絶滅危惧種のナミルリモンハナバチを求めて8月2日に撮影した場所へ登ったのですがいません。ナミハンミョウもいませんでした。そこで数年前に初めて目撃した茶臼山自然植物園のある場所へ。やはりいません。そこで、ブルービーが吸蜜できる小さな花が咲く場所へ行ってみました。これが大当たり、たくさんの昆虫がいて最初は分かりませんでしたが、よく見るとブルービーが5、6匹いました。しかし撮影条件は最悪でした。
ナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)は、「幸せを呼ぶ青い蜂」といわれ、ブルービー(Blue Bee)の愛称を持つ。全国的に減少傾向で、県によって絶滅危惧Ⅰ類、絶滅危惧Ⅱ類、準絶滅危惧種に指定されています。長野県では準絶滅危惧種に指定されています。
ロシアンセージ(シソ科)で吸蜜するブルービー。ナミルリモンハナバチは、コシブトハナバチ類(スジボソフトハナバチ)やケブカハナバチ類の巣に寄生(労働寄生)し、幼虫は巣に貯えられた花粉などを横取りして育つという珍しい生態をしています。寄生のために卵の数が制限されることも数が増えない理由の様です。
マウンテンミント(ピクナンテヌム:シソ科)で吸蜜中。いずれも花が極小なためすぐに別の花へ飛び移ってしまうため撮影は大変です。おまけに北風が吹いて花が揺れます。さらに背中に激熱の直射日光が。カメラもすぐにヒートアップ。この夏最悪の撮影条件でした。
長い口吻で吸蜜。しかし花が極小なのですぐに蜜がなくなるのでしょう。滞在時間は1秒もありません。
風で木陰になったりして撮影条件がコロコロ変わります。他の昆虫に邪魔されたりして突然飛び立つことも。
風で揺れるのと花が小さいので安定しないのか、ほとんど羽ばたいていました。ミツバチの仲間なので1秒間に100〜250回ぐらいでしょう。縦横にある飛翔筋が交互に収縮と伸張を繰り返し、高速で羽ばたくのです。そのためブ〜ンという羽音がします。
昆虫が翅を動かして飛ぶ構造は主に二つあり、トンボの翅は4枚が複雑な動きをしてホバリングや少しなら横移動、後退もできます。筋肉が4枚の翅の基部につながっていて、それぞれを別々に動かせます。これを直接飛翔筋型昆虫といいます。蜂のように、筋肉が翅ではなく外骨格につながっていて、筋肉を交互に収縮させて、外骨格全体を変形させて飛ぶのを間接飛翔筋型昆虫といいます。外骨格の反動を使うので1秒間に1000回以上の羽ばたきができるのです。
長い口吻は、黒とべっ甲色の縞模様。
シャッタースピードを少し上げてもこんなものです。脚は花についてますが、実際はホバリングでバランスをとる状態。
あまりの暑さと疲労で展望台へ。最高気温は34.5度。山の上は29度ぐらいで風が吹くと気持ち良いのですが、なにせ直射日光がきつい。蝉はヒグラシとアブラゼミに加えてミンミンゼミも鳴き出しました。お母さんと低学年の少年と年長さんの女の子が昆虫採取に来ました。ブルービーの写真を見せて、ミヤマクワガタがいる近くの森を教えてあげました。吉田拓郎の「夏休み」が脳内を流れるひとときでした。万葉集から・・・。
「ひぐらしの 鳴きぬる時は をみなへし 咲きたる野辺を 行きつつ見べし」秦忌寸八千島:巻17-3951
(ひぐらしが切なく鳴く時は、女郎花の咲いている野辺を歩きながら、花を見るのがよいですね)越中富山で詠まれた歌。
「黙(もだ)もあらむ 時も鳴かなむ ひぐらしの 物思ふ時に 鳴きつつもとな」詠み人知らず:巻10-1964
(のんびりと気持ちがくつろいでいる時にでも鳴いてほしいひぐらしが、考え事をしている時にやたらと鳴いて落ち着かない)
展望台へ下る前に撮影したオオモンツチバチ。土の中のコガネムシ類の幼虫に卵を産み付ける寄生蜂です。 コガネムシの幼虫をにおいで探して土に潜り、幼虫を見つけると毒針で幼虫を麻痺させ産卵をします。別名はコガネバチで、『ファーブルの昆虫記』にも出てきます。
人を襲うことはほとんどありませんが、毒針を持っているので要注意。
今回ナミルリモンハナバチが吸蜜していた三種類の花。左からロシアンセージ、マウンテンミント、キャットミント。いずれもシソ科です。
ナミルリモンハナバチが吸蜜しない花たち。左からオイランソウ(花魁草・フロックス)。毒草です。ムクゲ(木槿・赤花笠)。ブッソウゲ(仏桑花・ハイビスカス・アメリカフヨウ)。いずれも花が大きすぎて吸蜜できません。
午後1時。さすがに限界なので下ります。恐竜公園の一番上辺り。長男が4歳の頃、これの口から顔を出したら、1歳の次男が兄ちゃんが食べられたとギャン泣きした思い出。
りんご畑の上から妻女山山系と奥に鏡台山。左奥には保基谷岳や菅平の大松山。とりあえず温泉へ向かいました。現在善光寺平では、川中島白桃の出荷が最盛期です。ブドウも出始めました。
●幸せを呼ぶ青い蜂・絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)2024(妻女山里山通信):8月2日の記事。
■ 「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。
■好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。
●インスタグラムはこちらをクリック。ツイッターはこちらをクリック。YouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。。
もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
ナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)は、「幸せを呼ぶ青い蜂」といわれ、ブルービー(Blue Bee)の愛称を持つ。全国的に減少傾向で、県によって絶滅危惧Ⅰ類、絶滅危惧Ⅱ類、準絶滅危惧種に指定されています。長野県では準絶滅危惧種に指定されています。
ロシアンセージ(シソ科)で吸蜜するブルービー。ナミルリモンハナバチは、コシブトハナバチ類(スジボソフトハナバチ)やケブカハナバチ類の巣に寄生(労働寄生)し、幼虫は巣に貯えられた花粉などを横取りして育つという珍しい生態をしています。寄生のために卵の数が制限されることも数が増えない理由の様です。
マウンテンミント(ピクナンテヌム:シソ科)で吸蜜中。いずれも花が極小なためすぐに別の花へ飛び移ってしまうため撮影は大変です。おまけに北風が吹いて花が揺れます。さらに背中に激熱の直射日光が。カメラもすぐにヒートアップ。この夏最悪の撮影条件でした。
長い口吻で吸蜜。しかし花が極小なのですぐに蜜がなくなるのでしょう。滞在時間は1秒もありません。
風で木陰になったりして撮影条件がコロコロ変わります。他の昆虫に邪魔されたりして突然飛び立つことも。
風で揺れるのと花が小さいので安定しないのか、ほとんど羽ばたいていました。ミツバチの仲間なので1秒間に100〜250回ぐらいでしょう。縦横にある飛翔筋が交互に収縮と伸張を繰り返し、高速で羽ばたくのです。そのためブ〜ンという羽音がします。
昆虫が翅を動かして飛ぶ構造は主に二つあり、トンボの翅は4枚が複雑な動きをしてホバリングや少しなら横移動、後退もできます。筋肉が4枚の翅の基部につながっていて、それぞれを別々に動かせます。これを直接飛翔筋型昆虫といいます。蜂のように、筋肉が翅ではなく外骨格につながっていて、筋肉を交互に収縮させて、外骨格全体を変形させて飛ぶのを間接飛翔筋型昆虫といいます。外骨格の反動を使うので1秒間に1000回以上の羽ばたきができるのです。
長い口吻は、黒とべっ甲色の縞模様。
シャッタースピードを少し上げてもこんなものです。脚は花についてますが、実際はホバリングでバランスをとる状態。
あまりの暑さと疲労で展望台へ。最高気温は34.5度。山の上は29度ぐらいで風が吹くと気持ち良いのですが、なにせ直射日光がきつい。蝉はヒグラシとアブラゼミに加えてミンミンゼミも鳴き出しました。お母さんと低学年の少年と年長さんの女の子が昆虫採取に来ました。ブルービーの写真を見せて、ミヤマクワガタがいる近くの森を教えてあげました。吉田拓郎の「夏休み」が脳内を流れるひとときでした。万葉集から・・・。
「ひぐらしの 鳴きぬる時は をみなへし 咲きたる野辺を 行きつつ見べし」秦忌寸八千島:巻17-3951
(ひぐらしが切なく鳴く時は、女郎花の咲いている野辺を歩きながら、花を見るのがよいですね)越中富山で詠まれた歌。
「黙(もだ)もあらむ 時も鳴かなむ ひぐらしの 物思ふ時に 鳴きつつもとな」詠み人知らず:巻10-1964
(のんびりと気持ちがくつろいでいる時にでも鳴いてほしいひぐらしが、考え事をしている時にやたらと鳴いて落ち着かない)
展望台へ下る前に撮影したオオモンツチバチ。土の中のコガネムシ類の幼虫に卵を産み付ける寄生蜂です。 コガネムシの幼虫をにおいで探して土に潜り、幼虫を見つけると毒針で幼虫を麻痺させ産卵をします。別名はコガネバチで、『ファーブルの昆虫記』にも出てきます。
人を襲うことはほとんどありませんが、毒針を持っているので要注意。
今回ナミルリモンハナバチが吸蜜していた三種類の花。左からロシアンセージ、マウンテンミント、キャットミント。いずれもシソ科です。
ナミルリモンハナバチが吸蜜しない花たち。左からオイランソウ(花魁草・フロックス)。毒草です。ムクゲ(木槿・赤花笠)。ブッソウゲ(仏桑花・ハイビスカス・アメリカフヨウ)。いずれも花が大きすぎて吸蜜できません。
午後1時。さすがに限界なので下ります。恐竜公園の一番上辺り。長男が4歳の頃、これの口から顔を出したら、1歳の次男が兄ちゃんが食べられたとギャン泣きした思い出。
りんご畑の上から妻女山山系と奥に鏡台山。左奥には保基谷岳や菅平の大松山。とりあえず温泉へ向かいました。現在善光寺平では、川中島白桃の出荷が最盛期です。ブドウも出始めました。
●幸せを呼ぶ青い蜂・絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)2024(妻女山里山通信):8月2日の記事。
■ 「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。
■好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。
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◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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