眼にダビデの星? 16都道府県でレッドリストに指定されている昆虫(妻女山里山通信):尾部に丸いハサミを持つオス。複眼のダビデの星は不思議。

キバネツノトンボの産卵



 ほかの茎に産みつけられた卵塊。傷ついたものもあります。全部が無事に孵化することはないでしょう。アリやカメムシなどに見つかると全滅することも考えられます。


 ハナニガナ、ハルジオンなども咲く妻女山松代招魂社。クマバチのホバリングの羽音が響きます。

 善光寺平は黄砂で霞んでいます。

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サンコウチョウやシジュウカラがさえずる妻女山陣場平で貝母の球根の移植作業。オオブタクサなど帰化植物の抜き取り。ベニボタル、虫こぶ(妻女山里山通信)

2023-05-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今回の妻女山里山デザイン・プロジェクトの作業は、陣場平で貝母の球根の移植作業がメインです。気温は23度ぐらいですが前日かなり雨が降ったので蒸し暑い。ただ五月蝿いクロメマトイや藪蚊がいないのが幸いでした。

 東の斜面の下側に生えている貝母を掘り起こします。今回運搬用に一輪車をN氏が持ってきてくれたので作業がはかどりました。

 以前私がエノコログサ(猫じゃらし)を掘り起こした穴に貝母を移植していきます。

 貝母の群生地はかなり枯れて黄色くなってきました。ウスバシロチョウが十数頭舞っています。

 樹上からサンコウチョウやシジュウカラの鳴き声が聞こえます。それよりけたたましくハルゼミとエゾハルゼミが鳴いています。

 植えたら土を周りにかぶせて足で踏み固めます。移植した貝母は来年咲きます。

 今年は全体で昨年の約半分ほど、30数株を移植しました。種は西へ飛ぶので、7、8年後には積石塚古墳の方まで貝母で埋め尽くされるかもしれません。移植作業は1時間半ぐらいで終了。

 陣場平中央にある大きなクマノミズキの太い枯れ枝を切ります。

 足場が悪くて危険なのでチェーンソーではなく手鋸で。

 作業を終えて小休止。鞍骨山方面へ二人登っていきました。尾根筋は風があって気持ちいいでしょう。

 休憩後は、出始めたオオブタクサを抜いてもらいました。里山保全はこういう地味な作業が大事です。

 これが有害帰化植物のオオブタクサ。大きくなると3mぐらいになります。根から他の植物の成長を妨げる物質を出すので放っておくとオオブタクサだらけになってしまいます。葉の先が3つに別れているのが目印。

 有害植物ではありませんが、ヒカゲイノコヅチも株になると貝母が生えなくなるので、適宜除去します。

 メンバーが、これ何の実?と言うので見ると、クヌギの幼木に、ナラメリンゴフシ(楢芽林檎五倍子)。ナラリンゴタマバチによって作られた虫コブ(虫えい・ゴール)です。ナラメリンゴタマバチ(雌)が交尾後、コナラの根に楢根玉五倍子(ナラネタマフシ)を作ります。そこから冬に羽化した雌が単性生殖でコナラの冬芽に産卵し、それがこのような五倍子(フシ)を形成するのです。形成されたフシは卵の揺りかごであり幼虫になっては餌となります。コナラの冬芽をこんな風に変形させてしまうのですから恐るべしかなナラリンゴタマバチ。タマバチのタマとは、このリンゴ状のフシのことです。
 虫コブは古くから利用されてきました。マタタビはマタタビミミタマバエの作る虫コブができて初めて価値あるマタタビ酒になります。また、ヌルデ(白膠木)の若芽や若葉などにヌルデシロアブラムシが寄生してできる虫こぶ(ヌルデミミフシ)は、お歯黒、染め物、薬、インク、占いなどに使われてきました。特に染料は、空五倍子色という伝統色で、古代より(正倉院にあり)珍重されてきました。
 虫コブは、物理的刺激や植物の生長を促進する物質(植物ホルモンやアミノ酸など)により形成されますが、現在は人工的に虫コブを作る研究もされています。しかもフシはなにも虫だけによってつくられるのではなく、ダニ類、線虫類、細菌、菌類によっても作られます。ですから虫コブや虫えいよりは、英語のGALL(ゴール)といった方が適切かもしれません。もっとも、植物寄生菌類の多くは果樹や野菜に多大な被害をもたらすものばかりですが。現在、日本では1400種以上のゴールが見つかっています。実に奥が深い世界です。

 林床に妖しく咲くマムシグサ(蝮草)。サトイモ科テンナンショウ属の多年草。薬草で毒草ですが野草好きの園芸家が好む花です。

 インセクトホテルに訪れたお客様は、ベニボタルの仲間。コウチュウ目ホタル上科ベニボタル科に分類される甲虫ですが、黒い斑点がある種は初めて見ました。未同定。

 クヌギの倒木におびただしい数の羽蟻。羽が大きいことや頭と胸部の色や形から、ヤマトシロアリでしょう。

 皆にアリノスアブを見てもらいました。すぐ上や右上に小さな穴がありますが、アリノスアブが開けたものです。ミネラルや塩分補給のために泥を舐めているのでしょうか。不思議です。

 昼は堂平大塚古墳のログハウスを借りて。まず雑巾でテーブルと椅子をきれいに拭きます。クマバチが二階の横の丸太に下から穴を開けて巣を作っていました。

 今回は各自おにぎりとおかずを持参。人数も少ないので火は使いません。ニラのおやき、鶏の燻製、カブのポン酢しょうゆ、鰊と干しホタルイカと山蕗の煮物、実山椒の佃煮、淡竹の煮物、手作りチャーシュー、鶏のピリ辛炒め、イカのピリ辛炒めなどとノンアルコールビール。次回は状況を見て除草作業をします。

 絶滅危惧種のキバネツノトンボの産卵シーンの撮影に成功したので次の記事でアップします。動画もあります。

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ウスバシロチョウが十数頭舞う陣場平では貝母の実がたくさん。コアシダカグモの保育園。やはり不思議なアリノスアブ(妻女山里山通信)

2023-05-17 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が32度の予報の中、妻女山の陣場平へ。近々行う妻女山里山デザイン・プロジェクトの作業の準備と段取りを決めるためです。下界は真夏並みでしたが湿度が低く山上は18度。ただ直射日光はきつく、日向での作業は無理でした。体がまだ暑さに慣れていません。

 陣場平の下の入口近くになぜか、テッセン(鉄線/鉄仙)キンポウゲ科センニンソウ属でクレマチスの原種。原産地は中国。ただ花弁状の萼片が8枚なので、日本原産の風車(カザグルマ)でしょう。毒草です。なぜここに1株だけあるのでしょう。しかし、我家の庭にも植えた覚えがないのに同じテッセンが咲いています。小さな蜘蛛がいますね。

 ハナニガナで吸蜜中のヤマトシジミ(大和小灰蝶)シジミチョウ科ヒメシジミ亜科ヤマトシジミ属。顔や目にまで花粉がついていますね。幼虫は、カタバミを食べます。東京の都市部や郊外でも普通に見られるゼフィルス。信州では、成虫は4月から11月に見られ、年に5~6回程度発生。似たルリシジミより斑紋が濃く、目が灰褐色で小さな黒点があり、黒い目のルリシジミと区別できます。

 ハルジオンで吸蜜中のウスバシロチョウ。妻女山山系のあちこちでたくさん舞っています。氷河期の生き残りで毛深いのですが、暑さには強いのでしょうか。

 ミヤマセセリ(深山せせり:Erynnis montanus)はセセリチョウ科セセリチョウ亜科ミヤマセセリ属。セセリという字は難しいのですが、手偏に弄という字で、つつくとか穿(ほじ)るという意味です。セセリチョウの中で最も早く春に出現するチョウ。食草はコナラなので、コナラの芽ぶきに合わせて繁殖行動をします。

 貝母群生地のある陣場平。第四次川中島の戦いで上杉謙信が本陣としたと伝わる場所ですが、兵どもが夢の跡。ウスバシロチョウが十数頭舞っています。ハルゼミとエゾハルゼミの合唱が響きます。サンコウチョウとシジュウカラの鳴き声も樹上から響きます。日陰は快適です。

 今年も貝母の実がたくさんなりました。ミツバチやハナアブに感謝です。ラウンドアップや草退治などのネオニコチノイド系農薬を使うと彼らは全滅します。欧米ではすでに製造販売が禁止されているベトナム戦争の枯葉剤由来の農毒を日本はまだ売っているのです。農薬、除草剤、殺虫剤などは雑草や害虫を殺しますが、人も殺します。

 通常貝母の花は花びらが6枚、雄しべが6本なんですが、7〜9のものもあります。ところが実になると全て6つのヒレを持つのです。これが不思議。

 貝母の葉先におそらくコアシダカグモの保育園。この状態を団居(まどい)といいます。徘徊性のクモで巣を作らないのですが、赤ちゃんのためにこういう糸の保育園を作るのです。コアシダカグモの餌はゴキブリ、ハエ、蚊などで有益なクモなんです。

 それで指先でちょっと触れてみました。「蜘蛛の子を散らす」という状態です。しばらくすると戻ってきます。もう少しするとバルーニングといって、草木にのぼり、糸を垂らした状態で風に吹かれます。この糸を切ることで、風に乗って飛んで別の地域へ散っていくのです。

 貝母の茎の上からヒカゲイノコヅチの葉の上に突然ガガンボが落ちてきました。何かに襲われたのかな。マダラガガンボの一種の様です。ガガンボは、ハエ目(双翅目)カ亜目(長角亜目)ガガンボ科で大蚊(蚊ヶ母)と書きます。蚊の仲間ですが吸血しないので害虫ではありません。人にも有害な殺虫剤など不要。掴むと脚が簡単にもげてしまいます。

 ヘビイチゴの花。春のバラ科の黄色い花は似たものが多いので同定が大変です。近くにはキジムシロもありますがまだ咲いていません。

 アリノスアブの一種と思われる昆虫が集まる場所へ。体長が8ミリぐらいで小さく動きが素早いので撮影は大変です。こちらはメスか。

 こちらはオスか。観察していると激しく細かに顎を動かしていて、やはり泥を舐めている様にしか見えません。水を飲むなら下に水たまりがいくつもあるし、土の壁に開けられた小さなたくさんの穴も説明できません。本当に不思議な生態です。アリノスアブはアリの卵を食べるはずですが。

 陣場平入り口に設置したインセクトホテル。どんな昆虫が来てくれるか楽しみです。

 サンショウの枝にカマキリの巣。色と形からオオカマキリの巣でしょう。もう孵化した後でしょうか。数百匹の赤ちゃんカマキリが生まれますが、生き残れるのは2、3匹。残りは他の昆虫に食べられてしまいます。カマキリの餌は、はじめはアブラムシなどで、成長するにつれてコオロギ、バッタ、チョウなどに変わっていきます。ときには自分より大きなニホンカナヘビなども捕食します。カマキリは交尾の後でメスがオスを食べる共食いが有名ですが、性成熟前のメスは動くオスを見ると餌と認識して食べてしまうそうです。交尾後も動くものを餌と認識してしまうとか。カマキリのオスに生まれなくて良かった。
 キバネツノトンボを一頭発見しましたが、捕食行動で飛んでいるばかりで止まってくれません。来週にはもっと現れるでしょう。

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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、商用利用の場合、有料でお使いいただけます。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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ウスバシロチョウの不思議なバトル。生態が不明なアリノスアブの一種。ヒレアザミ、オオアマナ、ニセアカシア、絶滅危惧種のギンラン(妻女山里山通信)

2023-05-11 | アウトドア・ネイチャーフォト
  約1週間ぶりに妻女山陣場平へ。週末にかなり雨が降ったので林道が泥濘状態と心配しましたが、雨水を逃がす溝をいくつも掘ったために難なく登れました。しかし落枝がすごく5回ほど停車して除去しました。撮影の前にまず貝母群生地の保全作業。出始めた外来有害植物のオオブタクサやハルジオンを抜き取ります。寡占してきたヒカゲイノコヅチ(日陰猪子槌)も適宜除去します。 ヒカゲイノコヅチは薬草で、根は通経、鎮痛、利尿作用があり、月経不順,産後出血、腰痛や関節痛、リウマチ、神経痛、打撲、小便難渋などに用いるそうです。茎にイノコヅチクキマルズイフシという虫こぶができます。

 ヒレアザミ(鰭薊)が咲き始めました。茎には幅の広いひれがつき、その縁にも刺があります。ウスバシロチョウも好んで吸蜜する花です。

 オオアマナ(大甘菜)キジカクシ科オオアマナ属の多年草。明治時代に入った帰化植物が野生化したものの様です。別名は、ベツレヘムの星。毒草です。

 妻女山展望台裏の四阿から望む白馬三山。手前に茶臼山。右奥に虫倉山。麓には帰化した高句麗の豪族に由来する篠ノ井の市街。茶臼山中腹のリンゴも花はもう散っています。

 妻女山駐車場に咲くハリエンジュ(針槐:ニセアカシア)。北米原産のマメ科ハリエンジュ属の落葉高木。花は蜜が豊富で蜜源として有用です。葉、果実、樹皮は有毒で、棘が刺さると腫れてしびれが出るそうです。刺さったら抜いてステロイド軟膏を塗るといいとか。花は無毒で、天ぷらなどで食べられます。

 ハルジオンで吸蜜するテングチョウ(天狗蝶)タテハチョウ科テングチョウ亜科。天狗の鼻の様に見えるのは、下唇ひげ(パルピ)です。幼虫の食草はエノキなど。貝母群生地のもの以外のハルジオンはとても除去しきれません。

 桐の花が満開です。右奥は武田信玄のノロシ山。躑躅ヶ崎館まで狼煙で情報を送りました。約2時間で届いたとか。常時20人ほどが常駐していたといわれています。拙書でも紹介していますが、郭や空堀の遺構があります。

 陣場平へ。貝母は日に日に枯れていきますが、5月いっぱいは殆どは倒れません。実がついていない茎から倒れていきます。実がついている茎は枯れてもなかなか倒れません。実だけはまだ緑色です。やがて実も枯れると弾けて種を飛ばします。その時に東風(こち)が吹くことが多いので貝母は西へと増えていくのです。ウグイスやサンコウチョウ、シジュウカラやヒヨドリの鳴き声が聞こえます。メスグロヒョウモンのメスやクロアゲハも目撃しました。ベンチを白樫のものに新調しました。腰掛けて風景を眺めながら小鳥のさえずりを聞くと癒やされ、自然との一体感を得られると思います。今の季節、淡竹の筍を求めて子連れのクマが来ることがあるので、たまに大きな声や音を立てて知らせることも大事です。ニホンカモシカもやって来ます。

 貝母の実。約2センチほどですが、最終的には3センチぐらいになります。中心部が色濃く盛り上がっていますが、縦に種がぎっしり詰まっています。もうすぐメンバーを集めて貝母の球根の移植作業をします。オオブタクサなどの帰化植物の抜き取りも。里山保全は知識や知恵も必要で手がかかります。

 ウスバシロチョウの不思議なバトルを目撃しました。一頭が別の一頭に執拗に襲いかかっているのです。最初は交尾を迫っているのかなと思いましたが、なにか可怪しい。

 組んっずほぐれつして、結局掴まれていた一頭を置き去りにしてもう一頭は飛び去りました。残されたウスバシロチョウは前翅が折れています。どういうことなのでしょう。オス同士の縄張り争いなのでしょうか。不思議です。もし交尾を迫るオスならば、メスはまだ未成熟だったと思われます。
すったもんだのウスバシロチョウの交尾。交尾後にオスがメスにつけるスフラギス(受胎嚢)(妻女山里山通信):交尾は女性上位で行われメスが主導する感じです。アリに襲われオスを引きずって登っていく逞しいメス。交尾は2時間ぐらい続きます。

 土の斜面に穴を開けて土を食べている?アブ。2019年の記事でアリノスアブの一種かと書いたのですが、調べてもこんなアブは出てきません。妙に離れた複眼の間に3つの単眼があることからアブと分かります。体長は8ミリぐらい。毛深いアブですが、オスには腹部の背中に毛がありません。近づいても襲って噛むようなことはありません。この土面には小さな穴がいつくも開いているのですが、アリの巣ではありません。どう見ても土を食べて穴を開けているようにしか見えないのです。未同定の新種?
不思議なアブの続き。アリノスアブだろうと判明したのですが、これまた不思議な生態で頭クラクラ(妻女山里山通信):2019年の記事。不思議な青い虫も写っています。

 コミスジ(小三條)タテハチョウ科タテハチョウ亜科。滑空と羽ばたきを繰り返してワルツを踊るように軽やかに飛び回る蝶。幼虫の食草はクズ、フジなどマメ科の植物。人の気配に敏感で、なかなか撮影させてくれません。

 ギンラン(銀蘭)ラン科キンラン属。白い花は蕾ではなく、これでもせいいっぱい咲いている状態です。ギンランは、「菌根菌」という菌類と共生する特殊な生育形態をもっています。ギンランは特に菌に対する依存度が強く、「外生菌根菌」は特殊な土壌にのみ生息するため、この花を採取して移植しても家で育てる事は不可能です。環境省の絶滅危惧II類(VU)-2012年レッドデータ。

 作業と撮影の前に山蕗を採りました。ソフト鰊と干しホタルイカの煮物。山蕗は、ワラビ、ゼンマイ、ミョウガと同様に発がん物質が含まれるのでまず茹でてアク抜きをしっかりとします。流水で洗って自家製干し椎茸、昆布、鰹出汁、炒り粉出汁、本味醂、醤油で煮ます。ここでもアクを取って沸騰したら強火で5分、弱火で10分煮て冷まします。これを使って炊き込みご飯もできます。昔は大鍋で煮て常備菜として1週間以上食べました。山菜料理というのはまさに信州が舞台の映画『土を喰らう十二ヵ月』(沢田研二が主演を務め、作家・水上勉の料理エッセイ「土を喰う日々 わが精進十二カ月」を原案に描いた人間ドラマ)そのままです。

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ヒメオドリコソウで吸蜜するキアゲハ。成長する貝母の実。ガマズミ、シナノタンポポ、スミレ、コマユミ、イボタノキ、ハナニガナ、山藤(妻女山里山通信)

2023-05-04 | アウトドア・ネイチャーフォト
  最高気温が26度の長野市ですが、妻女山陣場平は昼近くで22度。日向は熱くても日陰は湿度も低く快適です。鞍骨に登る途中で二組ほど貝母を見に訪れました。次回の妻女山里山デザイン・プロジェクトの作業は球根の移植ですが、それまでは他の里山へ撮影に行こうと思っています。

 ヒメオドリコソウで吸蜜するキアゲハ。ヒメオドリコソウ(姫踊り子草)は、ヨーロッパ原産の越年草。遠目ではそう見えませんが、アップにすると踊り子草だと分かります。

 春型のキアゲハは小型。遠目にはヒメギフチョウと見間違えることも。ウスバシロチョウも6頭ぐらい舞っているのですが、吸蜜する花がないために止まりません。ハルジオンやヒレアザミが咲くまでもつか心配です。

 貝母(編笠百合)は、下部から黄色く枯れていきますが、実がついているものは茎が枯れても倒れません。シジュウカラやヒヨドリ、オオルリらしき鳴き声も。賑やかになってきました。山蕗を採りました。今回はソフト鰊と煮物にします。

 貝母の実も順調に大きくなってきました。茶色いのはクヌギの花穂が枯れたもの。風が吹くと上から大量に降ってきます。

 登ってくる林道脇にたくさんガマズミの花が咲いています。今年も秋に真っ赤な実を摘んでガマズミ酒を作ろうと思います。

 ハリギリの若葉。若芽は美味しい山菜ですが、タラの芽と違い開いたら苦くて食べられません。春が早すぎて今年は食べ損ないました。

 シナノタンポポ(信濃蒲公英:在来種カントウタンポポの亜種)の種。強い風が吹くとフワフワと舞い上がります。

 コハコベ(小繁縷)だと思うのですが。ナデシコ科ハコベ属。ハコベは色々似た種類があって迷います。

 コマユミ(小真弓)の花。葉の縁に細かな鋸歯があります。落葉低木で秋にはマユミの様なでも小さな赤い実をつけます。

 イボタノキ(水蝋樹・疣取木)モクセイ科。これは蕾です。6月に咲く白い花は合弁花で、4裂します。秋に暗紫色の実をつけます。イボタノキには、蝋を分泌するイボタロウムシがつき、家具のつや出しに使われます。そのため水蝋の樹と呼ばれます。満開のイボタノキは、昆虫たちに大人気で、シジミチョウ、ヒョモンチョウ、コアオハナムグリ、コマルハナバチなどが訪れます。

 イカリソウ(碇草・錨草)の残花。メギ科イカリソウ属。別名は、三枝九葉草(さんしくようそう)、生薬名は、淫羊霍(いんようかく)で強壮剤などに。仲間には、トキワイカリソウ、ウラジロイカリソウ、キバナイカリソウ、距がないバイカイカリソウ、ホザキノイカリソウなど。

 タチツボとかエイザンとか上に何もつかないスミレ(菫)。妻女山山系では最後に咲くスミレです。

 ハナニガナ(花苦菜)キク科ニガナ属の多年草。茎の上部で枝分かれし、多数の頭花をつけます。

 ソメイヨシノの幹にウメノキゴケ。地衣類は、大部分は子のう菌に属する菌類なんですが、光合成ができないため菌糸で作られた構造の内部に藻類が共生して、藻類が光合成で作り出す合成産物によって生活しています。両者の間には高度な共生関係が成立しています。
 地衣類には、写真のような葉状地衣類。樹皮や岩の模様に見える痂状(かじょう)地衣類(固着地衣類)。枝状になって基質から立ち上がるコナアカミゴケなどのような樹状地衣類があります。おやきや天ぷらで食べられる珍味イワタケ(岩茸)も地衣類です。

 ヤマフジ(山藤)。マメ科の蔓性(つるせい)の落葉低木。蔓はフジとは逆の左巻き。花穂がフジの様に長くなりません。秋になる豆は煎って食べられます。はんなり甘く爽やかな味。

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白いステンドグラスの様なウスバシロチョウが舞う陣場平。ホタルカズラ、シュンラン、リュウキュウツツジ、シナノタンポポ(妻女山里山通信)

2023-04-29 | アウトドア・ネイチャーフォト
 ゴールデンウィーク初日は晴れ。在京時代はアート・ディレクターといえどもサラリーマンなので、家族を連れて深夜とか早朝に信州とかに出ましたが。観光地や名所は大混雑なので遠出しないのが帰郷してからの慣例です。花後の貝母の保全作業もあります。9時過ぎに陣場平へ。すでに鞍骨城跡に向かった人達がいたようです。

 なんとウスバシロチョウが1頭だけですが舞っていました。初見です。こんな早く目撃したのは初めてです。ウスバシロチョウ(薄羽白蝶)チョウ目アゲハチョウ科ウスバアゲハ亜科。別名はウスバアゲハ。アールヌーボーのステンドグラスのランプシェードのような翅は僅かに透けています。北欧から中近東の山岳地帯、ヒマラヤ、中央アジア高原などに棲息する北方系の蝶で、氷河期の生き残りです。そのため古典的な蝶といえるわけです。バタバタと羽ばたいて滑空するあまり飛ぶのが得意とはいえない様が、なんとも愛嬌があります。幼虫は、ムラサキケマン、ヤマエンゴサクなどを食べます。

 その幼虫の食草のシロヤブケマン(白藪華鬘)。結実し始めました。ムラサキケマンの白花で、花びらの先端が紫。全部真っ白なのはユキヤブケマンです。

 貝母の花はほとんど散り結実がたくさん見られます。ハナアブとミツバチ達に感謝です。いい仕事してくれています。ラウンドアップなどのネオニコチノイド系農薬を使うと、ハナアブやミツバチは全滅し農業が成り立たなくなります。原料のグリホサート剤も同様。発がん性が強く絶対に使ってはいけません。

 貝母の群生地にある苔むした倒木脇にアカネ(茜)の群生。染色に使います。ヘビイチゴは咲いています。もうすぐキジムシロも咲くでしょう。背後には山蕗が。小一時間採りました。干しホタルイカと煮物にします。大きくなったらソフト鰊と。土を喰らう十二ヶ月の滋味です。

 眩しい日差しに光る貝母。中央にウスバシロチョウが舞っているのが分かるでしょうか。5月中旬には数え切れないほど舞います。初夏の信州は、里山から高原まで本当に素敵です。ぜひおいで下さい。

 貝母の実。直径12ミリぐらいに育っています。最終的には30ミリぐらいになりホウセンカのように弾けます。

 前回エノコログサ(猫じゃらし)を除去した穴を掘り下げ、さらに移植用の穴を掘りました。土は柔らかいのですが、ノイバラの地下茎があってそれを切りながらの作業は腰に来ました。ここに移植します。弾けた種は西に飛ぶので向こうに見えるベンチまで群生は数年で増えていくことでしょう。

 試しに森の奥に散った株を移植してみました。小さな株なので球根もそう大きくはありませんが、来春には開花します。梅雨入りまでにメンバーを集めて2回ほど除草と移植作業をします。

 シロヤブケマンの葉にアカスジキンカメムシの5齢幼虫。背中が人の顔みたいで面白い。成虫になると緑に赤のラインが入って全く別のデザインになる変身昆虫。

 山蕗の葉にアシブトハナアブ。複眼が離れているのでメス。

 ホタルカズラが次々に咲き始めています。赤紫は蕾。

 シュンランはどうなったかなと行ってみたらまだ咲いていました。花期が長いのです。アリが訪問中。

 昼は堂平大塚古墳へ。純白のリュウキュウツツジが満開です。300年前ぐらいに作られた園芸種のツツジ。北アルプスを眺めながら、小鳥のさえずりを聞きながらまったりとランチタイム。

 米が切れそうなので籾米をもって精米のために下山します。12キロ200円。道すがら咲き始めたクサノオウ。(瘡の王) ケシ科クサノオウ属。別名は、皮癬草(ひぜんくさ)。生薬名は、白屈菜(はっくつさい)といいますが、非常に毒性が強いものです。瘡(くさ)・丹毒(たんどく)・湿疹を治す薬効があるために、くさ(瘡)の王と呼ばれるようになったとか。茎は中空で、折ると白汁が出て、橙黄色に変化します。花に触らないように。
 以前遠足の子供達が触っていたので先生に話したら、子供達に話してくださいと言われて拙書を見せながら妻女山山系の自然を分かりやすく話したことがあります。
 花にヤブキリ(藪螽蟖)の幼虫がいます。幼虫の頃は、花粉や花弁を食べ、成長すると肉食性になり昆虫を捕らえて食べるようになります。

 シナノタンポポの群生ですが、ここだけ茎が赤いのはなぜでしょう。シナノタンポポ(信濃蒲公英)在来種カントウタンポポの亜種で、ともに染色体数が2倍体なので受粉しないと種子ができません。外見上は、写真のように総苞片全体の大きさが太く、外総苞片と内総苞片の先端の小角突起とが全く無く、緑色した外総苞片と内総苞片の色の濃さが薄いなどの特徴があります。

 妻女山展望台から望む北アルプスの白馬三山。手前右に茶臼山。その右奥に虫倉山。いずれも自然豊かな歴史ある里山で、切所でも詳しく紹介しています。今夜から明日の午前中は大荒れになりそうです。北アルプスなどに登っている人は早めの避難を。2000m以上は冬山です。里山も強風時は落枝や倒木があり非常に危険です。まず安全を第一に。

 作業と撮影の合間に山蕗を採りました。干しホタルイカと煮ます。生でも茹ででもだめ。干しホタルイカでないと出汁が出ないのです。採りたての若い山蕗はアクが少ないので茹でこぼしは一度だけ。毎日火を入れて3日ぐらいから味が染み込んで美味しくなります。山蕗がもう少し大きくなったら味の濃い鰊との煮物にします。初夏の里山の滋味です。

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陣場平のインセクトホテルを完成。重労働エノコログサの除去。ウワミズザクラとイカリソウ。ミヤマセセリ。コシアブラの炊き込みご飯(妻女山里山通信)

2023-04-25 | アウトドア・ネイチャーフォト
 例年より10日から2週間ほど早い春。並木のアメリカハナミズキは満開です。茶臼山中腹のリンゴも咲いていました。妻女山ではシナノタンポポやクサノオウも。コゴミ、タラの芽、コシアブラなどの山菜は、もうお終いです。花も山菜もゴールデンウィーク前に終わってしまいそうです。

 妻女山里山デザイン・プロジェクトの作業で作ったインセクトホテルを完成させました。初めてなので見様見真似です。どんな昆虫や微生物が入ってくれるのか予想がつくものやつかないものもあり、楽しみです。

 色々な昆虫が集まれば、その昆虫を食べる昆虫や鳥も集まります。里山なら問題ないのですが、益虫も害虫も呼び寄せるので畑や住宅街に設置するときは注意が必要です。

 これが完成形というわけではなく、観察しながら替えていこうと思います。これを作ったのは、千曲市による松枯れ病のネオニコ空中散布が中止されて数年経つのに、一旦増えた樹液バーに集まる昆虫の数が、ここ2年間激減しているからなのです。原因は分かりません。樹液を出す切れ込みを作るとか、シロップのポットを置くとか対策を色々考えています。

 陣場平の貝母群生地へ向かう小道脇に設置しました。看板がないので、なんだろうと興味を持ってもらえると嬉しいですね。福一の原発核爆発の放射性プルームは、長野市にも流れました。主に犀川沿いを登ったので、飯縄山山頂や犀川沿いにはホットスポットが生まれ、野生のキノコや山菜が汚染されました。それは今も減っていません。半減期10万年ですから当然です。私は妻女山山系の各地をガイガーカウンターで測定しましたが、アラームが鳴ることはありませんでした。しかし、現在も軽井沢や佐久方面の山菜やキノコは基準値を超えるものがあります。詳しくは長野県のホームページで確認してください。

 貝母(編笠百合)の群生地。新しいベンチも景色に馴染んでいます。小鳥の鳴き声も増えてきました。まもなく”月日星ホイホイホイ”というサンコウチョウの鳴き声も聞こえるでしょう。

 積石塚古墳の横のベンチ。左の梅の木の枝やベンチの下側に、ムモンホソアシナガバチが巣を作ることがあります。近づくときはよく確認してください。ハイキングにはポイズンリムーバーの携行を。

 赤松の切り株に、粘菌(変形菌)のマツノスミホコリが。割れて胞子を飛ばす準備ができています。左上には未熟も見られます。

 翌日は雨が降る前にエノコログサ(狗尾草:猫じゃらし)の除去。シャベルで掘り出して裏返して根切します。40株ほど掘り起こしましたが、2時間半ほどかかり重労働でした。イネ科エノコログサ属の植物で、一年生草本ですが、株が大きくなると根をびっしりと張り巡らせます。貝母の群生地の方へ繁殖してきたので除去することにしました。小さい株はまた出てくるのでいずれ掘り起こします。この場所には、貝母の球根を移植します。

 陣場平の貝母群生地の周りにはウワミズザクラが何本もあり満開になりました。南側には3本の大きなウワミズザクラがあります。微風に揺れる様は優雅です。

 ウワミズザクラ(上溝桜)バラ科ウワミズザクラ属の落葉高木で、別名はハハカ(波波迦)、コンゴウザクラ(金剛桜)など。遠目で見るととても桜には見えませんがアップにすると、アッ、確かに桜だ。

 花穂をさらにクローズアップするとこんなです。蕾(杏仁香)や実は食べられます。果実酒にも。欧州ではジンに入れたりするそう。古くは占いに使われたことから占溝桜。

 ゴヨウアケビの葉に止まるミヤマセセリ(深山挵)。蛾に見えますがセセリチョウ科ミヤマセセリ属に分類されるチョウの一種です。

 ヒメオドリコソウ(姫踊子草)で吸蜜するミヤマセセリ。テングチョウと共に陣場平や林道でたくさん見られます。

 ウワミズザクラが咲いたのでもしやと思い帰路にイカリソウの群生地へ。やはり咲いていました。

 イカリソウ(錨草)メギ科イカリソウ属 の落葉多年草。漢名はインヨウカク(淫羊霍)といいいますが、その昔、一日に何回も交尾するヤギが、この草を食べていたという故事によります。イカリインという強精強壮成分を含みます。

 コシアブラと鶏むね肉の炊き込みご飯。出汁、醤油、酒、本味醂を全部同量の汁に浸けてから水を適量加えて炊き込みます。生の若葉を加えて蒸らすと香りが立ちます。おにぎりにしても超絶美味。

ゴルゴンゾーラ、ゴーダ、チェダー3種類のチーズのサイコロを入れたコシアブラの味噌ハンバーグ豆乳味噌ソース」という長過ぎる名前の激旨山菜料理。味噌は手作り信州味噌。リンクはオリジナル基本レシピ。

■C.W.ニコルさんの追悼式が信濃町で行われました。『勇魚』出版時には、取材した折に本にサインを頂きました。私が妻女山陣場平の保全活動を始めたのも、黒姫のアファンの森の活動に賛同したからです。森が豊かになれば麓の街も豊かになるのです。逆もまた真なり。ニコルさんと親交があった坂本龍一さんも神宮外苑の再開発による樹木の伐採に反対していました。大きなブナには4000種類の生物が共生関係にあるといいます。人も森なしでは行きていけないのです。

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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、有料でお使いいただけます。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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妻女山SDP 陣場平の作業はベンチとインセクトホテルの設置と危険極まりない掛かり木の除去。昼はこだわりのBBQ(妻女山里山通信)

2023-04-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今回の妻女山里山デザイン・プロジェクトの作業は、川中島の戦いで上杉謙信が本陣を築いた妻女山陣場平に新たなベンチとインセクトホテルの設置作業と、林道上に掛かり木になった落葉松の除去でした。これらは全て自費で行うボランティアです。ただ日本では誤解がありボランティアは無償活動のことではありません。有償ボランティアというのもあります。ここをマスコミも一般の人も勘違いしています。

 結実し始めた貝母群生地のベンチを取り替えます。新しいベンチはシラカシ(白樫)です。シラカシは水車の歯車に使われるなど堅牢です。防腐剤も塗ってあり耐久性もあり丈夫です。まず接地面を固めます。ベンチはN氏が作ってくれました。

 ドライコンクリートを練ります。

 ベンチの接地面の周囲をコンクリートで固定します。水準器でベンチの水平を測りました。

 こんな感じで設置できました。コンクリートが固まったら土で覆います。木漏れ日が美しい。

 次に積石塚古墳の横に三つベンチを設置しました。いずれも日陰なので、鞍骨山登山の途中に休憩してもらえればと思います。

 貝母群生地の入り口にインセクトホテルを設置しました。昆虫の棲家です。中に小枝や竹、松ぼっくりなどを入れます。

 最後は難関の掛かり木の除去です。まずロープで倒せないか試しましたが失敗。

 立ち枯れの山桑にチェーンソを入れます。非常に危険な作業です。ロープで引っ張ってみましたが、落葉松にヤマフジのツルが絡まっているので倒れませんでした。

 そこでツルを切ってやっと倒すことができました。無事に倒すことができて一安心です。色々な専門知識を持つメンバーなので里山保全活動もなんとかできています。

 落葉松を玉切りします。

 落葉松で折られたヒノキの太い枝を落とします。K氏がハシゴで登って枝とヤマフジを切りました。

 落葉松の根元の部分を引き上げます。

 山桑は高級材で。黄色い材は非常に美しい。持ち帰ります。

 根元が林道に転がり落ちない様に杭で固定しました。イノシシが虫を探して丸太を落とすことがあるのです。

 大変な作業がやっと終わって、堂平大塚古墳の四阿を借りてやっとお昼です。

 ハナイグチの味噌汁、馬肉のホルモン。鰊のアヒージョ、コゴミの出汁醤油煮、山椒味噌、春掘りの長芋、鴨ロース。馬肉のホルモンはタラの芽と一緒にソテーしました。

 焼き肉は牛ロースと豚のカシラ。二日前が30度だったとは思えないほど寒い日でした。ゆるゆると昼餉の時間を楽しみました。

 レンゲツツジも次々と咲きだしています。

 中央の下になんと例年ならゴールデンウィークに咲くウワミズザクラが咲いています。

 翌日は、長男と某里山へコシアブラを採りに行きました。藪山を7キロちょっと歩きました。結構開いていて西日の当たる森のものは開きすぎて駄目でした。まず天ぷらで。コシアブラの炊き込みご飯も。お勧めはコシアブラの味噌ハンバーグ。春掘りの長芋を入れます。ブルーチーズとも合います。レシピをリンクしました。料理名をクリックしてください。コシアブラは、美味しいだけでなく抗酸化作用があり、老化防止にもいいそうです。タラの芽は、山のバターと呼ばれますが、コシアブラも漉油と書くように栄養価が非常に高い山菜です。また、幹を傷つけたときに得られる樹脂は「金漆(ごんぜつ)」と呼ばれる黄金色に輝く塗料になり、古くから珍重されました。

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妻女山陣場平の貝母は結実し始め。レンゲツツジ、ヤマツツジ、ホタルカズラ、テングチョウ、アケビと万葉集(妻女山里山通信)

2023-04-20 | アウトドア・ネイチャーフォト
 川中島の戦いで上杉謙信が本陣を築いた妻女山陣場平の貝母は結実し始めました。前夜の雨というより今日の高温で貝母はしぼみ始めました。結実した花も多く見られます。しかし散っているわけではないので23日の週末までは充分に楽しめると思います。日本でここだけの里山の群生地を楽しんでください。

 実が少し成長すると花びらが散ります。これで直径6ミリぐらい。実の左の葉先はかなりクルクルと丸まっています。これで互いにスクラムを組んで、この時期訪れる爆弾低気圧の強風から身を守っているのです。5月中旬すぎには直径3センチぐらいになります。それを見に来る方もいます。

 通常は花びらが6枚で雄しべも6本ですが、これは7枚。すると雌しべの根元にある実も7つのヒレを持つ糸巻き状になります。

 最高気温は29度。山上でも26度ぐらいあります。日向はもっと。貝母は雪を押し上げて芽吹く様に寒さには強いのですが、暑さには弱い。25度以上の日が続くとしぼんでしまいます。そして夏には消えるカタクリなどと同じスプリング・エフェメラル。春の妖精、春の儚い命。夏から冬は、土の中で球根が来春のために栄養を蓄え育っています。

 貝母は下の方から咲き始め、下の方からしぼんで散っていきます。結実は、昆虫が受粉しやすい上部に多く見られます。
 貝母の薬効について現地ではお話していますが、記事にしたことがなかったので載せます。生薬名 :貝母(ばいも)鱗茎を使用。 主要成分:アルカロイド(ペイミン、ペイミノン)、ジテルペノイド、など。 薬効:鎮咳作用・去痰作用・排膿作用。 薬理作用:血圧降下作用。 用途:鎮咳、去痰、排膿薬として煩熱、めまい、咳、口渇などに。 注意点:心筋を侵す作用があるので副作用として血圧低下、呼吸麻痺、中枢神経麻痺を引き起こす事もある。また、呼吸数や心拍数が低下する事もあるため、使用時は量に注意すべき。(薬草ですが、かなり強い毒草です。全草が有毒)

 逆光に輝く貝母。鶯の鳴き声が聞こえます。まもなくサンコウチョウの鳴き声も聞こえるでしょう。梅雨入り前に、森の中に散った貝母の球根を掘り起こして移植作業をします。それよりも大変なのがオオブタクサやハルジオンの帰化植物の除去。毎年1000本以上抜きます。

 貝母の群生地の中の山蕗も結実しています。

 早いですね。アカネ(茜)も出てきました。アカネ科アカネ属のつる性多年生植物。根が茜色で草木染めの原料になり、古代から使われました。東京の赤坂は、古くは茜が群生していたことから「茜坂」と呼ばれていたそうです。
「あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」 額田王  萬葉集1巻20
「あかねさす 日並べなくに 我が恋は 吉野の川の 霧に立ちつつ」 車持千年 萬葉集6巻916


 昼は堂平大塚古墳へ。作ってきたアジフライサンドで昼餉。枝垂れ桜は散り始めましたが、八重のエドヒガンが満開です。

 なんということでしょう。レンゲツツジがもう咲き始めていました。有毒なので蜜は吸えません。絶対に庭木で植えてはいけないツツジです。信州には湯の丸高原などレンゲツツジが有名な高原があちこちにあります。牧場にも多いのですが、ワラビ同様に牛は食べません。

 ヤマツツジも咲き始めています。こちらは蜜を吸えます。

 羽化したばかりのテングチョウ。真夏は夏眠し、秋にまた舞い、冬にまた冬眠する面白い蝶。ミヤマセセリもあちこちで見られます。

 セリ科のヤブジラミかなと思っていたのですが、葉を見るとヤブニンジンかなと。しかし果実の形が違うのでヤブジラミですね。実がくっつき虫となる厄介者です。

 ゴヨウアケビ(五葉木通、五葉通草)の花。アケビとミツバアケビの自然雑種。陣場平では貝母や山蕗がない場所に実生がたくさん見られますが、大きくはなりません。ほとんど夏を越せずに枯れます。アケビの蔓は昔は薪を縛ったり籠を編んだりしました。

 ミツバアケビ(三葉木通、三葉通草)アケビ科アケビ属の落葉性つる性木本。こちらは秋になる実が食用になります。ミツバアケビには雌花と雄花があり、同じ花序に両方がつきます。写真は雌花。
 万葉集の「さのかた:狭野方」(アケビ)の歌は二首。
「さのかたは 実にならずとも 花のみに 咲きて見えこそ 恋のなぐさに」詠人不知
 アケビを女性にたとえて、結婚できなくともせめて交際だけでもして欲しいと口説いている切ない歌。
「さのかたは 実になりにしを 今さらに 春雨降りて 花咲かめやも」詠人不知
 さのかたは とっくに実になっておりますのに 今さら春雨が降って花が咲くなどということがありましょうか。実になりにしをとは人妻ということで、不倫などしませんわ、という歌。

 下山しようとすると目に青いものが入りました。なんとホタルカズラ(蛍葛)が咲き始めていました。1センチぐらいの緑の中に咲く青い星。ムラサキ科ムラサキ属に分類される多年草。

 二つ前の記事の写真と同じ場所。陣場平から長坂峠への林道。緑が濃くなりました。ガマズミの白い花も咲き始めていました。今年は春が早すぎて速すぎて季節の感覚がおかしくなりそうです。

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2023「妻女山 花と歴史のハイキング」斎場山、堂平大塚古墳、貝母満開の陣場平へ(妻女山里山通信)

2023-04-16 | アウトドア・ネイチャーフォト
 目覚めると豪雨でした。しかし、雨雲を見ると線状降水帯で6時半には通り過ぎました。松代夢空間主催の「妻女山 花と歴史のハイキング」は無事に行われました。

 妻女山駐車場に9時集合のときには、ご覧のような青空。34名の参加で、皆さんを春爛漫の斎場山や堂平大塚古墳、貝母が満開の陣場平へご案内します。

 林道を登ります。雨後で若葉が鮮やかに光っています。要所要所で自然や歴史の話をしていきます。

 長坂峠です。これは数日前の写真。あっという間に緑が濃くなります。信州の春は超特急で過ぎていきます。

 まず斎場山(旧妻女山)へ。ここで斎場山の名前の由来や、川中島の戦いで上杉謙信が最初に本陣とした話、円墳なので古代科野のクニの話。日本人のルーツの話などをしました。ちょっと盛りだくさん過ぎたかもしれません。詳細は右上の検索窓に「川中島の戦い」とか「斎場山」とか「科野のクニ」とか書いて、プルダウンしてこのブログ内でを選び、レンズをポチると該当する記事が出ます。

 続いて御陵願平の端にあるイノシシのヌタ場へ。イノシシの生態の話などを。鼻だけでこれだけ大きな穴を掘った話なども。

 イノシシのヌタ場から林道を長坂峠に戻り天城山(てしろやま)方面へ。

 陣場平への途中のクヌギの大木で樹液バーの話を。上の写真は、2016年の夏の樹液バーの写真です。樹液バーに集まる昆虫たちの話をしました。撮影中にオオスズメバチに100m追いかけられた話も。

 堂平大塚古墳へ。古墳の中も見ていただきました。ここ堂平の盛りだくさんの歴史の話も。

 最後に川中島の戦いで上杉謙信が本陣を築き、現在は希少な貝母の群生地でもある陣場平へ。貝母が満開です。思い思いに撮影したり鑑賞していただきました。菱形基線測点の話も。貝母は23日の週末までは大丈夫でしょう。

 貝母が奈良時代に入ってきた薬草(毒草)であることや、その発見から保全の話も。万葉集に一首詠まれている話はしそこねました。再掲します。
「時々の 花は咲けども 何すれぞ 母とふ花の 咲き出来ずけむ」丈部(はせつかべ・はせべ)真麻呂(万葉集)
 これが貝母のことであるという説があります。丈部真麻呂は、遠江国山名郡(現在の静岡県袋井市)で徴兵され九州に派遣され国境警備にあたった兵士・防人(さきもり)でした。
 意味は、季節ごとに花は咲くのに、どうして今、母という花は咲かないのだろうか(咲くのだったら摘み取って共に行くのに)。防人というのは、2月に出立しますが、まだ貝母は咲いていません。21歳から60歳までの健康な男子が徴兵されました。任期は三年で、延長もされたそうです。食料・武器は自弁で帰郷は一人で帰るため、途中で野垂れ死ぬ者も少なくなかったとか。人民には重い負担になったようです。

 陣場平や途中の林道脇に咲くクサボケ(草木瓜)。別名は、ジナシ(地梨)。草ではなく、高さ50センチぐらいの低木ですが、鮮やかな朱色の花を咲かせるので意外と目立ちます。また、低木ににつかわしくない梅のような大きな実は薬用酒になり、貧血や疲労回復、不眠症に。煮だし汁は入浴剤になるそうです。

 陣場平入り口にミツバアケビの花が咲いていました。実は食べられます。ひき肉を詰めてブルーチーズソースをかけるとお洒落な和風フレンチになります。
私のレシピ集から「アケビのブルーチーズ入りミソバーグ」のオリジナルレシピ。レシピ集は左のサイドバーのブックマークから。美大生時代に村上春樹さんのジャズ喫茶でアルバイトしていたブログ「国分寺・国立70sグラフィティ」もリンクしています。アンダーラインの文章クリックでも飛べます。

 帰りの林道から見る斎場山。これも数日前の撮影です。12時半ごろに出発地点の妻女山駐車場に戻りました。そしてこのブログの紹介と拙書の紹介を。制癌作用のあるヨモギやタンポポコーヒーの話や農薬や殺虫剤、食品添加物の怖さの話もお役に立てたのではと思います。今回のコースは昨年は年少組の保育園の女の子も歩いたという易しいコースです。松代ゲストハウスの「布袋屋」のKAORUさんも参加してくれました。市民新聞の関係の方も。年齢も様々でした。妻女山山系は、四季折々多彩で豊かな自然が見られ、歴史の遺構もたくさんあります。山城マニアに人気の鞍骨城跡までも90分ぐらいで登れます。もっともっと里山に楽しんでいただければと思います。

 あまりに春が早いので、気になって畑に植えたタラの芽を見に行きました。全部開いていました。危ない危ない採り損なうところでした。コシアブラもワラビも早いでしょうね。うかうかしていられません。

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妻女山陣場平の満開の貝母とカスミザクラ、ヤマザクラ。古墳の枝垂れ桜。ニホンカナヘビの交尾の驚愕の顛末(妻女山里山通信)

2023-04-13 | アウトドア・ネイチャーフォト
 雨後の信州は晴れ上がりましたが、黄砂の真只中にありました。出かけようか迷いましたが、里より山の中のほうがまだいいだろうとでかけました。今日も多くの方が花見に訪れてくれました。鞍骨山(鞍骨城跡)登山の途中で立ち寄ってくれた人も何人か。

 山中は上に若葉が芽吹いた樹木の天井があるためか、黄砂は感じません。湿度が20%しかありません。そのためか貝母の葉先もクルッと丸まっています。雌しべの根元が糸巻き上に膨らみ始めています。実になる部分です。5月中旬すぎには直径2センチほどになり、6月にはさく果なので弾けて飛び散ります。

 貝母から見上げると満開のカスミザクラ。

 微風にかすかに揺れるカスミザクラと貝母。見飽きない癒やされる景色です。

 クサボケ(草木瓜)の向こうに貝母。

 これはヤマザクラかな。下部に大きな黒いかたまりが見えますが、これはてんぐ巣病にかかったのです。かびの一種(タフリナ菌)が原因でサクラ類におこる伝染病です。感染すると枝が異常に発生しやがて樹勢が衰えて枯れる原因になります。

 陣場平入り口のハナヤスリ。大きくなりました。アップにすると胞子嚢がヤスリの様だと分かります。

 ミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)もあちこちで満開です。スイカズラ科の落葉低木。全体に毛が目立ちます。6月に実る赤い実は甘く食べられます。

 堂平大塚古墳へ。枝垂れ桜が満開です。枝垂れ桜は、野生種のエドヒガンから生まれた栽培種やベニシダレ、ヤエベニシダレとか、オオヤマザクラ由来の枝垂れ桜もあります。

 これは八重の枝垂れ桜。華やかです。

 タラの芽も例年より10日ほど早く出ています。ハリギリやコシアブラも早いでしょう。

 陣場平から長坂峠への林道。若葉は目に見えるほどの速さで育っていきます。

 リョウブ(令法)の若葉。若葉は山菜で、茹でて塩もみします。昔は飢饉に備えて植えるよう令がでたとか。そこからの命名。

 木の根元でニホンカナヘビが交尾していました(オスがメスに噛み付いて交尾しようとしている場面かもしれません)。メスは激しく体を振っています。噛み付いているほうがオスです。逃げられない様にとか、排卵を即すためとかの説があります。こんなシーンに遭遇するのも奇跡的なのに。

 突然オスが自分の尻尾を切りました。何が起きたのでしょう。メスはオスを振り切って、オスはどこかに行きましたが、メスは少し上に登ってジッとしていました。切った尻尾はまた生えてきます。このオスはメスに拒絶されたのでしょうか。わけが分かりません。いやあ、とんでもない場面を目撃してしまいました。

 妻女山松代招魂社の八重桜も咲きました。昨年は、花びらを積んで桜茶を作りました。

 妻女山展望台からの善光寺平。飯縄山が黄砂で霞んでいます。黄砂は中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原などの乾燥・半乾燥地域で、風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風にのって日本にまでやってくる厄介者です。黄砂粒子には、石英や長石などの造岩鉱物や、雲母、カオリナイト、緑泥石などの粘土鉱物が多く含まれているのですが、飛散の途中で中国の排気ガスなどを付着しているため粘性がありこびりつくのが問題です。スギ花粉の10分の1の大きさのため、体の奥まで入り込み悪さをします。気管支炎、気管支喘息、心筋梗塞との関連があるそうです。

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天城山林道のカタクリとキブシ。妻女山陣場平の満開の貝母をフィッシュアイで撮影。春爛漫(妻女山里山通信)

2023-04-10 | アウトドア・ネイチャーフォト
 春爛漫の信州は、猛スピードで駆け抜けていきます。うっかりしていると撮影チャンスを逃してしまうのでうかうかしていられません。天城山林道のカタクリが咲き始めたという情報をもらったので行きました。髻山の様にびっしりと群生しているわけではありませんが、林道の上下にかなり広い範囲で群生地があります。

 カタクリ(片栗)ユリ科。別名カタゴ、カタカゴ(堅香子)、ハツユリ(初百合)。種にアリが食料とするエライオソームという物質がついているため、アリによって運ばれるアリ散布植物です。日本にはアリによって増えるアリ散布植物が200種以上あります。左上の光っている線は蜘蛛の糸。

 花は温度により開閉します。17-20度で開花し、25度では完全に反り返り始めます。気温はそれほどなくても、直射日光に当たると花びらの体温が上昇するようです。

 少し変わった構図で。バックの色合いが面白いので載せました。妻女山山系にはヒメギフチョウはいませんが、聖山とか子檀嶺岳へ行くとカタクリで吸蜜するヒメギフチョウが見られます。陣場平では、ヒメギフチョウと間違いやすい春型のキアゲハが舞っています。鶯も鳴き始めました。まもなくサンコウチョウも。

「もののふの 八十(やそ)乙女らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子(かたかご)の花」大伴家持(万葉集)
 当維持29歳の大伴家持が、赴任先の越中国府の伏木(現在の富山県高岡市伏木に5年間赴任)で、寺井の井戸(井泉の跡と歌碑がある)の周りにたくさん咲くカタクリを宮中の乙女になぞらえ、都を懐かしんで詠んだ歌だといいます。そう思うと写真のカタクリが、美しい乙女に見えてくるから不思議です。
 もののふとは、宮廷に仕える文武の官のことで、物部と書きます。八十(たくさんという意味)にかかる枕詞ですが、数が多い氏と発音の同じ宇治川の宇治から、宇治川を導く枕詞となったということの様です。昔もやたらと役人が多かったのでしょうか。もののふとは、後に武士そのものを指す言葉に変化します。

 キブシ(木五倍子)。キブシの髄はスポンジ状で、昔は灯芯などにも使われたようです。髄を取り出すと中空になるので、酒樽の呑み口にも使われたとか。また、江戸時代には既婚の女性はお歯黒にする習慣がありましたが、キブシの実も利用されました。釘や鉄粉を食酢につけて酸化した液に、ヌルデの実、五倍子(ごばいし)やキブシの実の粉末をつけて、歯につけると黒く染まるそうです。

 すごく小さな花なので花の中は肉眼ではよく見えませんが、アップにするとこんなです。

 陣場平へ戻る途中の眺め。松代城の桜はすでに葉桜です。寒の戻りで、信濃町のリンゴには霜被害が出たとか。黄砂も心配です。

 陣場平へ。今日は十数人の団体さんをはじめたくさんの方が訪れてくれました。できるだけ2009年4月の発見からヨシやノイバラ、オオブタクサやハルジオンなどとの壮絶な格闘の保護活動の歴史や、貝母の生態をお話する様にしています。今回はフィッシュアイレンズ(魚眼レンズ)で撮影してみました。左手前から右奥に続く小道の左は、手前が昨年、その向こうは2年前に球根の移植作業をしたところです。メインの群生地は小道の右側です。

 南東の角から。これでも全体は入りきれていません。訪問者は、想像以上に大きな群生地ですねと驚かれます。ここは、川中島合戦の際に上杉謙信が本陣としたということで、古くから陣場平と呼ばれています。

 下の入口から登ってくると、群生地を真横から見ることができます。さく果の種が弾ける時はたいてい東風(こち)が吹くのですが、手前の貝母は南風の時に弾けたのでしょう。北風や西風で周囲に散ってしまった貝母は、球根を掘り起こして中央部に移植します。

 今日はたくさんの方とお話ができました。そんな中で色々な情報を得ることも多いのでなるべくみなさんとはコミニュケーションを取る様にしています。帰りに妻女山展望台に寄りました。千曲川の向こうに戸隠連峰と飯縄山。左には茶臼山と北アルプスの白馬三山が見えます。

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