モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

再び安藤広重の浮世絵の鏡台山でキノコ狩り。その後川中島の戦いの妻女山山系へ。クリタケ城発見と天然舞茸(妻女山里山通信)

2018-10-20 | アウトドア・ネイチャーフォト
 先週末に続き再び鏡台山へ。途中4台ぐらいキノコ狩りの車を見ました。某所に駐車して山の中へ。900m以上は霧の中です。昨日一昨日と午後には激しい雷雨に見舞われました。森は湿っています。キノコはどうかな。そして次は妻女山山系へ。

 午前11時前の森。標高は1000m位。霧が立ち込めています。キノコはあるでしょうか。熊の生息域の真っ只中なので熊鈴をつけて歩きます。紅葉も始まって秋の雰囲気の森です。閑寂としています。こういう森に一人でいるとふと瞑想の境地に入ることもあります。自然と自分の境界がなくなる瞬間があるのです、自分もこの森の一員だと。それは至福の瞬間です。

(左・中・右)これら全部が栗田家、いや栗茸(クリタケ)です。これだけ個体変異があると、なかなか初心者には見分けられないでしょうね。死亡例も有る猛毒のニガクリタケとの見分け方は、とにかく噛んでみること。ニガクリタケは嫌な苦味があります。クリタケはほぼ無味です。

 思ったほど採れなかったので、我がメインフィールドの妻女山山系へ。上杉謙信の陣城跡の陣場平へ。猛毒ですが薬草でもある貝母の群生地があり、我々妻女山里山デザイン・プロジェクトの面々が保護活動をしています。マスコミやSNSのおかげで4月中旬以降の満開時には数百人の人が訪れるようになりました。ただここにはキノコはありませんでした。

 そこから獣道を一時間弱歩いて藪山へ。クリタケ城を発見しました。これも上の三つとは見かけが違いますね。クリタケも同定が難しい種かもしれません。ここは数年前から出続けている場所です。立ち枯れのコナラが栄養を供給できるかぎり毎年出続けます。消費され、木材腐朽菌が出るようになったら終わりです。

(左)羽根つきの羽根のようなクサギ(臭木)の実。花は白粉(おしろい)の匂いがします。(中)コナラの倒木にムキタケ。皮が剥けるのでの命名。美味ですがあまり道の駅とか市販はされていません。毒のツキヨタケとの見分けが重要ですが、ツキヨタケは標高1000m以上なので、この山では心配ありません。煮込みうどんや鍋に入れると最高に美味です。(右)猛毒のニガクリタケの中にムキタケ。キノコの同定は現地でが基本です。できない場合は写真撮影をして現物を持参して保健所に同定を依頼してください。ただ、食べられるキノコと美味しいキノコは別です。私は初めての食菌は食べてみますが、美味しくないキノコは二度と採りません。調理法で旨さが引き出せないキノコもあります。

(左)立ち枯れの山桜にツガサルノコシカケ。抗癌作用があるとか。採取には金槌とノミが必要です。(中・右)コナラの根本になんとマイタケ(舞茸)。そう大きなものではありませんが、こんなところにあるとは思いませんでした。藪の中なので見過ごすところでした。70年ここでキノコ狩りをしてきた亡父も、見せた時は70年キノコ狩りをしてきたが、見たことはないと本当に驚いていました。実は突然舞茸が出るようになった原因には思い当たる節があるのです。昨年は降雨が少なく採れませんでしたが、その前は3年続けて採取しています。全て場所が違うコナラです。大きなものは4キロありました。一度出ると、同じ木からは3,4年は出ません。

 獣道をたどって友人のログハウスへ。千曲川の向こうに、晴れていれば北アルプスの鹿島槍ヶ岳の仁科三山が見えます。手前の黄色い花はセイタカアワダチソウ。嫌われ者の帰化植物ですが、実はデトックス効果がもの凄い薬草です。花は天ぷらで食用に、オリーブ油に漬けるとデトックスオイルに。ただ成分が非常に強力なのでしっかり勉強してから利用を。多くの人々は添加物や放射能汚染された食材を知らずに食べています。お金で命を買えない時代になっています。お金持ちだろうが貧者だろうが、情報弱者は生き抜けない時代です。誰が政権をとっても変わらないは錯覚です。スマホを見ていても真実は分かりません。情報弱者が日本を滅亡に導くのです。まさかと思っているあなたは権力者の思う壺。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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