普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

日本人と日本社会の特徴

2010-01-01 15:47:24 | 日々雑感

 明けましておめでとうございます。
 本年も昨年同様に、ご後援とご指導をお願い致します。

 新年早々なので少し明るい話題を取り上げたいと思って、予て「Will」の立ち読みで見た日下公人さんの「世界が羨む日本の良い点15」に倣って表記のテーマを取り上げました。 (本屋さん何時も立ち読みで御免なさい)
 最初にネット上で見つけた日下さんの書いた「独走する日本」
の概要から日下さんの考え方を紹介します。
[江戸時代や明治時代から持っている日本人の特徴]
・礼儀正しい、相手のことを思いやる。
・争いごとにならないように折り合いをつける暮らし方を共有している
・工業的技術や数学が得意
・芸術は素晴らしい
・子供を大事に育てる
・武士はプライドが高い
・好奇心が強い

[今の日本人の特徴]
・狩猟民族はは略奪や攻撃することを悪いと思っていない。だから相手が防御に回るなら、やっつけてしまえばいい。
 農耕民族である日本人は辛抱強く待っていればそのうちいいことがあるさ、そのうちまたお天気の日があるさ、という生き方がもう自然と身についている。
・日本人の持つ世界思想は「神道+道教+仏教+儒教+景教+アカデミー教+科学+国連教」の全部足して、混合し、一番いいところだけを残したのが「最も普遍的な世界思想」だ。
・一神教は「我が神だけが尊い」という教えだから、他を絶滅させてしまうが、日本人は多神教だ。
 (後記)

[日本社会の特徴]
・日本社会では自我がない。正確に言えば、自我はないことはないが、出さないのである。もしもそこで各自が自我を主張したら、社会はまとまらない。そこで自分の意見や主張は、相手と私との中間に置く。中間に置いて話をする。だからYouとかMeはハッキリさせない。まずはWeで話す。
・日本社会には「許し」がある。過去は水に流す。ふたたび仲間に入れてもらって生きていけるようになる。(但し「みそぎ」というのがあって、悪いことをしてももう一回選挙で当選してくると、みそぎは済みましたで通る。)
・その根本には「無常感」というあきらめる精神である。この考えでいくと、人生はほどほどが良いことになるので、日本では原理主義は流行らない。
・「世間様」というのがある。「理屈はそうでも世間様が許さない」と言うが、そういう何物かがある。
・「お上」というのがある。このお上というのが不思議な存在で、世間様とお上が微妙なバランスで成り立っている。その上に許しとか、相手の心情を察する、というのがあるから、日本はうまくいっている。


[私の考え]
<日本社会の特徴>
 日下さんの考え方の線に添って書くと日本社会には次のような特徴があります。
・「お天道様」の考え:誰も見ていなくても「お天道様」が見ているから悪いことはできないとされていました。
・「勿体ない」と言う考え:その基本には多神教の考え方の万物には生命があるので、生活のため以外に無闇に殺生していいけないと言う、正に現在に通じる考えがあります。

<日本人の特徴>
 日下さんの指摘した以外に日本人は次のような特徴を持っていると思います。
・日本人ほど人を差別しない国民はいない
 私がイランに長期出張して居たとき改めて気づいたのですが、中東全体が日本びいきなことを知りました。
 その一つの例として、私の部下のイラン人が「日本以外の国の人は我々を豚のように使う」とよく話していました。
 外国人は机にふんぞり返って現地人をこき使うのに、日本人は現地人と混じって一緒に仕事をするし、食事や仕事以外でも人間として付き合ってくれるからだというのです。
 同じようなことはブラジルへ言った時も気づかされました。
 現地に着いて先ず驚いたのは、砂浜で日光浴をしている現地人の夫婦の回りに、白い肌に金髪、縮れ頭に黒い肌や褐色の肌の子が遊んでいることです。
 現地とのマネージャーは「米国が平等の元祖みたいな顔をしているが、白人と黒人の結婚の数が少ない、それに比べてブラジルほどみは--」と自慢していました。
 然し向上の職員用トイレには工員が入れないように、職員一人づつ鍵を持っているには驚きました。
 何よりも驚いたのは、日本人グループがパーティーを開いたとき、お向いの家庭にも招待状を出したのですが、先方からは女中を参加させただけで、私たちが内心期待していたミス・**の女性が現れ無かったのです。
後で知ったのですが、私たちが自分たちのアパートの女中やお抱えの運転手もパーティーに参加させたからだと判りました。
 詰まり日本では(多分上流階級を除いては)当たり前の習慣がブラジルでは通じ無かったからです。 (逆に人を差別する習慣のない日本企業が外国で思わぬ差別問題でトラブルを起こすこともあるようです。)
・日本人ほど親切で正直な国民は居ない
 シンガポールに居た時政府の御用新聞に良く、日本に旅行した人からの投書で、道に迷った時日本人から親切にして貰ったとか、財布を落としたのに警察に届けると直ぐにもどって驚いたと投書がよく乗っていました。 (これは政府が意識的に国民の教育のため掲載していると勘繰りたくなる程良く乗っていました。)
 この事実は私たちが日本に来る外国人から良く聞かされることです。
・多神教を信じる強み
 定年後約15年間外国人の技術者を世話をしていましたが、特に中東の人達から日本人はクリスマスを祝い、除夜の鐘をきき、それが済んで初詣するなど、宗教に対する節操がないと良く批判されたとき、日本は八百万の神がいるのだと説明してきました。
 然し信仰の対象の神は人間が作ったものなので、科学と同じでそれが絶対のものではない、他にも神がいるかも知れないと言うのが正しいかも知れないと考える日本人の考え方は、今のイスラム国家や部族とキリスト教国家、イスラム教宗派間のの対立の膠着化している時代での貴重な存在となると思います。

 ただ残念なのは、日本古来の美風がグローバル化の波に呑み込まれて、消え掛かっているものきがあるようです。
 日下さんが指摘したように、外国人やその社会の良い所は吸収し、悪い所は捨てて来た先人の智恵を学ぶべきだと思うのですが。

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