モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

鴨葱ならぬ、犬雁足って?(妻女山里山通信)

2010-03-03 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 犬雁足は、イヌガンソクと読みます。北海道から九州に分布する夏緑性のイワデンダ科コウヤワラビ属のシダ植物です。林道の路傍に生えていました。ドライフラワーのようになっていますが、これは胞子葉で花材としてもよく使われるので生け花をやった人なら、一度ぐらいは使ったことがあるのではないでしょうか。

 夏に見る葉は大きく80センチほどにもなり目立ちます。雁足は、食用のコゴミ(屈み)のことでクサソテツ(草蘇鉄)といいます。葉柄基部が雁の足に似ているということから雁足。その雁足に似ていて、食用にならず役に立たないことから犬がついて犬雁足。雁の足に似ているかは微妙ですが。

 役に立たないものに犬なんとかとつけるのは、よくあることで、犬蕨、犬山椒、犬升麻など、いずれも似ているけれど食用や薬用にならない役立たずということです。「My life as a dog(犬のような僕の人生)」という映画がありましたが、あの犬は一応人の役にはたちましたけれど……。犬は、否だという説もあります。

 シダは羊歯、あるいは歯朶と書きます。雁足と同様、羊の歯といわれてもなんだかピンと来ませんが、面白いものに例えたものだと思います。日本では、ワラビ、コゴミ、ゼンマイ、スギナなど20種類以上のシダ植物を食用とするそうですが、西洋料理ではあまり聞かないですね。やはり湿度の高い日本や東南アジアの方がシダ類の種類も多く、古くから身近で食用としても発達したのでしょう。

 コゴミが大量に出る場所があって採りにいくのですが、ひと株全部を採らずにかならず何本か残してきます。そうしないと胞子が飛ばなくなって耐えてしまうからです。ワラビはアルカロイドを含み毒性があるので、灰汁抜きができない野生動物や家畜は食べません。こういうものを美味しく食べられるようにするのが人間の知恵なのでしょう。ワラビや栃の実を最初に食べた人は、食べられるようにするまで、何度も失敗して酷い目に遭ったのでしょうね。ゼンマイも大変手間がかかります。いずれも縄文時代から食べられているそうです。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。山藤は樹木で。他にはキノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。動物には、猫やもぐら、ニホンカモシカの写真もあります。
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