小沢さんの公設第一秘書であり、小沢さんの資金管理団体「陸山会」の会計責任者の大久保さんの逮捕に関して、小沢さんは捜査への不満をのべ、一方では東京地検の、大久保さん起訴に関する記者会見を開きました。
[小沢さんと検察の主張]
それで両者の言い分を読売新聞の「納得いかぬ」と小沢代表、検察は事件の悪質性を強調 の記事から拾って見ました。 (発言以外の記述は読売の報道のまま引用しています。)
小沢さん:
・「私自身が犯罪を犯したような印象を与える状況の中で、悔しい思いと無念の思いを抱きながら、必死に耐えて頑張ってきた」
・「収支報告書の記載の仕方の問題が起訴の根拠とされている。献金をいただいた相手方をそのまま記載するのが、規正法の趣旨だ」
・「過去の例を見ても、この種の問題で逮捕、強制捜査、起訴という事例は記憶にない。私としては合点がいかない、納得がいかないというのが心境だ」
・「西松、西松と言われるが、西松だけから頂いているわけではなく、数で言えばはるかに個人からの方が多い」などと、西松建設から献金を受けていたことを知っていたかのような発言
・「大きなお金であることは隠していたわけではなく、全部公開している。後は有権者が判断すること」と潔白を強調
東京地検:
・「ダミーの政治団体を利用した巧妙な手法で、献金を隠した」と事件の悪質性を強調
した。
・「政治資金規正法は、政治腐敗を防止するため、政治とカネの問題を国民の不断の監視と批判のもとに置くことにした民主主義の根幹をなす法律だ」と同法の意義を強調。
・「政治資金の実態を偽ることは、国民の政治判断をゆがめることにほかならない」
・「ダミーの政治団体の名義を利用する巧妙な手法で、国会議員の政治団体が特定の建設業者から長年にわたって、多額の寄付を受けてきた事実を隠したものだ」
・西松建設の政治団体を大久保容疑者がダミーと認識していたとする根拠などについて、「今は言えない。我々の責任は、裁判できっちり説明すること」と明言を避けた。
・民主党が「政権交代を阻止するために小沢代表を狙い撃ちにした」と批判している点については、「我々が政治的意図を持って捜査をすることはあり得ない」と断言。
・自民党議員らについては「捜査するべきものがあれば捜査する」と答えるにとどめた。
[報道ではっきりしたこと]
この報道から判る事は、
・検察側は少なくとも大久保被告が西松建設の政治団体がダミーであることを認識している証拠を持っているらしいこと
・検察側は、少なくとも小沢さんの秘書が特定の建設業者から長年にわたって、多額の寄付を受けてきた事実を隠したものだと思っていること
・小沢さんは「収支報告書の記載の仕方の問題が起訴の根拠」としていると指摘しているが、検察は大久保さんが献金を受けた相手がダミーと知っていながら、「法に従ってその名前をそのまま記載」したことを問題にしていること
・検察は西松建設の不透明な資金の流れの追求の中で、少なくとも大久保さんだけが西松建設の政治団体がダミーであることを知っていたこの証拠や証言を得たことらしいこと
・他の政治家達の資金管理団体の政治家、責任者の話も証拠も今のところはっきりしたものを持っていないくて手を付けたくても、動けないこと
・従って小沢さんや民主党、反自民の人達が言う様に少なくとも今の時点と表面上では小沢さん自身を狙い撃ちにしたものではないこと(*注記)
・然し過去の似た様な事件から見て第一秘書の逮捕か小沢さんに取っては大打撃であること
・多くのマスコミが指摘するように、検察側が問題としている点に就いて、小沢さんが何も触れていないこと
[これからの動き]
・今まで秘書や事務処理の不祥事で多くの閣僚が辞任を余儀なくされましたが、今後は閣僚に同じような事件が起こっても、少なくも民主党はその追求が出来ないでしょう。
これで自民は大喜びでしょうが、日本にとっては由々しい一大事だと思います。
・ミスコミの推測によれば、小沢さんは辞任の時期を狙っているのではないかと言っています。
(そう言えば会見中の涙目は、首相の座を目の前にして辞任を決意をしなければならなかった悔しさの現れかも知れません。)
・これから先は私の勘繰りですが、小沢さんの辞任表明があるとすれば、その時期は国会解散の前後だろうと思います。
自民は報道によれば、人気が落ちた小沢さんの続投を望んでいるようです。
同じ不人気の麻生さんを担いでも同じハンデで戦えるからです。
然し国会解散直前に小沢さんが辞任すれば、自民党に取っては大打撃です。
しかも、その際の民主党の後任はほぼ岡田さんで決まりですからすんなり禅譲が出来ます。
政権交代論者の私は、真面目な岡田さんの就任は大歓迎ですが、小沢さんのショッキングな手法が国民に大受けするのは間違いないでしょう。
一方の自民党は、麻生さんで行くか、それとも後任を選ぶか、然も選挙直前で決断するにも時間が無い。
もし後任を選ぶにしても有力な候補者がいないので、また今までのような一騒動が起こり、それをマスコミが煽り立て、自民党の支持率がまた落ちた所で選挙に臨まねばなりません。
詰まり小沢さんは今のような不利な状況になっても政局の主導権も切り札も握っているのです。
転んでも唯では起きない、したたかな小沢戦略です。
自民党は小沢問題で大喜びですが、今は浮ついた小沢、民主党批判をする時期ではないと思います。
自民党は小沢さんが、そのまま居続けるか、突然に辞任するか、どう出ても慌てないように、今の内に挙党一致の体制を作るべきだと思います。
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*注記:26日付けの読売によると、二階氏側に西松建設が事務所提供、家賃分を献金…地検捜査の報道があり、その中で二階経産相の事務所は読売新聞に、「各政治団体の政治資金については法に従って収支報告書に適正に記載している」と小沢さんと同じようなコメントをしているそうです。