モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

冬枯れの鏡台山へ北アパノラマ鑑賞に(埴科里山通信)

2010-12-07 | アウトドア・ネイチャーフォト
 メール便で納品のために出かけたついでに鏡台山に登りました。こんなことができるのも信州ならでは。メール便を送ったコンビニから登山口の笹平までは車で20分。そこから山頂までは、55分と書いてありますが、今回は冬枯れのため撮影するものも少なく34分でした。撮影なしなら30分だったでしょう。山頂は千曲市の里山トレッキングクラブの方々が整備してくれたお陰で奇麗に刈られ、北アルプスの大パノラマが広がっていました。時間があれば、この笹平から五里ヶ峯と鏡台山、両山の往復もおすすめです。

 熊はまだ冬眠(正確には冬ごもり、熊は完全には冬眠しません)していないはずなので、一応熊鈴はつけました。去年、このコースで目の前を月の輪熊が横切って行きましたから、念のため。山頂直下の尾根に乗ると、熊が歩いたと思われるやや広い獣道が横断しています。主にニホンカモシカが通る獣道は、狭くよく見ると柔らかな地面には蹄の跡がついています。道をたどると、窪んだところには糞場や休憩の寝床が見られます。所構わず掘り返してあれば猪です。石の上にこれ見よがしに糞がしてあればテン。テンの高糞といいます。

 明日から雨のためでしょうか、空気が少し湿っています。ほぼ真西の冠着山の右向こうには、生坂村の京ヶ倉が見えました。その向こうには常念岳から大天井岳の尾根の向こうに天を突く槍ヶ岳、爺ヶ岳、猫耳の鹿島槍ヶ岳、武田菱の五龍岳。ずっと右に白馬三山と北アルプスのスカイラインが連なっています。その右手には神話の山・虫倉山。手前に武田信玄布陣の伝説が残る茶臼山が見えます。冠着山手前の五里ヶ峯から山脈を右へ辿ると、有明山の右下に古代科野国の初代大王の墓といわれる森将軍塚古墳。五里ヶ峯の右下の尾根には、山本勘助が造らせたという軍道「勘助道」があるのですが、その踏破のルポは、こちらで。坂城側の南面は、もやっていて蓼科山や八ヶ岳連峰は見えたものの、富士山は見えませんでした。富士山は、空気の澄んでいる冬に見えるとは限りません。むしろ夏の黒富士の方が、空とのコントラストがついて見え易い時もあります。頂上の看板に見えると書いてあっても、なかなか見えません。検索しても写真が出ない所を見ると、実際に見た人は少ないのではないでしょうか。こんな風に見えますルポはこちら

 頂上にはズミの木が何本かありますが、今年は実のつきかたが悪い様です。それでも小リンゴと呼ばれる朱色の鮮やかな実が青空に映えていました。逆行を浴びて銀色に光る綿毛は、センニンソウでしょうか。ボタンヅルだと茎が木質化しているのでもっと太くなります。頂上にあったハンゴンソウ、ヨツバヒヨドリ、ノアザミなどは、奇麗に刈り取られていましたが、春には変わらず一斉に芽吹くことでしょう。タチツボスミレの葉が枯葉色ばかりの山頂で、鮮やかな緑を誇っていました。 帰路はゆっくりと下りながら冬芽をいくつか撮影しました。タラノキ、リョウブ、ヌルデ、ヤマウルシなどなど。木々はすでに来春の準備を始めています。空間に浮かぶ毛むくじゃらの豆は葛。黄緑の大きな葉は、ヤマガシュウ。登山口には、ノコンギクの綿毛とシロヨメナの綿毛が。日陰の苔には、昨夜の小雪が残っていました。

にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ ネイチャーフォトへ にほんブログ村 アウトドアブログへ にほんブログ村 アウトドアブログ ハイキングへ にほんブログ村 歴史ブログへ にほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ ブログランキング・にほんブログ村へ

★その他の信州のトレッキングルポは、フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】をご覧ください。最新作の虫倉山では、北アルプスの大パノラマを掲載しています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする