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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

初詣は小布施。北斎の「八方睨み鳳凰図」のある岩松院へ。高梨氏に由来する雁田城の小城に登る(妻女山里山通信)

2025-01-02 | 歴史・地理・雑学
 昨年とは異なり穏やかに明けた2015年。初詣は小布施へ。北斎の「八方睨み鳳凰図」のある岩松院に初詣。その後背には拙書でも紹介の雁田山があります。その支尾根にある小城に登りました。

 曹洞宗「梅洞山 岩松院」。文明4年(1472)に開山された曹洞宗の古刹です。奥に見えるのが小城。右に少し見えるのが大城です。

 山門へ。大勢の善男善女が参拝に訪れていました。インバウンドで海外の方も。北斎は最も有名な日本人のひとりです。

 山門。「金剛窟」の額。

 山門の仁王像。仁王像は、明治の廃仏毀釈の煽りを受けて戸隠の中社から移譲されたもの。移譲の際には、戸隠の人々が涙を流して見送ったとか。英仏の傀儡クーデター政権の明治政府がなぜ文化否定の廃仏毀釈までして天皇制を制定維持しなけらばならなかったのか。

 仁王像の裏側。大黒天は、元々はヒンドゥー教のシヴァ神の化身であるマハーカーラですが、日本では神道の大国主命と神仏習合した日本独自の神へと変容しています。七福神の一柱としても知られています。右の仏像は不詳。

 山門の手前に一輪だけ蒲公英(タンポポ)が咲いていました。北斎の「八方睨み鳳凰図」の天井絵は、混んでいたのと何度も観ているので今回はスルー。

 小城登山口。熊出没注意の看板。冬なので大丈夫でしょう。

 約100m、10分足らずで小城。さらに上に大城があり、雁田城といいます。岩松院は、以前は土豪・荻野氏の居館であったと伝えられ、この城はその詰め城であったといわれています。かなり粗雑な野面積みの石垣。

 小城の上から北西方面の眺望。富士ノ塔山、地附山、三登山、髻山などが見えます。

 西方の眺め。一番右奥に薄っすらと冠着山(姨捨山)。手前に妻女山から天城山。その手前に象山から鏡台山の山脈。手前に金井山から奇妙山。さらに手前に井上山から妙徳山の山脈。

 城主になった気分で一枚。少し寒風が吹いています。

 小城の説明。高梨氏には上杉謙信の姉が嫁いでいます。第四次川中島合戦の際には、上杉軍はここで補給をしたといわれています。

 残雪があって枯れ葉が滑るので下りは気を使います。朝、腰まで雪のある飯縄山に登り、登りたりなかったのか雁田山に登りに来たという元気なおじさんとすれ違いました。

 福島正則の霊廟。奥の谷には、ミスミソウ(雪割草)が咲きますが、大きな群生地ではないので探すのは難しいかも。

 岩松院から小城と大城と奥に千僧坊(785m)。尾根を右へたどると雁田山。拙書ではループコースを紹介しています。

R-3「巨大天井絵デジタル化」~Digital×北斎特別展「大鳳凰図転生物語」動画

 実は未完成のまま設置されたという。パトロンの高井鴻山が、飢饉や善光寺地震の災害復旧に私財を投入したため、金箔を貼るお金がなくなったのだとか。天井絵は北斎が原図を描き、監修し、描画は高井鴻山と娘の葛飾応為の作ともいわれています。


 東町祭屋台。龍と鳳凰。『八方睨鳳凰図』は岩松院の天井絵に近いが、こちらが北斎の肉筆画。精緻さと完成度の高さが、天井絵とはまったくレベルが違います。文化三年(1806)北斎85歳作。長野県宝。

NTT東日本『「Digital×北斎【急章】その1」展 「生きるが如く描く」解説動画』

 画狂人北斎の生き様がよく分かります。


 大晦日は鯛の刺身に鯛しゃぶ。もつ煮、塩辛、長芋の梅肉胡麻油和え、自家製野沢菜漬け、ナメコ豆腐、木曽の赤カブの酢漬け、腸詰め。酒は上田の岡崎酒造の亀齢(きれい)蔵元限定の純米吟醸。切れの良い非常に美味しい日本酒です。

 今年の松飾りは、いただいた大王松に我が家の南天。御幣は障子紙で作りました。大王松は、南カルフォルニアとメキシコ原産の松で、三本松で葉が長いのが特徴の目出度い松です。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、楽天ブログに移転しました。引き続き『アマゾンひとり旅』を順次掲載中。■ノルウェーの森・センチメンタルジャーニー [Norwey] 顔中にキスの雨。おとぎ話「トロール」が描くノルウェーの森。北欧のデザイン。ユミのバースデイパーティー。チェルノブイリの影 アップ。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

インスタグラムはこちらをクリックツイッターはこちらをクリックYouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。
 
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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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