今日発表になった春の褒章受賞者に作家の浅田次郎さんと歌手の谷村新司さんのお二人である。
もう三十年以上前になるか、夏祭りの最中に本町の井下時計店に立ち寄り、奥さんと立ち話の時「面白い小説を読んで、浅田次郎と言う人のポッポや(鉄道員)だけれど良い小説ですよ、感激」と聞き雑誌の宣伝の中では名は見ていたが始めて気に留める切っ掛けとなった。早速買い込み読み感激以後読むこと読む事、霧笛荘夜話、壬生義士伝、メトロに乗って、三人の悪党、天国までの百マイル、蒼穹の昴等々だった、特に日輪の遺産では、我々昭和五年生まれの中等学校生より一学年下の、私立高等女学校の生徒の勤労動員中の特殊勤務の結果の話であった、よく調べた物だと感心、戦後生まれのくせに良く調べた物だ何といってもこの人の優しさが滲み出る作品に引かれた数年だった。
谷村新司さんはやはり五〇歳代後半だったが、作品に引かれ特に昴には特別の感慨で、お気に入りの持ち歌の一つとした、牛久保海平会頭と宴会に出ると何時も終い頃に「あれ歌わないかい」と昴の催促が在ったものだった、特に「目を閉じて何見えず、悲しくて目を開ければ荒野に向かう道よりほか見える物は無し」から以降の詩が好きだったようだ。
それぞれ今のオイドンから見ると二十歳以上若いお二人だが、今までの活躍等当然の叙勲と想うところ、今後の益々のご活躍を祈るのみである。
御目出度う
八十爺