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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

氷河期の生き残りウスバシロチョウの舞う陣場平。気温32度の田んぼで稲の筋蒔き(妻女山里山通信)

2017-05-20 | アウトドア・ネイチャーフォト
 短い信州の春はアッという間に通り過ぎ、里山は新緑で覆われています。まず先週の妻女山陣場平から。

(左)陣場平の新緑。山椒の若葉を摘みに男性が来ました。私と同じく山椒味噌にするそうです。今しか食べられない季節限定の珍味です。ご飯のおかずに良し、焼きおにぎりに良し、塩焼きの鮎に添えたら料亭の味。(中)貝母(編笠百合)は結実し始めました。(右)糸巻き状の実。さく果で枯れると飛び散り風に乗って舞います。今年も種を採取して蒔く予定です。

(左)氷河期の生き残りといわれるウスバシロチョウがたくさん舞っています。オスがメスに交尾を迫っています。(中)メスが拒否したのかオスがこのメスはまだ成熟していないと判断したのか、すぐに飛び立ってしまいました。人の世界も蝶の世界も愛の成就は簡単ではないようです。(右)残されたメス。以前、「シェルのランプシェードの様な翅が美しいウスバシロチョウの交尾は女性上位 」という記事をアップしました。

 陣場平の貝母。黄色く枯れて倒れているものもあります。手前は山蕗。里蕗より味が濃厚です。皮をむかず一度茹でこぼすだけです。今回は干しホタルイカと煮付けました。絶品です。

(左)帰りに堂平大塚古墳へ。隣接するログハウスに、今は亡き大切な山仲間だったKさんの弟さんがいらしたので、色々な話をしながら昼餉にしました。ツツジが満開です。(中)Kさんが植えたレンゲツツジも満開。有毒ですから庭木で植えてはいけません。妻女山山系ではあちこちでヤマツツジが満開。この蜜は吸えます。(右)山藤も満開。ニセアカシヤ(ハリエンジュ)の黄色い花も満開です。両方とも花穂(かすい)を天ぷらにして食べられます。

 帰りに妻女山展望台へ。東方の松代方面の眺め。中央の山は奇妙山。拙書でも紹介しています。右奥には、やはり拙書で紹介の根子岳と四阿山。7月にひと月ほど長い休暇がとれるので、撮影に通うつもりです。また県の天然記念物のミヤマモンキチョウに出会えるでしょうか。
天然記念物のミヤマモンキチョウに会いに峰の原高原から根子岳へ(妻女山里山通信)

 北方の川中島と長野方面の眺め。右に飯縄山、左に戸隠連峰と戸隠富士と呼ばれる高妻山。この時間は昼食時なので誰もいませんでしたが、眼下の畑では長芋の種芋の植え付けが盛んに行われています。

(左)一週間後の週末は、友人のところで稲の筋蒔き。培養土に水を撒いて練ります。(中)パレットに培養土と種籾を入れる機械。(右)120枚ぐらいを持って水田へ。まず根切の寒冷紗を敷きます。

 住宅街の中にある小さな田んぼ。ユニチカのポリエステル長繊維不織布ラブシートを被せています。しかしラブシートってなんというネーミングなのでしょう。中央奥は拙書でも紹介の五里ヶ峰。カッコウの鳴き声が聞こえます。都会の人は高原の鳥と思っている人もいるでしょうが、信州では里山や集落の中にも来ます。朝から鳴かれると結構煩いです(笑)。カッコウ、カッコウと鳴いてるといいのですが、カッで突然止められると、どうしたどうした何があったと気になります(笑)。ここで昼食へ。K氏が作ったおにぎりに私が持参した自家製の山椒味噌を塗って。馬鹿旨です。山蕗と干しホタルイカの煮物も持参。K氏がムサシヤの辛口ジンギスカンとタマネギの炒め物を作りました。

(左)午後は寒冷紗のトンネルを作りました。風飛び防止に洗濯バサミで留めます。(中)最後に水を入れます。(右)水は千曲川の坂城大橋近くから分流する埴科用水の水をポンプで入れます。32度の中の過酷な作業。プロの農家は、こんな時間に農作業はしません。この時間はお昼寝タイムです。

 K氏が畝を高く作りすぎたため、水を入れるのに時間が掛かってしまいましたが、なんとかめでたく終了。6月下旬に田植えをする予定です。美味しい米ができるといいなあ。

 翌日は畑で鬼の様に成り始めたスナップエンドウを収穫してから妻女山奥の陣場平へ。山蕗を採りました。今回はコウナゴと煮付けます。その後、地元の人も知らない谷へモミジガサ採りに。少し遅かった様ですが、ひと束を採取。おひたしと天ぷらに。東北では山菜の王様と呼ばれる珍味。ウスバシロチョウの舞う山をそそくさと下りたら、下界はなんと最高気温が33.4度。脳みそが溶けそうです。買い物をして温泉に入って帰宅してまずビール。甘露です。少し昼寝して明日の準備。それにしても、この暑さには体がついていきません。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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