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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妙高の杉ノ原ゴンドラで天空の赤倉山南麓湿原へ。シナノキの巨樹二本と出会い、富士山も見える大パノラマを堪能(妻女山里山通信)

2020-11-09 | アウトドア・ネイチャーフォト
 さて三日目はどこへ行こうかと思案中にマリンドリーム能生で妙高の杉ノ原スキー場のゴンドラのパンフレットを見つけました。ここにしようと決めましたが、週末で混雑必至なので、始まる9時に着こうと早朝6時に出発しました。

(左)上越市の中心街に入る手前で朝日が昇りました。まだ波は荒い。(右)道の駅あらいに寄って9時少し前に杉ノ原に到着。数台の車が既にいました。9時からと書いてあったのですが、ゴンドラには既に人が乗っています。

 正面には赤倉山が荒々しい岩肌を見せています。ゴンドラの料金は2000円ですが、各種クーポンが使えます。全長3070m。所要時間は約15分で、標高1500mの天空の湿原に着きます。

(左)ゴンドラを降りると目の前に湿原の入口が。昨夜の薄雪が見られます。(右)ロングコースで2キロ、約30分。高低差もほとんどなく優しい遊歩道です。ただ泥濘状態のところもあるので、トレッキングシューズで。

 妙高山の外輪山の赤倉山。荒々しく美しい山です。

 見事なブナの原生林。ブナの実は熊の大好物です。熊棚を探しましたが、見られませんでした。

 シナノキ(科の木、級の木、榀の木)の巨樹。長野県の古名である信濃は、古くは科野と記したのですが、シナノキを多く産出したからという説があります。「シナ」は、アイヌ語の結ぶ・縛るの意。アイヌは、この木を「ニペシニ」と呼んだといいます。縛るものという意味があるそうです。樹皮の繊維を縄として使ったのでしょう。蜜源植物で、香りのよい花から蜂蜜が採れます。シナノキの皮は、古くから野良着などの布として日用品に利用されたそうで、縄文人も利用していたと思われます。

 その根本。樹齢はどれくらいなのでしょう。

(左)ユモトマユミ。種はほとんど落下しています。樹高は3m程ですが、栄村には、6mを超える珍しい巨樹があるそうです。(右)コケの胞子嚢。

 ユキの重さに耐えて生き続けるダケカンバの巨樹。

 入り口に戻って展望台へ。途中の落葉松の黄葉。この日はほぼ無風の穏やかな日でしたが、風が吹くと針状の落葉松の葉が、チリチリと音を立てて舞い降ります。

 展望台からの大パノラマ。ススキの向こうに左に野尻湖。向こうの雲は、千曲川が生んだ川霧です。一番右に富士山のシルエットが見えるのが分かるでしょうか。

 ゲレンデのシナノキを見に下る途中の長め。野尻湖と左に斑尾山。中腹に古海の集落が見えます。午後は、あそこを通って裏側の沼の原湿原へと向かいます。

 ゲレンデにあるシナノキの巨樹。樹形が非常に美しい。

 帰りはスキー場のメンテナンス道路を登ります。次々とやってくる観光客。介護者がいれば車椅子の方でも来ることができます。時々ゴンドラが止まりますが、車椅子の人や足が不自由な人を乗せるためです。戻ると駐車場はほぼ満車。観光バスも来ていました。

 下って野尻湖へ。弁天島の紅葉と遊覧船。観光客も大勢いました。

 野尻湖畔から望む妙高山。左に赤倉山。その左下の窪みが湿原です。

 昼食を食べて沼の原湿原へ。地元の方が遊歩道の整備をしていました。私も妻女山の整備を仲間としていますが、大変な作業です。遊歩道と紅葉。

 閑寂(かんじゃく)の湿原。寂寥感(せきりょうかん)が漂います。ブラジル人はこれをサウダージといいます。英語だと近いのは、I miss youでしょうか。ここに亡き妻がいたらなと。見せてあげたい。

(左)昼は初めておがわへ。苗名の滝と道の駅しなのの途中にあります。新蕎麦とイワナの塩焼きをいただきました。やや緑がかった新蕎麦はなにもつけずに食べると噛むほどに新蕎麦の甘さと香り、旨味が口中に広がります。イワナは炭火で非常によく焼かれていて、頭から中骨まで食べられます。左下の大根の漬物も市販品でなく非常に美味でした。女将と話しましたが、黒姫の霧下蕎麦には外れはないですねと言うと、でも汁が違うと。甘い汁もあると。確かに以前の信州の蕎麦屋では甘すぎる汁もありました。現在はかなり改善されていると思います。女将は東京出身で、語り口から下町の出かなと。汁は私好みの江戸前の仕立て。大満足です。シャインマスカットがなんと500円。息子さんが東御町で生産しているとかで破格の値段で提供とか。(右)道の駅しなのでの夜は、道の駅あらいで買い求めた1500円の握り寿司。18貫でこのキトキト寿司はリーズナブル。少食な私は、晩酌しながら食べきるのに2時間かかりました。しかし、コストパフォーマンスは最高です。さて、明日はどうしようかと熟考。飯山へ向かうことにしました。そして小布施から菅平へ。菅平ダムでびっくり。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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