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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

蕎麦好き信州人は新蕎麦を食べないと秋が終わらないので新蕎麦行脚。牡蠣と天然キノコ4種の鍋焼きうどんとおしぼりうどん(妻女山里山通信)

2022-11-12 | 男の料理・グルメ
 信州蕎麦というと戸隠や善光寺界隈を思い出すと思いますが、もちろん地元の人も紅葉狩りついでに立ち寄りますが、ほとんどが観光客です。そして、多くの蕎麦好きの人は観光客がほとんど来ない地元の名店を知っていて訪れるのです。いずれも人気店で昼は満席で待つことになるので、開店時間を狙って行きました。

 初日は、篠ノ井の街外れの東福寺という小さな集落の端にある「そば処 安心(あんじん)」。開店時から人が続々訪れ始め、まだ正午前でしたが私が出る頃には満席になっていました。

 今回頼んだのは、新蕎麦十割の安心蕎麦中盛り(280g)です。かえしのつゆと胡桃(くるみ)だれに煮物の小鉢が付きます。1250円。蕎麦は玄蕎麦でやや細め。新蕎麦の香りが豊かです。まずそのままで、次につゆで、半分ぐらい頂いたら胡桃だれで。胡桃はかなりクリーミーにすられています。新蕎麦の時は天ぷらは頼みません。平日は地元のサラリーマンが多く、ランチセットがお得です。

 次の日訪れたのは、稲荷山の善光寺街道沿いにある「信州蕎麦 わきゅう」。ここも開店時間に訪れたのですが次々に入ってきました。ここは昔、「つる忠」という名店でした。「つる忠」の時は両親を連れて来たことがあります。「つる忠」で修行して独立した人も少なくないと思います。ここも地元の人ばかりです。

 頼んだのは胡桃蕎麦。ここの胡桃は粗目です。砂糖かキビ糖が混ぜてあります。これをつゆに入れていただきます。蕎麦は細めでこちらも風味が豊かです。量もけっこうあります。私は基本的に葱は入れません。途中で山葵をわずかに蕎麦につけて味変します。920円。満足です。この後で、前の記事の龍洞院へ向かいました。

 翌々日は、70号で山を超えて国道19号沿いにある信州新町道の駅の「そば信」へ。ここは産直の隣にあるのですが、県外ナンバーの観光客は産直の野菜やキノコやジンギスカンなどを買い求めて出ていきます。「そば信」で食べているのはほぼ地元の人。ローカルテレビで何度も紹介されているので地元では有名なのです。蕎麦は左右(そう)高原で収穫されたもの。セルフサービスなので安いのが魅力です。まだ11時前ですがお客さんが次々と。

 ざる蕎麦580円。普通信州では東京の様に海苔がのったものをざる蕎麦、ないものをもり蕎麦とは言いません。海無し県なので海苔がのった蕎麦は無いのが普通です。ここの蕎麦は、とにかくコシが強い。歯の悪い高齢者は難儀するかも知れません。量はたっぷり300gぐらいあるのではないでしょうか。食べごたえがあります。大盛りにしても+150円と良心的。おしぼり蕎麦もお勧めです。天ざる蕎麦950円はリーズナブル。天ぷらも美味です。郷土料理のおとうじ蕎麦もお勧め。父はお斎(葬儀の後の宴)でも供されるおとうじ作りの名人でした。そば店の隣ではおやきも売っています。
 あと一軒行くとするなら信濃町の「そば処 おがわ」ですね。以前ブログで紹介したことがあります。東京の下町出身のきっぷの良いおかみとの話もなごみます。幸運ならば頭も骨も食べられる旨いイワナの焼き物がいただけます。漬物も女将の手作りで美味です。実はこの10年ぐらいで信州蕎麦のレベルは信じられないぐらい上がったのです。
 正直言うと90年代とかは家族で帰省して軽井沢や戸隠、善光寺界隈の名店といわれる店を訪れましたが満足できる店はほとんどありませんでした。東京の更科や砂場の名店と比べると蕎麦は旨くてもつゆが駄目とか、薬味がなんで玉葱なのとかでした。それが、現在は江戸前の蕎麦を上回る店がいくつもあります。蕎麦は、ひきたて打ち立て茹でたてといいますが、地の利を生かしてそれを最大限に生かした店が次々に生まれたのです。北信だけでなく、上田や安曇野、松本や木曽のスンキ蕎麦、伊那の高遠蕎麦、青木村のたちあかね、長和町の韃靼蕎麦など長野県中に名店や名物蕎麦があります。飯山のオヤマボクチを練り込んだ富倉蕎麦も以前紹介しましたが絶品です。おとうじ蕎麦という摩訶不思議な郷土料理もあります。

 産直コーナーへ。ジビエの鹿肉ジンギスカン。これは食べたことがあるので、一番左の鹿肉唐揚げを買いました。正月に息子達といただきます。サフォーク羊は超絶美味ですが、高価なので断念。ムサシヤのレストランか、さぎり荘で召し上がって下さい。羊肉に対する概念がひっくり返ると思います。

 国道19号へ出る犀川の橋の手前にある「信更いっぽ工房」おやきで有名な店です。包おやきは、小川村の灰焼きおやき、焼いてから蒸すもの、我が家の様に青紫蘇の葉やミョウガの葉で挟んで蒸すもの、ここの様におまんじゅうの様に蒸すものと色々あります。そのどのやり方も皆美味しいのです。ここも次々と訪れていました。30個とか買っていく人も。お勧めは定番の野沢菜、ナス、切り干し大根、かぼちゃ、あんこあたり。すべて150円です。

 県道70号を山を超えて戻ります。くねくねと道幅が狭いところもありながら実は交通量が多いので対向車には要注意です。長野県宝の木造金剛力士像がある長勝寺へ。紅葉の里山の向こうに鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳。

 鮮やかな紅葉と本堂。本堂は扉が閉まっていますが開けて参拝することができます。絵馬の奉納ができます。

 真言宗豊山派 仁王山長勝寺の本堂内部。ご本尊は大日如来。

 阿吽の仁王像。鎌倉時代中期の作で長野県宝に指定されています。この仁王門の先には本堂はなく、遠く虫倉山が見えます。言い伝えによれば、犀川対岸の虫倉山の麓に建つ「廣福寺」が飢饉続きの困窮でこの仁王を売却し、牛車で移動していたところ、仁王の天罰か、牛が倒れ進退窮まった際に長勝寺の住職が引き取ったという。そのため長勝寺の仁王門は、今も廣福寺の仏を守るため、長勝寺の本堂ではなく対岸に通じているのだという。すぐ下の広場の四阿では、地元の老人たちがバーベキューをしていました。本当に眺めのいい古刹です。

 本堂に入ってすぐ左に鎮座する賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)。善光寺にもあるおびんずるさん(なでぼとけ)です。自分の体の悪いところや良くなって欲しいところを撫でると良くなるというありがたい尊者。

 途中の湧池の紅葉。里山の紅葉もそろそろ終わりです。

 信更赤田の里山風景。ひと月後ぐらいには初雪も降るでしょう。しかしここは豪雪地帯ではありません。この西山地区は、東京白金のスイーツの名店があったり、美味しいベーカリーやピザ屋さん、ハムの工房とかが点在するのです。

 今回のお土産。左はいっぽ工房の野沢菜、ナス、キノコ、あんこのおやきと唐辛子。右は道の駅で買ったかくてきと生芋を使ったコンニャク。そして、鹿肉の唐揚げです。正月に息子達といただこうと思います。返ってあんこを食べましたが、皮の香りが酒まんじゅうの様です。ただ私には砂糖が感じられて好みではありませんでした。祖母や母、妻は野菜の甘味や麹味噌の甘さや旨味を大事にして砂糖は使いませんでした。砂糖を入れると味がくどく下品になります。現代人は砂糖のとり過ぎで自然の旨味とか甘みを感じる感度が低くなっていると思います。

 私の冬の到来を知らせる料理。牡蠣とスギヨのカニカマ、小松菜と、天然キノコ4種の鍋焼きうどん。キノコは、クリタケ、ハタケシメジ、ムキタケ、ヒラタケです。キノコの味が強いので、出汁はアゴ出汁にイリコ出汁です。体が芯から温まります。

 信州の郷土料理の「おしぼりうどん」。といっても旧埴科郡と旧更級郡だけで食べられてきた古くからある伝統食です。本来は激辛のねずみ大根とか地大根の絞り汁を使うのですが、ここ2年ぐらい辛さへの耐性が低くなってしまったので、やや辛味の少ない青大根、別名中国大根(江都青長)を使いました。生食用の大根で、辛味もありますが甘みも強い大根です。信州味噌をといて花鰹や葱を薬味にいただきます。北信州の坂城町、千曲市、戸倉上山田温泉、篠ノ井、松代には、おしぼりうどんを食べさせてくれるお店が何軒かあります。北信州に冬来られたらぜひ食べてみてください。東京でも信州郷土料理のお店で出すところがあります。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、有料でお使いいただけます。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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ワイン用ぶどうの収穫と仕込み。メルロー・シラー・スチューベン(妻女山里山通信)

2022-10-13 | 男の料理・グルメ
 ワイン用ぶどうの収穫と仕込みに集まりました。ぶどうは日本では生食用が一般的ですが、世界では生産量の80%がワイン用だそうです。

 収穫の方法や手順の説明を聞いて作業開始。ここはフランスのボルドーでもチリでもありません。信州の上田市です。

 拙書「信州の里山トレッキング 東北信編」川辺書林の表紙にもなっている子檀嶺岳(こまゆみだけ)。ルビがないととても読めない山名の由来や歴史も説明しています。山頂は真田の山城です。全国からハイカーが訪れる人気の山。
子檀嶺岳 花と歴史のトレッキング(妻女山里山通信):下山後は、国宝大法寺の三重塔(見返りの塔)に参拝して別所温泉がおすすめ。

 拙書では載せられませんでしたが、仲間と登ったこれも歴史の山、夫神岳。近くに女神岳も鎮座します。
上田市塩田平、別所温泉の後背にそびえる雨乞いの山、夫神岳トレッキング(妻女山里山通信):戦没画学生慰霊美術館「無言館」へもぜひ。

 メルロー(Merlot)です。フランスのボルドーを原産地とする赤ワイン用ぶどう品種です。カシスやブラックベリーなどの濃厚な果実味を持ちながら、シルキーなタンニンを持つ滑らかな味わいを特徴とするといわれています。

 こんな風に横に移動しながら収穫していきます。ワインは、日本酒やビールと違って水を使わず果汁のみで作るので、ぶどうの品質がそのままワインの品質になります。

 収穫したぶどうは、選別作業で虫食いや腐っている実、病気の実、未成熟な実などを取り除いていきます。根気のいる作業です。周囲をコガタスズメバチがたくさん飛び回っています。ぶどうに取り付いて一心不乱に食べています。手で追い払ったりしなければ刺されませんが、鬱陶しいです。鹿よけの高圧電流の電線もあるので、うかつに触れると感電します。作業中は電源を切ってますけどね。

 処理したぶどうをトラックに積み込みます。手前はスチューベン。東御市にある醸造所へ向かいます。

 醸造所のTSUIJI LAB(ツイヂラボ)へ。醸造責任者(CTO)は、J.S.A ソムリエの須賀さん。ぶどうを運び込みます。

 ぶどう園オーナーのK氏の満面の笑み。美味しいワインができるといいのですが。義父がホテルオークラのグルメ関係のエンタープライズの社長をしていたり、私自身土井善晴さんや平野レミさん、ジュディ・オングさんなどとグルメ関係の仕事をしたり、妻がやっていたプランタン銀座でのカフェメニュー教室のバックアップをしたり、料理本を監修したりメニュー制作をしたりと関わってきたので、ピンからキリまで色々なワインを飲んできましたが、ワインは本当に難しい。高くてもう〜ん好みじゃないなとか、安くて東欧の古いワインが驚くほど美味かったり、円高の時の南米放浪で買ったチリの2000円ほどのワインが(レート換算では2万円ほど)、びっくりするほど美味かったり。醸造酒でもワインは本当にバリエーションが豊かすぎて広すぎて深すぎて、ブラックホールに吸い込まれる気分です。
MORI MORI RECIPE・男の料理:信州の新郷土料理に、世界の郷土料理やアウトドア料理を、時に大胆に時に繊細に「男の料理」にアレンジ。
マリングルメ(美味しい愛情レシピ):妻のレシピ集。デザートが必見です。エコールプランタンの講座の料理とデコレーションも。

 処理作業に入ります。

 ぶどうの房から果梗を取り除き実と分けます。これが一般的ですが、除梗しない全房発酵(ホールバンチ・ファーメンテーション)というやり方もあるそうです。うまいこと分かれるもんだなと感心して見ていました。

 最初は自重で絞り、最後に何度も圧力をかけて静かに絞ります。できたジュースを飲ませてもらいました。前回のメルロー100%のものに比べると、華やかな甘さだけではなく、酸味や渋みが加わって味の輪郭もはっきりしていました。どんなワインが出来上がるかとても楽しみです。実は我が家は明治時代は酒造免許を持っていて葡萄酒を作っていたそうです。

 作業が終了して機械を洗ったり。私も昨年春までナショナルブランドの食品メーカーで働いていたので、作業後の洗浄の大切さと大変さはよく知っています。あと異物混入には非常に神経を使いました。非常停止ボタンを押したことも何度かありました。外国人の教育係もしていたので、英語やらポルトガル語やらを駆使してけっこう大変でした。今もタイやフィリピンのお姉様方とは交流があります。

 今回お土産にいただいた果実。秋映とシナノゴールドにスチューベン。最近はシャインマスカットばかりが注目されていますが、在来のぶどうも充分に美味しいのでおすすめです。敷いてあるセミ模様の布は、プロバンス地方の伝統柄です。ヨーロッパでセミが鳴くのは南仏のプロバンス地方だけ。セミは平和の象徴で、魔除けの意味もあるそうです。

独立行政法人 酒類総合研究所 ワイン醸造技術まとめサイト:ワイン醸造に興味のある方はどうぞ。

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ぶどうの摘み取りとジュース作り。5反歩3トン収穫の稲刈りで体ボロボロの秋日。スペアリブの中華おこわを作る(妻女山里山通信)

2022-10-04 | 男の料理・グルメ
 2日に渡って農作業をしました。なかなか厳しい作業で体が疲労困憊。トラブル続きでしたが、なんとか無事に終えることができました。暑さに加えて、セイタカアワダチソウやオオブタクサの花粉症で参りました。

 1日目の午前中は、ぶどうの摘み取りとジュース作り。本来ならばかなりの収量が期待できるはずでしたが、病気が発生してしまいほとんど全滅。病気になった実は全て摘み取って土に埋めます。

 なんとか収穫できたぶどうの実を摘み取り、ジュースにします。ところがこのジューサーが不良品でトラブル続き。まあなんとか10リットルぐらいは絞れました。メルロー100%のジュースは濃厚で美味です。お昼を食べて稲刈りへ。有機栽培の野菜は普通に売られていますが、果物はほとんど見たことがないと思います。ぶどうは11回ぐらい農薬散布をするのが普通です。種類によっては有機栽培が可能なものもありますが、かなり高度な技術や経験が必要です。
有機栽培が可能な果樹

 手前の田んぼは稲刈りが終わっていて、藁を束ねる仕事があります。その向こうに大小二つの田んぼがあって稲刈りをします。更にもう二ヶ所ありあり、全部で5反歩。これを三人でこなします。最高気温が28度。直射日光がすごくてクラクラします。機械化されたのでなんとか三人でもできますが、昔は家族親戚総出でやったものです。

 コンバインの出動。その前にコンバインが回転できるように田んぼの四隅を稲刈り鎌で刈ります。この秋は台風が来たので稲が倒れています。コンバインで起こしきれない稲もあって、実こぼれもけっこうあります。でも無駄にはなりません。スズメや鳩などの餌になります。おとぎ話に「舌切り雀」というのがあります。「無慈悲な行いをしたり、欲張るものではない」と諭す話です。現在の大企業のCEOや政治家が絶対に読むべき話です。かの葛飾北斎も描いているほど有名な話。

 籾米がいっぱいになるたびにパック詰め。だいたい一袋30キロ。小さなカエルが稲の中にいて、刈るとピョンピョン出てきます。アキアカネが交尾しながら飛んでいます。オニヤンマもけっこう見られます。

 藁は5束ずつ結んで立てて乾燥させます。これがけっこう根気の要る辛い単純作業なのです。これを切り藁にして畑に撒くのです。麻紐で縛るのにもコツがあって、二重に巻いて縛る時に一本目の紐の下にも通して引っ張ると緩まないのです。ちょっとしたコツですが、作業スピードが全く違います。午後4時過ぎに作業を終了。籾米を乾燥機にすべて投入しました。ひとりが用事で帰ったので二人で1.5トンぐらいを投入。腰が死にました。

 翌日は10時集合で作業開始。大小の田んぼが終わったので、コンバインをユニックに積んで別の畑に移動します。このコンバインの積み下ろしが非常に危険なので気を使います。コンバインが故障したりトラブルが発生しましたがなんとか終了。午後の田んぼの藁は束ねず、全て切り藁にしました。腐ったらそのまま耕耘して肥料にします。

 三人で乾燥機に1.5トンを投入。一袋30キロぐらいあるので大変です。コルセットをしてきました。籾米は必要に応じてその都度12キロぐらいずつ7分づきで精米します。炊き方は土井善晴さんが推奨しているやり方で。有名なブランド米に負けない味に炊きあがります。コイン精米機で精米したあとの籾殻はもらえます。これで燻炭を作って果樹や野菜栽培に使うととてもいい肥料になります。

 乾燥機で一晩乾燥させてできあがり。終えて帰ったのが5時40分。日没後です。全身疲労と筋肉痛で、温泉に行くずくもありませんでした。寿司とビールを買って帰宅しました。来週あたりに別のぶどう畑での収穫。その後にはキノコ狩り、山仕事とこなして行きます。

 翌日は完全休養。温泉に入ってこのブログ記事をゆるゆると制作。時間があるので、スペアリブの中華おこわを作りました。スペアリブは、生姜大蒜葱ペーストと牡蠣ソース、醤油、酒、胡椒でマリネしておきます。仲間と栽培した乾燥椎茸をもどして、その汁で炊きます。餅米にうるち米を少し加えて水に浸してザルにあげて1時間おきます。炊飯器に米、椎茸の戻し汁、中華出汁、五香粉、酒、味醂、長ネギ、椎茸、スペアリブを入れて早炊きします。仕上げに塩茹でした枝豆を散らして完成。馬鹿旨です。

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27度の炎天下で稲の筋蒔き作業に勤しむGWの週末。妻女山のイカリソウ、ガマズミ、山藤の花(妻女山里山通信)

2022-05-08 | 男の料理・グルメ
 最高気温は27度というのですが、昼に車の温度計を見たら30度でした。やれやれ。米作りの基本は、まず苗作りです。筋蒔き作業をしました。この時期、農家は野菜の苗の植え付けやらで大忙しなのです。その野菜もほとんどF1種になりました。採種ができないハイブリッド。伝統野菜の様な不揃いだけれど旨味や奥深い複雑な味はありません。スーパーに並んでいる野菜は、伝統野菜以外はほとんどが偽物です。その違い知らない人がほとんどでしょう。特に早生種は栄養も半分以下しかありません。長野県は伝統野菜を奨励しています。
信州の伝統野菜

 培養土に殺虫剤を入れてよく混ぜます。使わないのが最善ですが、ネキリムシなどの最小限の対策です。ネオニコチノイド系やグリホサート剤を使うのは以ての外です。畑や庭にラウンドアップなどのベトナム戦争の枯葉剤由来の猛毒の農薬を撒くのは自殺行為です。奇形、癌、脳の発達障害、多動性障害など、ありとあらゆる疾病を引き起こします。欧米ではすでに製造販売が禁止されています。日本政府は国民の命を守るという使命を放棄しています。薬害事件で検索してみてください。サリドマイド. スモン. 薬害エイズ. CJD(薬害ヤコブ病). 接種禍. クロロキン. ソリブジン。そして新型コロナワクチン。自分で調べないと我が身も愛する人も守れません。

 ポットに培養土を入れていきます。作年は124枚でしたが、今年は190枚弱と増えました。米は縄文時代後期から日本人の生命を支える要でした。

 ポットに籾を入れて覆土をかける機械です。できたものをトラックに積み込みます。

 苗床に運んで、まずまず根切シートを敷きます。その上にポットの種籾を並べていきます。腰に負担のかかる作業です。

 保湿、遮光のラブシートを被せます。これをピンで止めていきます。暑いです。安全で美味しい米ができますように。

 アーチを作り、寒冷紗をかぶせてクリップで止めていきます。これで作業はほぼ完了です。学習能力がある様で、毎年作業が手際良くなっています。作年より60枚増えたのに、作年とほぼ同じ時間に終了しました。

 ポンプで用水から水を汲み上げます。タイマーをセットしてあるので、早めの昼食にラーメン大学へ。てんほうと共に信州ローカルのラーメンチェーン店です。

 妻女山ではイカリソウが咲き始めました。漢名はインヨウカク(淫羊霍)といいいますが、その昔、一日に何回も交尾するヤギが、この草を食べていたという故事によります。イカリインという強精強壮成分を含みます。

 ガマズミの花もあちこちで咲き誇っています。作年は作り損なったガマズミ酒を今年は作ろうと思います。山ではオオルリの鳴き声も聞こえます。まもなくカッコウやブッポウソウも鳴くでしょう。陣場平ではウスバシロチョウが舞い始めました。アサギマダラも。

 山藤の花もあちこちで咲き誇っています。陣場平では樹木保護のためにすべて切っていますが、咲く姿は美しい。ただ取り付かれた木はたまったものではありませんが。藤の花の砂糖漬けやジャムに、豆も炒って食用になりますが、マメ科の植物はレクチンの有毒成分を含むので、過食は禁物です。大豆にも含まれています。

 妻女山展望台からの長め、右に飯綱山、左に戸隠富士の高妻山。手前に南長野運動公園。8日は、松本山雅と長野パルセイロの信州ダービーが行われます。熱い熱い戦いが繰り広げられるでしょう。私も昔はサッカー小僧だったので、胸が踊ります。地元のパルセイロを応援しますが、松本山雅も最初は応援していたので頑張って欲しいです。在京時代はFC東京を応援していました。息子たちもサッカークラブに在籍していたので、家族でよく日本代表の試合を観戦しに行きました。信州が、こんなサッカー県になるとは、当時は全く考えられませんでした。両チームともにJ2に、J1に上がり、そこで信州ダービーをしてくれたらというのが私の夢です。そして日本代表に選ばれる選手が出る夢も。

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妻女山里山デザイン・プロジェクトは椎茸の駒打ち作業。桜はいつしか満開に(妻女山里山通信)

2022-04-10 | 男の料理・グルメ
 今回の妻女山里山デザイン・プロジェクトは椎茸のホダ木に種駒を打ち込む作業をしました。妻女山の桜はあまりの暑さにいつしか満開になっていました。数日前までストーブが必須だったのに、今日は半袖でも暑いくらい。信州の春は短く、あっという間に初夏になります。梅と杏と桜が同時に咲いています。桃も開花したそうで、次の週末には満開でしょう。レンギョウやユキヤナギ、木蓮も満開です。

 長坂峠の斎場山と陣場平の分岐に標識を立ててほしいという希望が多かったので、N氏に作ってもらい立てました。これでこの分岐で迷う人はいなくなるでしょう。

 次いで陣場平の積石塚古墳にも標識を立てました。

 本題の椎茸のホダ木を運び下ろします。

 軽トラ二台に積んで下ろしました。太いので相当重く、けっこう大変です。

 駒打ち用のビットで穴を開けて行きます。今回は1000駒を打ち込みました。

 打ち込んだホダ木を馬に立て掛けます。

 A氏が家から果樹の消毒用のタンクに水を100リットル入れて持ってきたので、ホダ木に散布します。

 その間に、息子に桐の倒木の処理をしてもらいました。枯れて水分が抜けているので、太くても片手で持てるほど軽いのです。邪魔なハリエンジュの木も伐採してもらいました。

 妻女山には、桜を見に来た人や、鞍骨山までのハイカーの車がたくさん。鞍骨山から、女性のグループが下りてきたので、貝母の話などをしました。以前案内したことのある人達で、貝母も見てきたそうです。他にも顔見知りが数人来ていました。15日以降に見頃になるでしょう。お近くの方はぜひおいで下さい。来週末からできるだけ現場で案内をしたいと思います。

 12時半頃に作業は終了。お待ちかねの昼餉(ひるげ)です。まずノンアルコールビールで乾杯。ウクライナの話や、今後の作業の話など。最高気温が28度になった様ですが、山は快適です。最初に貝母を発見してひとりで整備をはじめて三年目に亡くなった堂平大塚古墳の持ち主のKさんが手伝うよと、現メンバーも参加してくれて10年。彼らの力がなければ、ここまでの成果はあげられませんでした。感謝とともにこれからも頼むよと。そして息子には、後は頼んだよと。

 私が作ってきたニシンのアヒージョ。美味いと好評でした。今回はオスで白子入り。ニシンは、エルブ・ド・プロバンスとマジックソルトで下味をつけ白ワインと白胡椒をふりかけてマリネしておきます。

 メインディッシュのパエリア。私が調理担当。海老、蛸、帆立貝、鶏肉、パプリカ、タマネギ、ニンニク。米は自家製米でアルデンテに仕上げました。これは大成功。激旨でした。この鍋は、我が家に昔からある南部鉄の焙烙(ほうろく)鍋で、祖母や母がこれで大豆を炒ったり、おやきを焼いたりしたものです。
 次はGW頃に、ノイバラの除去や帰化植物の抜き取り作業などをします。その後に稲の筋蒔き作業もあります。

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2年ぶりに信州糀味噌の寒仕込み。手作り醤油と大豆ペーストと呉汁を土産に。大豆ハンバーグを作る(妻女山里山通信)

2022-02-19 | 男の料理・グルメ
 2年ぶりに信州糀味噌の寒仕込みをしました。前夜に雪が降ったので寒いです。3年前は、大きな釜で二つ作ったので、まだ食べ切れていません。というわけで今回は釜ひとつだけ。乾燥大豆で20キロ弱です。茹でると2.5倍に膨らみます。

(左)仕込みの二日前に釜を洗います。(右)一応油を塗っておいたのですが、かなり錆びていたのでサンドペーパーで落としてから洗います。

(左)大豆をバケツに入れて水洗いします。(右)浮いてきたゴミを流し、ある程度きれいになったらザルに移して水をかけて仕上げの洗いをします。大豆はサポニンが含まれているので水をかけると泡立ちます。同じマメ科のサイカチの実は、昔は石鹸の代わりに使われました。洗った大豆を釜に入れ、一晩水に浸します。翌日の夕方に火入れして炊き上げ、一晩熾き火で蒸らします。

 寒仕込みの当日。森将軍塚古墳。前夜に雪が降ったので里山も白くなりました。もう雪はいいです。

(左)大豆は前回より上手に炊けていました。2年前は茹ですぎて味噌も緩くなってしまいました。今年は上出来です。(右)水気を切ります。

 古い年代物のミンチマシーンで豆をペースト状にしていきます。前回は緩すぎてビール瓶の底で押さないと下りていかなかったのですが、今回はスムーズに出てきます。

(左)こんな感じで出てきます。モンブランみたいです。(右)この大きなザル山盛りで4杯分。

 分量分の作っておいた塩麹をよ〜く混ぜます。

(左)よ〜くよ〜く混ぜないと駄目です。(右)混ざったら味噌玉を作って味噌専用のバケツに叩き入れます。そして上から抑えて空気を抜きます。旧盆が過ぎた頃から食べられます。カビない様に上にラップを敷いて空気を抜き、冷暗所で常温保存します。

 少ないので2時間弱で仕込みは終了。昼餉です。ノンアルコールビールで乾杯。

 ゴミではありません。上のカットで分かる様に、一応お好み焼きです。N氏がひっくり返すのに失敗してぶちまけてしまったのです。生地は幻の小麦粉いがちくオレゴンを4割にとろろを6割。全卵4個に炒り粉とアオサ海苔。A氏のりんごが美味です。地大根の手作り漬物も。N氏が鶏の砂肝と軟骨を炒めておつまみに。牡蠣とイカのマヨネーズ焼きも作ってくれました。ひと通り食べ終わった頃に、用事で遅れたS氏が到着。

 最高気温は5度になるというのですが、北風が寒い。午後は少し晴れたのですが、なんと長野県北部に大雪警報が出ました。午後1時過ぎに解散。各自N氏に手作り醤油を一升瓶でもらい、余ったペーストと呉汁を分けました。塩麹が足りなくなって余った大豆ペーストはどう食べたらいいと言うので、ソイミートとしてハンバーグやコロッケにすると美味いよと言いました。呉汁はどうしましょう。柿の木に肥料としてあげようかしら。さてさて、大雪にならないといいのですが。

 その余った大豆ペーストをソイミート(代替肉)としてハンバーグにしました。前回は、マジックソルトやケイジャンスパイスで洋風にしたので今回は和風に。大豆ペーストに、玉ねぎ、人参、ヒジキ、クコの実、煎りゴマ、卵。手作り信州麹味噌、片栗粉、本味醂、キビ糖、鰹出汁粉、コショウで味付け。よく練って成形します。具を炒めてないので、蒸し焼きにしてから焼き目をつけます。非常に軽くて旨味がたっぷり。そのままでも美味しいのですが、おかずにするにはやや塩気が足りないので、N氏からもらった手作りの醤油を少しかけて。これははまります。鶏挽き肉とかアジの焼きほぐしとかを混ぜ入れてもいいし、衣とパン粉を付けてコロッケにしても美味しいと思います。

三連休は、信州人のソウルフード。手作り信州糀味噌の仕込み。手作りの馬鹿旨昼食(妻女山里山通信):2019年の仕込みです。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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野沢菜漬けと冬野菜の炒め物で作るチャーハンとはさみおやき。長芋のパンケーキ。ノリタケのボーンチャイナ(妻女山里山通信)

2022-01-26 | 男の料理・グルメ
 手作りの野沢菜漬けも乳酸発酵してきました。ラブレ菌とかいうそうです。2月になると発酵が進み酸味も出てきます。京都のすぐき漬けや木曽のすんき漬けの様に。この善玉菌は、腸の働きを活発にしたり、病気の感染を防いだり、消化管の免疫力を高めてくれたりします。その結果、便秘解消や肌のトラブル解消、病気予防、疲労回復、老化防止などの効果があり、それが長野県が長寿県であることの一因になっているとか。善玉菌や豊富な食物繊維に加えて、ナトリウム、カリウム、亜鉛、ビタミンA、βカロテンなどが豊富に含まれています。

 そんな年を越した野沢菜漬けで作るのが、野沢菜炒めです。野沢菜だけでもいいのですが、今回は冬野菜の甘い人参と大根と合わせて。野沢菜は一度水に漬けてすぐ絞り少し塩分を抜きます。人参と大根は突きます。味付けは、干し小海老、鰹出汁粉、炒り粉、ホタテパウダー、本味醂、コショウ。炒め油はゴマ油と紅花油。このまま白飯にのせても常備菜として美味しいおかずになりますが、色々な料理に使えます。
野沢菜福建炒飯:以下全てオリジナルレシピです。

 野沢菜と冬野菜炒めを使ったチャーハン。乳酸発酵した野沢菜漬けと雪中冬野菜の甘さと旨味でスプーンが止まりません。米は仲間と作ったコシヒカリです。

 もう一品は別の日に、はさみおやきの具にしました。皮は日穀製粉のホームラン粉にとろろを同量入れます。こうすると軽くなり胃もたれしません。他には炒り粉、卵、日本酒を入れ混ぜます。水は粉の半量が目安。耳たぶより柔らかいくらい。26センチのフライパンにゴマ油と紅花油とかを入れ、粉を半量敷きます。具をたっぷりとのせて残りの生地で覆います。フタをして中弱火で6分。上が少し固まり始めたら、エイヤッとひっくり返します。またフタをして6分で出来上がり。
 ここで食器好きの方は気がついたと思うのですが、皿は美大生時代に国立のやま芳という陶磁器店でバーゲンで買ったノリタケのプリマストーンの27センチプレート。今回調べたら8500円で売っていましたが、当時は二つ買ったのですが、ひとつ1000円ちょっとだったと思います。思い出しました。この皿は手作り餃子で頻繁に使いました。26センチのフライパンで餃子を同心円に並べて作ると、32個がのるのです。餃子専用プレートでしたね。これを食べざかりの息子達のために三皿分作りました。余った分は水餃子にしたり(中国人は逆ですが)。我が家は餃子の日は中国人の様に餃子しか食べなかったのです。包むのも家族全員で作ったので週末の料理でした。
切り干し大根と野沢菜漬けのおやき

 その長芋のとろろ100%のパンケーキです。我が家の定番料理でした。具や油、調味料を変えると和洋中華エスニックなんでもできるのです。油や塩分を抑えると離乳食にもなります。写真のものは、ベーコン、みじん切りの長ネギ、すりおろし人参にマジックソルト、白出汁麺つゆ、コショウで味付け。油はオリーブ油と綿実油のブレンド。やや多めで強火で一気に作るのがコツ。焦げがついたら混ぜて中に入れ、まとまり始めたら混ぜずに両面をカリッと焼きます。中はフワフワ。皿はノリタケのスリランカで、後述します。バックに敷いてあるレースですが、うん十年前にブラジル、アマゾン、ボリビア、アンデスを200日放浪したときに、ブラジルの中部の世界遺産の美しい古都オリンダで買った椰子の繊維も使って織ったレースのテーブルクロスです。在京時代は円形のテーブルに敷いて上に透明なビニールクロスを敷いていました。ブラジルの甘いショリーニョが聞こえてくる様な美しいテーブルクロスです。

 冬野菜にも飽きてくると、春を感じたくなります。で、ほぼ毎年作るのが牡蠣と菜の花のペペロンチーノです。ペペロンチーノの作り方はあまりにも一般的なので記しませんが、菜の花を1分ぐらい下茹でしておくことと、最後にちゃんと乳化させることがポイントですね。皿は、これもノリタケの超人気シリーズの花更紗。

 ゴボウも和風で食べるのに飽きたので定番のサラダに。マヨネーズ、粒辛子、おろしにんにく、岩塩、煎りごま。私は粒マスタードがかなり入ったものが好みです。ベーコンソテーとサンドウィッチのフィリングにしたり、ツナとゆで卵と合わせても美味。太い堀川牛蒡だと肉詰して洋風にもできます。

 これはずっと前のものですが、春になると出回り始めるカタクチイワシを骨もまるごとミンチにして、とろろ、人参、長ネギ、ヒジキ、煎りゴマ、片栗粉、酒、卵を入れて混ぜて油で揚げます。息子達が小さい頃によく作りました。さつま揚げやしんじょは、とろろを入れると上品な料亭の味になります。魚の種類をアジとか白身魚やイカ、エビに変えるとまったく異なる料理に返信します。サーモンや塩鱈で作ってフランスパンやカンパーニュに挟むと馬鹿旨です。
手作りオイルサーディン
手作りアンチョビー

 既読の本二冊(左)と買ったばかりの二冊(右)。いずれも古書でネットで探しました。左二冊は同時に読むとよく分かります。左の『中国正史 倭人・倭国伝全釈』鳥越憲三郎著。春秋戦国時代に国の滅亡ゆえに渡来した弥生人を中国正史から紐解いています。魏志倭人伝にいわく、日本からの朝貢の者が、「我々は大伯の後(すえ)なり」と言っていることです。大伯とは古代中国春秋戦国時代の呉の開祖といわれる人物です。日本に渡来した弥生人が彼ら。『古代史の謎は「鉄」で解ける』竹村公太郎著。日本に多大な影響を与えた高句麗のことが詳しく書かれています。滅びた高句麗の人々が信州や関東にたくさん渡り定着しました。長野市の篠ノ井や東京の狛江は高句麗に由来します。海洋学の専門家の視点から見た古代の人の半島や中国本土からの移住の説明にリアリティと説得力があります。ちなみに高句麗人は、ツングース系の騎馬民族で、日本に馬産を伝えました。なぜ色々なスタイルの古墳があるのかについても言及しています。弥生時代から古墳時代にかけて、大量の移民があったということです。それは、60万人から400万人へと、当時の激烈な人口動態をみれば分かります。
『西暦535年の大噴火』。トンガの大噴火を見て買い求めました。文明の滅亡や人類史を変えるほどの大噴火が実は何度も起きていたのです。特に西暦535年の大噴火は、人類滅亡の危機といえるほどのものでした。西暦535年で検索してみてください。1、2世紀の倭国大乱や天照大御神・卑弥呼の時代にも世界的な大噴火があった様で、それが時代を大きく動かしたと思われます。
『女のいない男たち』村上春樹。珍しく小説を買いました。2月に映画「ドライブ・マイ・カー」を観に行くつもりなので、その前に読んでおきたいと買いました。私が美大生時代にアルバイトをしていた彼の国分寺のジャズ喫茶を描いた「国分寺・国立70sグラフィティ」を読んだ方は分かると思いますが、私は彼の初期の作品しか読んでいません。でも、今回は読んでみたいと思いました。

 ノリタケは、古くから欧米で人気の高級ボーンチャイナで有名な陶磁器メーカーです。貧乏美大生時代に、ボロアパートですが、食事はたまに奮発して洋食を作りました。それでお洒落な食器が欲しいとセールで買ったのです。左は、ノリタケの超人気商品の花更紗。4400円とありましたが、ノリタケのサイトでは在庫切れ。東洋風の小花模様が非常に美しい。真ん中は、NORITAKE Legendary SLILANKA。27センチ。5500円。右は、Giovanni Valentino ITARY のMOMOYAMA。どれもフルセットで揃えると15万ぐらいする高級品ですが、端物がセールに出ると結構安く買えるのです。メルカリやヤフオクでは、かなり安く買えます。妻がプランタン銀座でカフェメニュー教室の講師をしていてサポートをしていましたが、撮影のためにロイヤルコペンハーゲンとかウェッジウッドとかも買ったりいただいたりしました。現在は使われることもなく倉庫の中です。和食器も備前とか有田、明和窯赤とか色々あるはずですが、倉庫の中です。息子達がそれなりの家庭を築いてくれたら譲ろうと思っています。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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最高気温が氷点下の大寒に郷土料理の「おしぼりうどん」で温まる(妻女山里山通信)

2022-01-20 | 男の料理・グルメ
 大寒の朝、菅平では最低気温がマイナス20度だったそうです。善光寺平ではそこまでは下がりませんが、ほぼ一日中雪降りで、氷点下でした。こんな日には手打ちうどんで「おしぼりうどん」で温まろうと準備しました。おしぼりうどんは、信州の旧埴科郡と旧更級郡を中心とした極狭い地域で食べられている古い郷土料理です。なので長野市でも善光寺界隈へ行くと食べられません。北信州でも、松代、篠ノ井、千曲市、坂城と非常に限られた地域でしか食べられていない冬の郷土食なのです。その各地に名店があります。冬の北信州に来られたらぜひ召し上がってみてください。

 辛味大根の絞り汁に味噌をといてうどんをからめていただきます。薬味には、長ネギや花鰹、煎りごまなどを。辛味大根は、信州坂城の「ねずみ大根」が有名ですが、今回のは地大根の辛味大根と青大根、別名中国ダイコン(江都青長・写真右下)という中身も緑の生食用大根のブレンドです。味噌は仲間と作った信州麹味噌。小麦粉は先日友人から買った幻の小麦粉伊賀筑後オレゴン(通称イガチク)ではなく、日穀製粉のホームランです。
 辛味大根は、辛味成分のイソチオシアネートを多く含んでいます。栄養価も高く、カリウムやビタミンAやカロテンを豊富に含んでいるのです。ジアスターゼも豊富ですから、消化剤を一緒に飲んでいるようなものと良く言われます。そんなわけでお酒を飲んだあとの締めにも最適なんです。地元の人はこの味を「あまもっくら」と表現します。初めての方は、大根の辛さに驚愕するでしょうが、同時に芳醇な香りと旨味、甘さに驚かれることでしょう。漬物は私が漬けた野沢菜漬けと白菜と人参の梅風味の醤油漬け。

 小麦粉は600グラム。水は粉100グラムに対して40ccが基本です。ビニール袋に入れて踏んで畳んで踏んで寝かせてを繰り返します。左が青大根。右が辛味大根。昔は辛味大根だけでしたが、辛いのが苦手になってきたので、今回は7割が青大根です。それでも辛味はあります。

 平らに伸ばしたら6つに分けます。製麺機は、埼玉県戸田市の(株)小野機械製造所のものです。もう製造していませんが、ネットで探せば中古があると思います。

 何回か半分に折りながらのしていきます。何度も折ることでミルフィーユの様に何層にもなり、火の通りが早く均一になるのです。折らないと湯で時間がかなりかかり、外がフニャついて中に芯が残ります。

 製麺します。

 こんな感じです。六玉できました。だいたい二玉で一人分です。生麺で二玉冷凍しました。もう二玉は茹でて冷蔵。

 茹でます。二度吹き上がったら茹で上がりです。吹き上がったときにさし水をしてはいけません。火力を弱めます。信州には、在来種の地野菜がたくさんあります。大根でも長野市のたたら大根と灰原辛味大根、戸隠の戸隠地大根、坂城町のねずみ大根(中之条大根・なかんじょだいこん)、上田市の山口大根、下條村の親田辛味大根などです。地大根とは元々辛いものなのです。青首大根ではおしぼりはできませんし水っぽくて美味しくありません。おしぼりうどんは、最後に汁も全部飲みきってしまいます。心も体もぬくぬくと温まる料理なのです。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
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数年に一度というクリスマス寒波の長野盆地。妻女山展望台からの雪景色とぜんざいと納豆作り。蔵書(妻女山里山通信)

2021-12-27 | 男の料理・グルメ
 数年に一度というクリスマス寒波で日本海沿岸地方は各地で大変なことになっています。さぞや長野県もと思われるかも知れませんが。なお滋賀県は実は豪雪地帯ですし、その南の名古屋も遮る高い山脈がないので、こういう大寒波には雪が降ります。白馬村も山岳地帯意外はそれほど積雪はありません。しかし、年末年始の大寒波や来年になるともの凄い積雪になるでしょう。長野市南部や千曲市、坂城町、上田市などは、2月の上雪での豪雪が心配です。2014年の大豪雪がまさにそれでした。
 最後に年末買い求めた本を紹介しました。なかなかレアな本です。歴史ファンはぜひお読みください。

 27日の午前中、友人のところへ幻のイガチクという小麦粉を取りに行った帰りに妻女山展望台に寄りました。東の松代方面の眺め。あれ?雪がない!と思われるでしょう。そうなんです。大寒波の時は、豪雪地帯の飯山や信濃町は大雪ですが、長野市の平坦部は雪は舞うものの積雪は少ないのです。ただ寒い。最低気温がマイナス6度、最高気温も日が差してもマイナス1度です。

 千曲川を挟んで北の長野市中心街方面。晴れていれば見える戸隠や飯縄山は全く見えません。うっすら見える里山も雪は降っていますが豪雪ではありません。手前の畑は地温が高いのでほとんど積雪はありません。

 西の茶臼山方面。飯山方面からの雪雲が直接当たるため妻女山よりは積雪があります。茶臼山右奥にうっすらと見える虫倉山は真っ白です。

 展望台から南の眺め。右に斎場山。長坂峠を挟んで左に我々が貝母(編笠百合)の保護活動をしている陣場平。実際はもう少し奥です。手前左は、松代藩が建てた善光寺地震の供養塔です。奥に戊辰戦争以降の戦没者を祀る妻女山松代招魂社があります。ここまで一応轍はありますが、一度溶けて積雪したらスタッドレスでは登れません。猪刈りの猟師はスタッドレスにチェーンを巻いて登ります。特に春先の3月が一番危険。毎年JAFのお世話になる車がいます。

 厳寒の夜は暖かい鍋焼きうどんがいいですね。うどんはイガチクではなく地粉です。私が採った天然のクリタケ、ヒラタケ、ムキタケが入っています。他には地物の白菜、里芋、長芋など。外は零下なのにフリースを脱いでファンヒーターを止めるほど体が温まります。

(左)長男が作ったぜんざいをツイッターにアップしていて食べたくなって作りました。小豆は亡き父と作った幻の少納言小豆です。普通の小豆とは風味がまったく違います。ただ、個人で作っている人はいるかも知れませんが、市販はされていません。大納言とも違います。この旨さはお金では買えないものです。(右)仲間と作った黒大豆がたくさんあるので納豆を作ることにしました。

(左)茹でた黒大豆をタッパーに入れ発泡スチロールのケースへ。タッパーの下には2つのホッカイロ。納豆菌は、信州で納豆といえばこれ!の川中島納豆。在京時代も帰省すると土産に買って帰ったことがありました。(右)これをよく混ぜてタッパーに戻し、ファンヒーターで温めてフタをして発行させます。中の温度が38〜43度ぐらいかを度々計測して、低ければファンヒーターで温めます。結果は非常に上手くできました。見た目は右上の写真と同じです。味は市販の納豆では味わえないコクと旨味があふれています。ご飯が進みすぎるのが問題です。

 年末に買い求めた本です。だいたい絶版か古書でしか手に入らないものなので、すべてネットで探しました。
 左から、『中国正史 倭人・倭国伝全釈』鳥越憲三郎著。これが今年最も読みたかった本です。春秋戦国時代に国の滅亡ゆえに渡来した弥生人を中国正史から紐解いています。とても全てを紹介はできませんが、魏志倭人伝にいわく、日本からの朝貢の者が、「我々は大伯の後(すえ)なり」と言っていることです。大伯とは古代中国春秋戦国時代の呉の開祖といわれる人物です。
 次は、『古代史の謎は「鉄」で解ける』竹村公太郎著。内容はまさに帯にある通りです。未読。次は、『「馬」が動かした日本史』蓮池明宏著。魏志倭人伝には、日本には馬がいないと書かれています。馬が入ったのは5世紀ごろ。古墳から突然馬具が出土します。伝えたのはツングース系の高句麗の人々。信州では篠ノ井の地名の元になった帰化した豪族が朝廷から篠井性を賜り、それが篠ノ井の地名の元になっています。高句麗の人々は、関東に多く移住しました。東京の狛江市の狛は、高句麗のことです。当地では、大室の積石塚古墳群や妻女山山系の積石塚古墳群がそれです。馬産の地名として、南牧村や牧島などの地名が残っています。3つ前に載せた森将軍塚古墳の出土品にも馬具が見られます。
 『「日本』とは何か「日本人」とは何か』田中英道監修。少し突飛すぎる説もあるのですが、古代史に風穴を開ける本だとは思います。
 『西郷隆盛と西南戦争を歩く』正亀賢司著。なんと妻女山で邂逅した方の著書です。色々お話をして、この著書を紹介していただきました。戊辰戦争は当地の大問題なので色々調べましたが、西南戦争に関してはわけのわからない無益な内戦ぐらいの感想しかありませんでした。非常に緻密に取材されています。面白いです。しかし、結局なぜ挙兵したのかは、結局分からずじまいでした。思ったのは、明治維新は、英仏米の金融機関がバックに付いた作られた軍事クーデターと思っているのですが、それと西南戦争のバックにいたはずの彼らが全く見えてこないのが不思議でした。長崎のグラバーやロックフェラー、ロスチャイルドがどう暗躍したのかを解明するのが歴史家の責務だと思います。
 『消費社会の神話と構造』ジャン・ボードリヤール著。1970年代の美大生時代に彼の著書を読みました。それ以来です。資本主義やら商業主義やらに警鐘を鳴らした彼の本を、超巨大多国籍企業によって世界が破壊されそうな現代にもう一度読むべきと思い購入しました。現在はイデオロギーの時代ではありません。右だ左だと言っている人は時代遅れ。米中の軋轢も両国の経済依存度を知れば単なる茶番劇だと分かります。むしろ超巨大多国籍企業と世界市民の世界戦争が始まっていることを認識することが大事なのです。新型コロナしかり、ワクチン騒動しかり。超巨大多国籍企業の売上が、たとえば日本の国家予算と匹敵するかその業界では上回っていることを知っているでしょうか。利益を最優先する企業が、世界の政府やマスコミにロイビストを派遣し世界を支配しているのが今の世界なのです。覚醒しましょう。これは陰謀論でもなんでもありません。調べれば分かる事実です。良いお年を。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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氷雨の日に、黒大豆で作った島豆腐で、湯豆腐と純米酒で温まる。マメ科の植物は有毒が多い(妻女山里山通信)

2021-12-09 | 男の料理・グルメ
 妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーで作った黒大豆が何十キロもあります。煮豆はもちろん、きな粉を作ったり、大豆ハンバーグも作りましたが、2日も氷雨が続くというので手作り豆腐に挑戦しました。
材料
黒大豆:300g
にがり液:大さじ3(固まり具合を見て適宜)
水:浸透用 850ml
水:粉砕用 1200ml

(左)材料の黒大豆。普通の大豆より大粒です。斑模様のものがあるのは、おそらく普通の大豆と交配してしまったためでしょう。(右)浸透用の水に浸して24時間置きます。割ってみて仲間で水が浸透していればOK。

(左)粉砕用の水を足してミキサーで2分間粉砕します。これを2回。生呉(なまご)のできあがり。豆腐は今から2200年前に中国で発明されました。 生呉という呼び方は、弥生人(倭人)の先祖という春秋戦国時代の呉に由来するものなのでしょう。呉汁、呉服、呉織、呉布などの言葉が令和の今も残っています。縄文人とともに日本人のルーツです。(右)鍋に入れて沸騰したら弱火にし、10分ほど煮ます。この間、焦げ付かない様に絶えずかき混ぜます。

(左)呉を巾着に入れて絞り、豆乳とおからに分けます。これはおから。夜にきんぴらゴボウと煮物にしましたが、濃厚で馬鹿旨でした。(右)豆乳を80度ぐらいに温めます。熱すぎると湯葉ができます。私は赤外線のデジタル温度計を持っているので、それでちょくちょく計測しました。温まったらにがりを回し入れます。ヘラでゆっくりとかき回してフタをして10分ぐらい蒸らします。写真の様に分離したらできあがり。豆は生では有毒です。熱を加えても極微量の毒成分は残りますが、納豆などの発酵食品にすると無毒になります。マメ科、ナス科、キンポウゲ科、ユリ科など、自然界の植物は自己を守るために有毒であることが多いのです。

(左)仲間が作ってくれた豆腐箱にさらしを敷いて、メッシュのお玉で入れます。(右)重しをして水分を抜きます。普通は15〜30分ぐらいでいいのですが、今回は島豆腐ぐらいに固くしたかったので、数時間置きました。通常は水にさらしてアクを抜きますが、今回は湯豆腐なのでそのまま。次回は固めずに汲み豆腐(おぼろ豆腐)であんかけにしてみましょうか。牡蠣のスリ流しなども美味しそう。

 翌日の夜に「湯豆腐」にしました、土鍋の底に昆布を敷き、仲間と栽培した干し椎茸で出汁をとります。茹でて柚子ポン酢でいただきました。コクがあって黒豆の味が深い。こんな豆腐はなかなか売っていない。これは病みつきになりそうです。純米酒のぬる燗がよく合います。納豆も作りたいですね。
 これも私が作ったものと仲間と作ったブラジルの黒いんげん豆「フェジョン・プレット」もたくさんあって、ブラジル料理を作るのですが、この黒大豆もテクスメクス料理のチリコンカルネとかミネストローネとか、中近東のファラフェルという豆コロッケ、インドネシアの発酵食品のテンペとかインドのダルカレー風もできないかななどとアイデアは膨らみます。
 大豆、トウモロコシ、小麦はほとんどがアメリカなどからの輸入品です。遺伝子組換え作物も。これらが使われた加工食品や菓子などもできるだけ買いたくはないですね。信州では、JAのスーパーや、普通のスーパーや道の駅の地産地消売り場などで手に入ります。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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信州の里山と畑の秋の恵み。天然キノコ、果樹、伝統野菜。伝統料理、新信州郷土料理(妻女山里山通信)

2021-10-23 | 男の料理・グルメ
 信州も秋真っ盛り。紅葉は高原が真っ盛りで、里山は11月に入ってからですが、秋の恵みは今が盛りです。天然キノコに山栗、秋野菜。そして信州は果実天国です。林檎に梨に葡萄。そんな信州の個人的な秋のグルメを紹介します。新信州郷土料理は、そんな食材を使って私が提案しているオリジナルレシピです。
MORI MORI RECIPE・男の料理レシピ集・新信州郷土料理は、和洋中華があります。

 私が採ってきた天然舞茸とクリタケ、ハタケシメジと豆腐の煮物。いつもと違うカラメルの濃い醤油を使ったので塩辛そうな色ですが、割と薄味です。なにより天然キノコの出汁が物凄いのです。特に舞茸は栽培ものとは味や香りの濃さがまったく違います。尾籠な話で申し訳ないのですが、翌朝のトイレは舞茸のいい匂いで満たされます。

 昨年漬けた味噌漬けがあまりにも美味しかったので、信州丸茄子とキュウリ、地大根の味噌漬けを作りました。まず、3%の塩に浸けて一晩置きます。翌日洗って塩抜きして半日陰干しします。翌日、仲間と作った信州糀味噌に酒粕を少し混ぜて漬けます。ジップロックに入れて冷蔵庫へ。一週間で食べられますが、美味しくなるのは半年後。一年経つと古漬けになって、おにぎりの具やお茶漬けに。色々使えます。
 右は、里芋の親芋、人参、仲間と作った干し椎茸、ヒジキ、凍み豆腐、蒟蒻を、鰹出汁、炒り子出汁、昆布、鷹の爪、酒、味醂、醤油で作った煮物です。馬鹿旨。

 畑のイチジクが熟し始めました。気に入っている朝食の一品。ライ麦パンのバタートーストにチェダーチーズ、発ガン性をいわれる発色剤を含まない無塩せきロースハム(信州ハム)をのせて完熟イチジクをつぶしてのせます。ユウキ食品の刻みハラペーニョを少し。チーズとハムの塩味とイチジクの甘み、ハラペーニョの酸味と辛さがベストマッチです。これとモカコーヒーがよく合います。

 山栗のご飯。拙書でも紹介している聖山で拾ってきました。栽培栗とは味も風味も違います。小さいので処理が大変。まず洗って冷凍します。その後熱湯に浸けてふやかします。妻は魔法瓶を使っていました。野趣豊かな味です。右は、先に紹介した煮物とほぼ同じです。地鶏のもも肉を入れました。地大根も入っています。今回は醤油ではなく、仲間と作った信州麹味噌と酒粕で味付け。体が温まります。信州の里山と畑の滋味がつまった料理です。

 以前、仲間と作った黒大豆が大量にあるので、自家製のきな粉を作りました。豆がまだら模様のものがあるのは、おそらく普通の大豆と交配したからでしょう。新品種を生み出してしまいました(笑)。豆を鉄のフライパンか焙烙で10分ほど炒って、粗熱と水分を飛ばしたら、ミキサーで粉砕します。金ザルで濾してジップロックに入れて保存。カスは味噌汁にします。市販のものより香ばしく、豆の旨味もしっかりしています。安倍川餅やきな粉団子、色々な料理にも応用できます。なにより遺伝子組み換えではなく、農薬や化学肥料もほとんど使っていないので安全です。

 秋の恵みの天ぷら。左上からプランターで作ったゴーヤ。苦味が少ない種なので、綿と種も一緒に輪切りにして天ぷらに。粗塩でいただきます。右は薩摩芋の天ぷら。祖母がそうしていた様に、ウースターソースでいただきます。手前は納豆と玉葱のかき揚げ。添付の出汁醤油と辛子も入れたので、醤油を少し垂らしていただきました。たくさん作ったので、翌日に天ぷら蕎麦にしました。

 冬瓜と干し椎茸とカニカマのあんかけ中華煮。溶き卵をまわして。味付けは、台湾のホァンウェイ・カキソース・鶏がら出汁・醤油・味醂です。冬瓜は5分煮こぼして、さらに15分茹でてから他の具材を入れます。カニカマが余っていたので作りましたが、余裕があればズワイガニとか紅ズワイ、毛ガニで作りたいですね。

 最近入手して読んでいる本です。いずれも古書です。『倭人・倭国伝全釈』倭とは、漢に滅ぼされ渡来した呉や越の中国における卑称だった。その末裔は日本だけでなく東南アジアに分布。倭族論の集大成。『魏志倭人伝』以外に記述された倭とは。私がずっと追い求めているテーマです。出雲族、越の国、倭国大乱とは、諏訪大社と善光寺、古代科野国、縄文と弥生。『人口から読む日本の歴史』旧石器時代、縄文から弥生、古墳時代までの人口動態から歴史が見えるのです。
 さて明日は仲間を連れてキノコ狩りです。そんなシロを教えて大丈夫なのと思われるかも知れませんが、道もない長い藪山歩きなので覚えられないでしょう。熊も出るし。昔、親戚が遭難しそうになったところですから。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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信州の夏の郷土料理。丸茄子(小森ナス)のおやき。伝統野菜を守れ!(妻女山里山通信)

2021-07-29 | 男の料理・グルメ
 善光寺平名物の「ナスのおやき」は、信州丸ナスだからこそできる料理です。信州丸ナスは、善光寺平でとれる大きく丸いナスで、実がしっかりとして重く、味が濃厚で、大きいのは赤ん坊の頭ぐらいになります。このツヤツヤの信州丸ナスにごま油で練った信州麹味噌をはさみ、これまた信州の中力粉(地粉)を練ったもので包み、青紫蘇の葉ではさんで蒸せば、信州郷土料理の代表格、ナスのおやきの出来上がりです。青紫蘇の葉ではさむのは祖母の発案で、母から妻まで継承されました。紫蘇の風味がナスとよく合います。

 市販のモノや各家庭で、材料、味付け、作り方などが微妙に違います。ナスのおやきには、囲炉裏で作る古典的な灰焼きおやきと、蒸すおやきがあります。また、家によっては焼き目をつけてから蒸し上げる調理法もあります。ミョウガの葉や柏の葉で包んで香りをつけるやりかたもあります。昔はたくさん作って、井戸に吊して冷やして食べました。今回は青紫蘇の葉とミョウガの葉を使いました。

 17年前のカット。父が育てていた小森茄子です。ダンボールに茄子やトウモロコシ、胡瓜、ピーマン、唐辛子など夏野菜をたくさん詰めて送ってくれました。我が家のベランダも野菜畑で、ミニトマト、バジル、サラダ菜などを育てていました。仙川のマンションの近所には有機栽培の無人販売所がたくさんあって助かりました。

(左)信州丸茄子。小森茄子です。ソフトボールぐらいあります。(右)確かこの夜は、妻がプランタン銀座の講座の講師の仕事で遅くなるので息子達とナスのおやきを作ったのでした。食べざかりなので凄い量です。

(左)小さな頃から料理好きなので見様見真似ですが結構器用に包んでいきます。(右)自分達で作ったので美味しさもひとしお。茄子ひとつで4つのおやきができますが、3つ分12個は食べたと思われます。まあ今はこんなに食べられないと思いますが。

●丸茄子のおやき レシピ
■材料(20個分)
信州丸ナス・・・・・・・・5個
中力粉(地粉)・・・・・・600g
水・・・・・・・・・・・・300cc(ゆめちからなど強力粉の場合は6割に)
信州麹味噌・・・・・・・・100g
ゴマ油・・・・・・・・・・大さじ1
青紫蘇の葉の大きなもの・・40枚
青唐辛子・・・・・・・・・1本(好みで)
 粉と味噌はやや多めに作るのがミソ。足りないと面倒ですが、余っても色々な料理に使えますから。

■作り方
1. ボウルに小麦粉、水を入れ、やや柔らかめの耳たぶの柔らかさに練る。
  濡れ布巾をかぶせてねかす。
2. 別のボウルに味噌、ゴマ油、好みで青唐辛子(焼いてみじん切り)をよく混ぜておく。
3. ナスを洗ってヘタを落とし、横に4等分の輪切りにする。輪切りにしたものに切れ込みを入れる。
4. 3の切れ目に2の合わせ味噌を、ナスの大きさに応じて小さじ1ほど挟む。
5. 手のひらに水をつけ、ねかしておいた小麦粉を適量手に取る。
6. ナスをのせ、周りから小麦粉をひっぱって包む。包んだら青紫蘇の葉ではさむ。
7. 大きめの蒸し器を火にかけ沸騰させておく。ナスをくっつかないように斜めに重ねていく。
8. 強火で15〜20分ほど蒸して、箸がスッと入ればできあがり。
 今回は、小麦粉は幻のいがちくオレゴンと地粉のブレンド。味噌は仲間と手作りの糀味噌。唐辛子は、焼いた青唐辛子を麹と醤油で漬け込んだものを使いました。

 日本にはナスの美味しいといわれる所がいくつかあります。その中の一つが長野盆地で、伝統野菜の信州丸ナスです。小森茄子、川中島茄子、小布施茄子など沖積地に最も適した果肉が厚くて密度の高い、焼いても、煮ても、蒸かしても良しと何をしても美味しい茄子です。信州の風土と深く結びついた、野菜といえるでしょう。
 父も昔は長野市東福寺の小森のある方から苗を買っていたのですが高齢で止めてしまい、しかたなく市販の苗に切り替えたのですが、昔のような密度や味の濃さはなくなりました。もちろん今も美味しいのですが、20年前のナスは、もっと緻密で重く味も強く、水に放すと沈み水が真紫に染まったものでした。近年、小森ナスが復活との話を聞きました。本当に在来種で交配していないかは、水に放すと分かります。本物なら沈みます。浮いたら交配しています。市販のナスのおやきはふくらし粉が入ったり、具に砂糖が入りますが、私は素材の甘さと旨さをいかすためにどちらも入れないものが好みです。ナスも小さく薄いので、やはり自分で作るのが一番です。
 ナスに限らずスーパーに並んでいる形の揃った綺麗な野菜は、現在ほとんどがF1種です。種が発芽しないので農家は毎年苗を買わなければなりません。化学肥料と農薬がないと育ちません。早生種は栄養もありません。収量と形ばかりにこだわり味や栄養が犠牲になってきました。伝統野菜は、ハイブリッドではないので育ち方もバラバラで収量も多くありません。しかし、最近その伝統野菜が見直されています。野村種苗とか信州でも伝統野菜の種を継承している会社があります。種は種苗会社のものではなく国民の財産です。遺伝子組換え作物になったら、郷土料理も和食文化も滅びてしまいます。

「信州の伝統野菜」:必見です! 長野県が実施する「信州伝統野菜認定制度」によって認定された野菜で、現在71品目の野菜が認定されています。JAのスーパーやスーパーの産直売り場、道の駅や八百屋さんで買えます。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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夏の男飯。鯵の手こね寿司、新信州郷土料理、ブラジル料理、アメリカン&メキシカンなど(妻女山里山通信)

2021-07-23 | 男の料理・グルメ
 コロナ禍の自粛生活で家にいる時間も長いので、料理を作る時間も余裕があります。そんな料理を撮りだめしてみました。色々こだわりはありますが、地産地消で新鮮な野菜を使う。規格外でもいい。化学調味料、食品添加物、砂糖を使わない。柿酢、信州麹味噌、塩麹は手作り。地元の山菜や野草、天然キノコ、発酵食品を使う。郷土料理の知恵に学ぶなどなど。


 旬の「鯵の手こね寿司」。寿司酢は、手作りの柿酢・奄美のキビ糖・粗塩です。寿司飯は薄い茶色になります。こくがあって美味です。鯵も寿司酢でしめます。昆布茶を少しふります。酢飯を盛って青紫蘇を刻んで散らし、鯵の刺身を並べてネギのみじん切りを散らし、練り梅を添えて適量の醤油を回しかけて出来上がり。在京時代は江ノ電鎌倉駅の大船軒の鯵や鯖、小鯛の押し寿司はよく買いました。今が旬の殻付きホヤをさばいて食べました。でも信州ではなかなか買えません。岩牡蠣も。
柿酢の作り方:熟した柿のへたを取り(洗っては駄目。周りの白い粉が必要)、熱湯で殺菌したプラスチックの桶に入れる。和紙で蓋をして周囲を紐で結び冷暗所に置くだけ。翌年の1月には柿酢になっている。上の上澄みを瓶に詰めて保存する。

 丸なすのおやきは信州の夏の代表的な郷土料理。普通は小麦粉で包んで灰焼きにするか蒸しますが、「信州丸なすの挟みおやき」というのもあります。皮の小麦粉は幻のいがちくオレゴン。高度経済成長前までの東京のうどん屋さんの粉はこれでした。皮は全卵1個を入れてゆるく溶きます。今回は水にほとばしたオートミールと蕎麦粉、豆乳おからも少しずつ入れました。更に炒り粉と海老粉も少し。
 具は丸なす大1個をスライスして5ミリ幅ぐらいに拍子切り。みじん切りの青紫蘇と出汁粉を加えて信州糀味噌とゴマ油で軽く混ぜながら練ります。フライパンに大さじ1のゴマ油をしいて熱し蓋をして両面を6分ずつ焼いたら出来上がりです。皮にとろろを入れると軽くなり、冷めても固くなりません。

「原木ナメコと納豆のおろし素麺」。ナメコはパックに入った小綺麗なものではなく大小様々が入った原木ナメコがオススメ。100円です。菌床栽培でも色が濃く大きめがオススメ。納豆はこれは違いますが、地元の大粒の川中島納豆がオススメ。激安の納豆は実は本物の発酵食品でないものもありますが、これは本物。ツルヤやJAなど県内のスーパーで買えます。素麺はゴマ油で練り込んだものと入らないものがありますが今回は後者。奥州白石の松田製粉のもの。4人分で100円ぐらい。ナメコは出汁醤油でさっと煮て冷ましておきます。素麺を茹でて水洗いし椀に盛ります。大根おろしをたっぷりのせて納豆、ナメコと出汁醤油をはってできあがり。ネギと梅肉を添えて。ナメコと納豆の旨味と大根おろしの辛味で食が進みます。

「信州丸なすと南瓜、唐辛子の塩鯨煮」。塩鯨(塩皮鯨)は、ぬるま湯で塩気を流し水から煮込んで出汁をとります。そこへ丸なす、南瓜、青唐辛子を入れて煮ます。鰹出汁、昆布、干し椎茸、酒、味醂で味をつけ冷蔵庫で冷やして出来上がり。鯨からいい出汁が出て野菜の旨みが増します。郷土料理です。冬にこの出汁で食べる鯨うどんは、在京時代に息子達も大好きでした。

 昔ブラジルの叔母から伝授された「新じゃがのアンチョビー炒め」。新じゃがは半分に切り皮付きのまま10〜15分電気圧力鍋で蒸しました。みじん切りしたアンチョビーをオイルごとフライパンで炒め、みじん切りのパセリを半分、途中で残りを最後に入れて、レモン汁を掛けてできあがり。簡単です。ビールのつまみに最高です。
新ジャガとアンチョビーのサラダ:もう少し手の混んだ本格的なレシピです。以下リンクはすべてオリジナルレシピです。

 ブラジルの国民食で、ほぼ毎日食べられます。定食には必ず付いてきます。「フェジョンの煮込み」。フェジョン・プレット(黒インゲン)を倍量の水で15分圧力鍋で煮ます。半分ぐらいを潰します。鍋にニンニクとタマネギのみじん切りを入れてオリーブ油で炒め、豆と信州ハムの無塩せきウィンナーのぶつ切りを入れてマギーブイヨンとローリエを入れて煮込みます。足りなかったら塩を加えます。
 ご飯にかけて、ファリーニャ・デ・マンジョーカというタロイモの粉をかけ、ピメンタという辛い唐辛子のソースをかけていただきます。今回はハラペーニョソースを使いました。材料はブラジル食材店かネットで揃います。夏にピッタリの料理で我が家の夏の定番料理でした。
フェジョンの煮込み(ヴィナグレッチ添え):もう少し本格的なレシピです。フェジョン・プレットは、鉄分が豊富な豆です。
フェイジョアーダ:ブラジルの最もパワフルな料理のひとつ。アマゾンにはマニーバというキャッサバ芋の葉を使ったマニソーバという深緑色の強力な煮込み料理があります。

 美味しそうなバンズと信州牛の赤身のひき肉があったので「手作りのアメリカン・バーガー」を作りました。ひき肉はシンプルに塩黒コショウで練って整形します。バンズは内側に焼き目をつけて粒マスタードを。タマネギはスライスしてロースト。トマトは厚めにスライス。バンズにサラダ菜敷いてタマネギ、焼いたハンバーグ、チェダーチーズ、トマトを乗せてマヨネーズを。胡瓜のピクルスをのせてバンズで挟んでできあがり。
 ファストフードのハンバーガーはもう何十年と食べていません。やはり手作りのハンバーガーは一味も二味も違います。冷凍庫にジビエの鹿肉のロースのタレ漬けがあるのですが、これを和風ハンバーグにしてみたいと考えています。
キヌアパン(コッドローバーガー・ソーセージバーガー):キヌアは穀物の中でも特に栄養価が高く、21世紀の主食ともいわれています。コッドローはタラコの缶詰。これを使ったサンドイッチは、学生時代にバイトをしていた村上春樹さんのジャズ喫茶「ピータ・キャット」で出していました。左のブログ「国分寺・国立70sグラフィティ」の記事で詳しく紹介しています。

「全粒粉入トルティーヤのポテトサラダのタコス」。トルティーヤは業務スーパーのもの。手作りのポテトサラダを挟みました。新じゃがを蒸して熱いうちに潰します。人参とモロッコいんげんは食べるサイズに切って塩蒸しに。タマネギは粗みじんで、アボガトは適当に潰して、胡瓜は粗みじんに。パセリはみじん切り。アンチョビーをみじん切りにして少し熱して臭みを取ります。ピクルスはみじん切りしてつけ汁も加えます。
 今回はアンチョビーなのでハムではなく、鯖の入った魚肉ソーセージにしました。マヨネーズにレモン汁、隠し味に昆布茶を加えよく混ぜて塩味を確かめてできあがり。
家常餅(ジアチャンビン)・ピタパン・おやき:中華版トルティーヤ。バターにすれば洋風。オリーブ油にすればピタパンと応用がききます。

 息子達が小さな頃、サッカー・ワールドカップの際は、開催国や対戦相手の料理を作って食べたり、私は酒を飲みました。イタリアならグラッパ、フランスならシャンパン、アメリカならバーボンとか。しかし、今回の東京五輪は全くそういう気になれません。コロナ禍だけではなく商業主義に腐りきったオリンピックは一度止めるべき時期に来ているのではないでしょうか。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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梅雨だから料理に精を出すよ。野沢菜ジャコ炒飯とアンチョビー入り絶品ポテトサラダなどなど(妻女山里山通信)

2021-06-27 | 男の料理・グルメ
 今年の梅雨は、寒気が入っているため連日天気が非常に不安定で、長野市もあちこちで毎日集中豪雨が起きています。そんなで撮影もままなりません。気圧の変化が激しく体調維持も難しい。出られない日には料理をすることにしました。現役時代は料理の本を作ったり、土井善晴さん、ジュディ・オングさん、平野レミさんなどと仕事をし、妻のプランタン銀座でのカフェメニュー教室のプロデュースもしました。職業柄食べ歩いて、今より15キロも太っていました。ブックスダイエットで減量し、今は少食粗食を心がけています。

『淡竹と鯖の水煮缶詰の味噌汁』。信州人の初夏の恵みです。根曲がり竹が有名ですが、ボリュームがあってエグミの少ない淡竹はオススメです。玉ねぎを入れると自然の甘みが出ます。鯖缶から出汁が出るので加えるのは酒、本味醂、信州味噌で充分です。この信州味噌は、妻女山里山デザイン・プロジェクトの仲間で豆から栽培して作った手作り味噌です。鯖缶は信州が消費量全国一でしたね。鯖缶と白菜のカレー味噌炒め(鯖白菜)も手軽で美味しい。右は枝豆と塩昆布の混ぜご飯。簡単ですが美味です。おにぎりにしてもいい。梅漬を入れると更に美味しい。まだ淡竹があるので若竹煮を作ります。鯖缶の選び方ですが、缶の直径の大きなものがいいです。大きな脂が乗った鯖を使っています。オススメは、マルハニチロの月花、ツルヤオリジナル気仙沼のミヤカン、銚子の信田缶詰のものなど。
鯖白菜のオリジナルレシピ。カレー味にするのがポイント。白菜は霜が降りた後の甘みがあるものを。ご飯がすすみます。
鯖と発酵タケノコのタイカレーのオリジナルレシピ。エスニックカレーの極み。めちゃくちゃ臭いけど超絶美味。発酵タケノコは、臭豆腐と共にハマると抜け出せない旨さです。

『野沢菜ジャコ炒飯』。野沢菜漬けは、少し前の記事で書いた野沢温泉の麻釜の隣りにあるじぶたれた(褒め言葉です)土産物屋で買った野沢菜本漬けの古漬け。乳酸菌が発酵してもうすんき漬けみたいになっています。こんな野沢菜漬けは初めて食べました。我が家でも毎年漬けていましたが、春先には食べきってしまいますから。できあがった炒飯は激旨で、あっという間になくなりました。保存はパックに漬け汁ごと入れて冷蔵庫で。次は鮭炒飯にします。あんかけの福建炒飯も美味です。
野沢菜ジャコ炒飯のオリジナルレシピ。今回のものとは若干違いますが美味です。
野沢菜福建炒飯のオリジナルレシピ。最後に海苔をちぎって溶かし入れるとより福建炒飯ぽくなります。20年以上通い続けた横浜中華街の味。

『アンチョビ入ポテトサラダ』。新じゃがが出ると作りたくなります。市販のポテトサラダとは全く異なります。アンチョビーを入れることで大人の味に。お酒のつまみにもなります。オープンサンドや流行りのホットサンドもオススメ。
 材料は、新じゃが(毒のある芽がないので皮ごと蒸して使う)・人参(じゃがいもと一緒に蒸す)・胡瓜・トウモロコシ・ハム(信州ハムの無塩せき)・アンチョビ(火入れして臭みを抜く)・新玉葱・レーズン・マヨネーズ・ヨーグルト・バジル・ニンニク・レモン汁・ライム汁・岩塩・黒胡椒。分量は適当です。いただくときに舌がピリッとする本物のエキストラ・ヴァージンのオリーブオイルをかけます。そのままでもサンドウィッチでも。信州ですからリンゴを入れてもいいし、アボガド入れると濃厚に。祖母は私が小さい時は、ミカンの缶詰を入れてくれました。
新ジャガとアンチョビーのサラダのオリジナルレシピ。ブラジルの叔母から伝授されたもの。小芋で作ります。砂糖は体に悪いので黒糖か蜂蜜に換えてください。簡単で美味。
タラじゃが(鱈とじゃがいものサフラン煮込み)のオリジナルレシピ。元はポルトガルのブラジル料理です。ご飯にもパンにも合います。分厚い塩漬けのタラが日本ではなかなか手に入らないので工夫しました。

 『若竹煮』。関東以西では真竹か孟宗竹が一般的ですが、信州では根曲がり竹と淡竹です。淡竹はえぐ味が少ないので色々な料理に向いています。ひき肉や海老のすり身を挟んでフライにしても美味。今回は旬の生ワカメと共に若竹煮にしました。茹でた淡竹を鰹出汁、いりこ出汁、海老粉で酒、本味醂で煮立て、旬の生ワカメを入れてさっと煮ます。醤油は丸大豆醤油と牡蠣醤油。ワカメの歯ごたえを残すために最後に入れてすぐに火を止めます。そのままおくとワカメの出汁が出ます。おかずにも酒の肴にもなります。山椒の若葉がもうないので、実を煮付けたものを添えました。

 今年の梅雨は梅雨の中休みとか少なくて本当に自然写真家泣かせです。今日は朝から晴れたので、いるだろうと森の宝石オオミドリシジミの撮影にでかけました。いました。でも発生数は少なめ。湿度も高くなかなか地上近辺に下りてきません。は〜っとため息。水曜日がラストチャンスか。自然相手はこんなものです。オオミドリシジミの気分も計り知れないものがあります。幸運を我に! 粘菌は撮影できました。

そんな私のオリジナルレシピ集『MORI MORI RECEPE』信州の新郷土料理に、世界の郷土料理やアウトドア料理を、時に大胆に時に繊細に「男の料理」にアレンジ。ここでしか見られない中華料理やエスニック、アマゾン料理なども。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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夏日の中、稲の筋蒔き(条播き)作業に勤しむ週末(妻女山里山通信)

2021-05-09 | 男の料理・グルメ
 週末は、妻女山里山デザイン・プロジェクトの面々で山仕事ではなく、稲の筋蒔き(条播き)作業に勤しみました。最高気温の予報が27度ということで、なんとか午前中に終えてしまいたいと頑張りました。

(左)まず、薬を入れて培養土を作ります。よく混ぜてポットに入れます。全部で124枚作りました。(右)籾を入れて覆土を被せる機械です。6年目なので、皆かなり手慣れてきました。

 田んぼに持っていって、まず根切シートを敷きます。日差しが強いので日焼け止めをたっぷりと塗ってきました。日除け付きの帽子も。里山の緑もすっかりと濃くなりました。

(左)ポットの種籾を置いて行きます。今年も寸法を間違えて、4枚ほどはみ出して置くことに。やれやれ。板を踏んで凸凹を修正します。(右)保湿、遮光のシートを被せます。

(左)アーチを作ります。(右)寒冷紗を被せます。

 寒冷紗を洗濯バサミで止めていきます。

 最後に水を入れて完成です。昨年は、午後一時ぐらいまでかかったのですが、今年は午前中で終了。皆で国道18号沿いの埴生の台湾料理屋「長城」へ昼食を食べに行きました。コスパが良くて美味しい人気の店です。午後は、陣場平へ行くつもりでしたが、黄砂が舞い初め周囲の里山が黄色く霞んで来たので諦めて、温泉に入って帰宅しました。

 翌日は、天気予報は外れました。午前中はどんよりとした厚い雲が覆い、時折小雨も。しかし、西を見ると北アルプス方面は青空。そんなで昼には晴れましたが、午後はまた曇り空。妻女山の駐車場へ行くと、N氏が作ってくれた登山ノートの箱の杭が腐って倒れていました。オーマイガー!です。
 そこへミニパトが。110番の電話しましたか?と。いいえ。何かあったんですか?と問うと、林道倉科坂線を1キロほど行ったところで、親子の熊がいたという通報があったんですと。妻女山山系に熊が鏡台山から来るのは、3月上旬とクリスマス頃、そして淡竹の筍が出る6月なんですがと。ここのところの急激な気温上昇で、母熊が、「こんなに暑いならもう筍が出ているかもしれないわ、行きましょう」と来たのでしょうか。今年は、淡竹の筍も早いようです。私は何度も熊と遭遇したりニアミスしています。追い払ったことも。特にこの鏡台山山系から妻女山山系の熊の行動はほぼ分かっているので、必要以上に心配はしませんが。写真は松代方面の眺め。左の奇妙山の上に飛んでいるのは、クマバチです。

 展望台裏の四阿から望む茶臼山。右奥に虫倉山。両山とも拙書に載せています。手前の畑では、長芋の種芋の植え付けが行われています。買い物の後で、昼は陣場平に登ってログハウスで昼食。するとすぐ後ろの山の斜面で子熊の甲高い鳴き声が。母熊を呼んでいるのでしょう。子連れの熊は特に危険です。大きな音を立ててこちらに来ないようにして、昼餉を楽しみました。子熊は鳴き止みません。母熊はどこに行ったのでしょう。急斜面の下にある蟹沢(がんざわ)の泉に水を飲みに行ったのかも知れません。結構時間が経ちました。すると、声は聞こえなくなりました。母熊が戻って尾根を超えて去ったのでしょう。6月中旬ぐらいまで、親子連れの熊との遭遇には注意が必要です。拙書でも熊と遭遇したエッセイ「猫にマタタビ、月の輪熊に石油」を載せています。さて、私もと山を下りて温泉へと向かいました。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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