モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

初詣は国宝の仁科神明宮へ。安曇野大王わさび農場。初積雪。Queen『ボヘミアン・ラプソディー』(妻女山里山通信)

2019-01-04 | 歴史・地理・雑学
 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
 大晦日から三賀日は、長男のところに集まるのが恒例となっています。大雪もなく穏やかな正月でしたが、こんな暖冬のときは早春の上雪の大豪雪が必ずあるので心配しています。雪が少なければ田植えにも影響しますが、自然はどこかで帳尻を合わせてくるのです。2014年の大豪雪の再来がないといいのですが。心配です。

 元旦の朝はピーカン。安曇野のシンボルともいえる常念岳の心が洗われるような朝焼けです。右は横通岳。

 我が家は昔から元旦の朝(ブランチ)は、おしぼりうどんなのです。信州でも旧埴科郡更級郡でしか食べられていない伝統料理。(左)最近、長男が諏訪の骨董屋で見つけた田中式の年代物の製麺機でうどんを打ちます。(中)うどんは友人が育てた幻の小麦・いがちくオレゴンで、前日私が打ってねかせて持参したものです。(右)辛味地大根をおろして絞った汁に自家製の味噌と長葱、花鰹をといていただきます。辛いだけでなく、甘味や旨味があります。息子たちも離乳食の頃から信州のばあちゃんが打ったこのおしぼりうどんを食べて育ったので大好きです。この旨さを「あまもっくら」といいます。千曲市や坂城町、長野市南部では供する店があります。うどん好きの方は、ぜひ一度召し上がってください。今回は、粉で600グラムを打ってきました。三人で食べてもお腹いっぱいの量です。

(左)初詣は国宝の仁科神明宮へ。参道の大杉が倒れそうで支えていますが心もとない。(中)手水舎ですが凍っています。冷たいこと。(右)伊勢系なので鳥居もシンプル。反りもなく、下の横木も突き抜けていません。しかし、他の伊勢系神社では例外も見られます。

(左)社務所の売店では、おみくじや破魔矢などを買い求める善男善女が大勢いました。私は前回も買い求めた自然石のおみくじを。今回は翡翠でした。黒曜石と共に諏訪大社のシンボルともいえる宝石です。(中)神門で参拝。(右)後背の中門・釣屋・本殿が国宝です。

 左から国宝の中門・釣屋・本殿。古くは伊勢神宮のように20年毎に遷宮していたらしいのですが、江戸時代にお金がなくなりそのままに。それが時を経て古くなり価値が出て国宝に。なにが幸いするかわかりません。
日本最古の神明造りの国宝・仁科神明宮と、七色大カエデとカミツレの咲く大峰高原(妻女山里山通信)

 参拝後は、神社後背の大峰高原へ。途中の展望台から観る根子岳(左)と百名山の四阿山(右)。右手前の三角は冠着山(姨捨山)。左は聖山。いずれも拙書に載せている歴史あるいい山です。

(左)向かいにはゴールデンウィークに咲くヒカゲツツジで有名な京ヶ倉と大城。もちろん拙書でも歴史やコースの紹介をしていますが、初心者や子供、高齢者が登れる山ではありません。転落死亡例もある厳しい里山です。(中)有明山。後背の北アルプスは雪雲に覆われています。(右)大峰高原の七色大カエデ。カミツレ(カモミール)の大きな畑や温泉もあります。

 山を下りて途中の大王わさび農場に寄りました。黒澤明監督の『夢』のロケ地で有名です。万水川・蓼川の合流地点。水車は凍りついていました。熱々の山葵コロッケが美味でした。土産に山葵鶏ハムを買いました。家族で来たのは、もう20年ぐらい前ですね。息子たちが緑色のお揃いのチェックのシャツと緑色の半ズボンを着ていて、売店のおばさんに「山葵色だね」と言われた思い出。

(左)安曇野インター近くのモンベルへ。アウトレットでパンツを探したのですが、いい色とサイズがなく断念。次男は煉瓦色のお洒落なパンツを、長男は手袋を購入。(中)夕食はチーズフォンデュ。カフェモモの全粒粉パンにアンガスビーフ、赤海老、シルクスウィート(薩摩芋)、ひょうたんカボチャ、人参。美味しくて食べすぎました。(右)ウィーンフィルのニューイヤーコンサートを観ながら過ごすのが我が家の恒例です。ラデツキー行進曲が始まる頃にはかなりいい酔い心地になっているのが例年ですが、今年は疲れて眠ってしまいました。

(左)二日朝は3センチくらいの積雪がありました。(中)箱根駅伝を観てから湯多里(ゆったり)山の神温泉へ。ナトリウム炭酸泉のぬるぬるしたいい温泉です。美肌の湯。拙書でもすべての山に登山後に入れる立ち寄り湯を紹介しています。信州は温泉天国なのです。(右)夕食は、インドネシア料理のミーゴレンと牡蠣のナンプラーのバターソテーに本場タイ産の激辛トムヤムクンスープ。正月からエスニックと、よく分からないメニューですが美味。私が持参したものです。

 三日朝。息子たちと別れて403号の道の駅さかきたから観る聖山。そして、このあとは戸倉上山田温泉で温まってから上田のTOHOシネマズへ。『ボヘミアン・ラプソディー』を観に行きました。この曲がヒットしていた当時、学生だった私は春休みに5週間ほどフラットを借りてロンドンに住んでいました。映画の冒頭でフレディーがBIBAへ行くシーンが流れたときは鳥肌が立ちました。私がロンドンコートとウェスタンブーツと銀細工のリングを買ったところです。同じ頃に同じ空気を吸っていたんだなと。フレディの彼女がBIBAの店員だったというのも今回初めて知りました。
 そして、ライブ・エイドのシーンでは思わず落涙しそうになりました。観客には若者もいましたが、多くは私と同じ当時若者だった人達でした。親子で来ていた人達もたくさんいました。私の息子たちも観ています。トランプが壁を造ることに拘泥したり、パリもロンドンも移民や難民の流入で街も汚くなり、治安も悪くなっています。本当は来たくもない人々を生み出しているのは、貧困や内戦などですが、それらを生み出しているのは欧米列強の国々です。たった1%の大富豪たちが、世界の富の80%以上を得ているまさに狂気の現代。そういう輩がテロや戦争を起こすのです。自分の富を守るために。
 ボヘミアン・ラプソディーはマイノリティを歌ったものです。誰しも人生の中でマイノリティになることはあります。でも、どんな人もチャンピオンなんです。
77年の3月、羽田空港からロンドンへ、空中分解しそうなアエロフロートで飛んだ」村上春樹さんのジャズ喫茶、ピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクルまたはスラップスティック『国分寺・国立70sグラフィティ』

Queen - Live at LIVE AID 1985/07/13 [Best Version]


Love of my life & Bohemian Rhapsody - 1080 HD

 さすがにオペラパートはライブではできなかったんですね。でも上手くつなげてあります。素晴らしい。

『ボヘミアン・ラプソディ』がゴールデングローブ賞最優秀作品賞に輝きました。最優秀主演男優賞も。
 30歳まで私は文学青年で映画青年で夢想家でした。概念芸術家も目指していました。29歳から30歳にかけてクリエイターとしての引き出しを作るためにカルチャーショックを受ける放浪の旅に出ました、南米に200日の命をかけた旅から帰還して私はリアリストになりました。分かっていないことの中にしかロマンはない。ロマンは分かっていないことである。それを追い続ける人を支持します。役に立つこと、儲かることだけでは人類に未来はないのです。1本のブナの巨樹には、4000種類の生物が共生しています。それは宇宙なのです。

クイーンのギタリスト、ブライアン・メイが辺野古埋め立て中止請願への署名を呼びかけ 署名しました。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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