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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

大きくなったね!ニホンカモシカ君(妻女山里山通信)

2010-04-23 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 桜吹雪の舞う妻女山のわが家の山にノカンゾウを五株ほど植えに行きました。穴を掘って植えているとなんだか視線を感じます。見上げると20mほど上にニホンカモシカが一頭、ジッとこちらを見ています。この辺りを縄張りにしている若い個体です。

 数年前、ここは母親の縄張りでいつも二頭一緒にいたのですが、昨年あたりから母親はここを子供に譲ってもう少し奥の尾根に移りました。二頭は今でも度々妻女山奥の見通しのよい落葉松林で落ち合っています。
 繁殖期には、さらに奥の山から大きな雄がやってきて、二頭で地響きを立てながら追いかけごっこをしていました。

 ニホンカモシカは、オスメスとも角があるのでなかなか個体識別が難しいのです。夏毛と冬毛では微妙に違うし、子供の頃だと親とは大きさが違うので単独で出会っても分かるのですが。こちらのページに、主なニホンカモシカの写真を集めてあるのですが、どれが同じ個体か分かるでしょうか。

 以前にも書きましたが、ニホンカモシカは牛科のためか好奇心が強く、限界距離の外であれば人間を見ても逃げません。手やタオルを振るとジッと見入ってしまいますし、木陰に隠れると覗き込んだりします。そのため、肉馬鹿とか踊り猪と呼ばれて容易く狩られたため絶滅しそうになったのです。

 何回も遭遇していると、動体視力はいいようですが、静止しているものを見つける力は低いように思います。こちらが動いていると数十メートル先でも見つけますが、こちらが風下にいて静止していると7、8m位まで気づかずに接近してくることがあります。

 限界距離は、経験上ですが緑が生い茂り餌が豊富な夏期よりも冬の方が長くなるような気がします。また、座って反芻している時は、かなり近くまで寄れます。人を襲うことはありませんが、それでも窮鼠猫を咬むの例え通り、無茶をすれば襲われることもあり得ます。

 ところで何度もニホンカモシカには遭遇しているのですが、鳴き声を聞いたことは一度しかありません。よくネットでは、「ピシュッ!」とか「フシュッ!」とか鳴くと書かれ、その声の動画もアップされていますが、これは鳴き声というより威嚇音です。限界距離を超えて近づいた時などに発します。その後すぐに逃げますが、「待って!」とか「ちょい待てよ!」と言うと立ち止まって振り返ります。やはり、どうにも好奇心が強いのでしょうか。

 その泣き声なんですが、子を呼ぶ親の声か、その逆かは分からないのですが、一度だけ聞いたことがあります。「メエーッ!」という山羊や綿羊の鳴き声をもっと濁声にした感じで、文字にするのは難しいのですが、「グェーッ!」とか「ギョェーッ!」とかいうような鳴き声でした。

「羚羊の 振り向き振り向き 振り返り」
「羚羊も 二日酔い哉 グエと鳴く」
ニホンカモシカに二日酔いはないでしょうが、苦い蕗の薹や貝母(バイモ)などに食痕があるのを見ると、お腹の具合が悪いときもあるのかもしれません。それにしても寒くて腰痛が癒えません。林風

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。

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