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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

約2ヶ月ぶりに妻女山の陣場平(上杉謙信陣城跡)へ。甘い香りの仙人草を求めて(妻女山里山通信)

2019-09-07 | アウトドア・ネイチャーフォト
 この夏の多雨で里山はグズグズ。林道や登山道は酷い泥濘状態でとても登る気にはなれませんでした。加えて仕事が忙しく過労気味。ようやく晴れが続いたので山仕事の道具を積んで陣馬平へ、ミンミンゼミが煩いほど鳴いています。車を降りるとコバエの攻撃。歩けば引っ付き虫だらけ。夏でも秋でもなく、9月の里山は一年で最も魅力のない季節かもしれません。しかし、わざわざ来たのにはわけがあります。

 妻女山松代招魂社。左に慰霊碑ができました。オオムラサキは姿を消しました。

(左)戊辰戦争から第二次世界大戦までの戦没者の慰霊碑。(右)車で陣場平へ。落枝はありましたが倒木はなく安心しました。枯れた山桜を伐倒した跡がありました、どなたでしょうか。ありがとうございます。陣場平は草が生い茂っています。目立った昆虫は見られません。

(左)ミズヒキ(水引)。タデ科イヌタデ属。初秋を彩る野草です。(右)つゆくさ(露草)。藍花(あいばな)、 月草(つきくさ)、 蛍草(ほたるぐさ)、大帽子花(おおぼうしばな)など。
「つき草のうつろいやすく思へかも我(あ)が思(も)ふ人の言(こと)も告げ来(こ)ぬ」(万葉集巻4 583)
 月草之 徒安久 念可母 我念人之 事毛告不来
「つき草に衣(ころも)ぞ染(し)むる君がためしみ色(或 まだらの)ごろもすらむと思(も)ひて」(万葉集巻7 1255)
 月草尓 衣曽染流 君之為 綵色衣 将摺跡念而

 ジョロウグモ(女郎蜘蛛)。夏から秋に見られる普通の蜘蛛。これはメスでオスはすごく小さい。

 堂平大塚古墳へ。友人だった亡きKさんの慰霊碑に久しぶりにお参りしました。閑さや岩にしみ入る蝉の声。

 千曲川越しに望む鹿島槍ヶ岳。9月は残雪が最も少なくなる季節です。黒富士も9月。

 陣場平下のギャップへ。このセンニンソウが目当てで登ってきました。ブライダルブーケの様に咲き乱れるこの花は、野草の中ではトップクラスのいい香りがします。

 美しい花ですが、キンポウゲ科センニンソウ属のかなり強い毒草です。

仙人草の毒と薬用成分

(左)センニンソウにシロテンハナムグリ。(右)キツリフネ(黄釣船)。ツリフネソウは咲き終わっています。

 妻女山展望台に戻って北に飯縄山。AC長野パルセイロのホームスタジアム。手前は名産の長芋畑。

 東は松代方面。左に拙書でも紹介の奇妙山。右奥にこれも拙書に掲載の根子岳と百名山の四阿山。

 西には手前に茶臼山と右後ろに虫倉山。左奥に白馬三山。

 温泉に行く途中に土口水門からの千曲川と仁科三山。左から爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、山頂だけ見える五竜岳。青い千曲川の流れが美しい。温泉に入って帰ってビールを飲んで昼寝。本当に久しぶりの休息です。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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