普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

谷垣さんと鳩山さんの初対決

2010-01-22 10:48:19 | 自民党

 昨日の国会で始めての谷垣さんと鳩山さんの対決がありました。
 私は前々から谷垣さんの国会質問に就いて書いて来ましたので、各社の報道の内、谷垣さんの質問の評価を中心に拾って見ました。

朝日新聞の「脇の甘さ」対「詰めの甘さ」? 初の党首対決は凡戦
・谷垣氏は論戦の中で再三「今日のところはそれぐらいにしておきましょう」を連発し、委員会室には失笑が漏れた。小沢一郎・民主党幹事長の土地取引問題についても、別の若手議員に譲るなど突っ込み不足が際立った。
・論戦を終えた谷垣氏は「鳩山さんの答弁は融通無碍。とらえどころがなかった」と記者団に語った。
産経新聞の党首直接対決 重い空気漂う 執拗な谷垣氏 耐え忍ぶ首相 

・谷垣氏は、首相や民主党の小沢一郎幹事長に絡んだ「政治とカネ」の問題に持ち時間の半分を使い、執拗に質問を続けた。ただ、首相が我慢の答弁に終始していた上に、谷垣氏の「人の良さ」が出た面もあり、激論に発展することはあまりなかった
・谷垣氏が首相の追及に躍起になったのには、24日に自民党大会があることも影響している。産経新聞・FNNの最新世論調査では、「党首力」で谷垣氏は首相に大きく水を開けられた。今回の直接対決で「党首力」をアピールして、党大会を乗り切りたい思いもあったようだ。
・「お人よし」と言われる谷垣氏は、弁護士らしく理詰めで言質を取っていく作戦をとった。それだけに、迫力に乏しい感は否めず、初対決を見ていた自民党議員は「尻切れトンボみたいになっちゃった」と偽装献金問題などへの追及がまだ甘かったと指摘したほか、公明党からは「もっと経済や景気の問題をやってほしかった」という苦言が出た。
 それに対して読売新聞は解説記事の中で
谷垣氏は首相の進退に関わる発言を引き出した直後話題を変えてしまった
・淡々と質問する谷垣氏に予算委に駆けつけた自民党議員から「なんだよその質問は」、「もっと突っ込め」と野次られた。
・もともと谷垣氏は首相との政策論争を望んでいたようだ。
・谷垣氏の今後も国会論争の先頭に立つ決意を示したのに対して、ある党幹部は「追及出来ない総裁に党首討論なんかやらせても無駄だ」と語った。
と書いています。

[私の感想]
 私もテレビで谷垣さんの質疑の一部始終を見ていました。
 谷垣さんが、一番内閣を窮地に追い込んだと私が思ったのは、天皇陛下と中国の習近平国家副主席の会見が特例で実現した問題です。
 彼の天皇陛下が如何に政治に関わらせられないためにどう考えるかの憲法解釈の質問で、平野官房長官の発言がブレまくり、最後には平野さんがはグーの音も出ないまでに追い込んだのに、最終的には「外国要人との会見など、天皇陛下の「公的行為」のあり方に関する政府の統一見解を出すよう求めた」だけに終わったのに首を捻りました。
 何故なら、政府の返答が混乱状況にある時こそ、小沢さんの天皇陛下は内閣の助言に従うべきと言わんばかりの発言、鳩山さんなどの日中友好(これは単なる親善だけでなく政治の問題でもあります)のため天皇陛下が特例で謁見されたことは有意義だとの問題発言に踏み込むとばかりに思ったからです。
 内閣としては、政府の統一見解を出すまでの間、統一見解と小沢・鳩山発言の整合性を考える余地を与えることになるからです。
 私は自民党に谷垣さんは堂々と鳩山政権に政策論争を挑むべきで、鳩山、小沢両氏の「政治と金」の問題など政策以外のことは喧嘩上手の人を当てるべきだと書き自民党にも投書しました。
 まさに心配性の私の考えた通りになっているようです。
 谷垣さんが民主党の党大会は大政翼賛会のようだと批判したのに、鳩山さんがここぞとばかりにその発言の批判をしていました。
 自民党総裁がこの程度の発言で済みましたが、仮にもっと重大な失言をしたら、民主党野党時代の菅さんの「談合3兄弟」や前原さんの「ガセネタ発言」のように代表の発言が党自身への大きな打撃になりかねません。
  こう言った喧嘩には相手に言質を取られずに、相手の弱点をぐさりと刺すような、そして相手がコテンパンになるまで執拗に攻撃できる喧嘩上手を選ぶべきでした。
 そして先の天皇陛下の謁見問題でもし一般の議員が質問するなら、「小沢さんの中国代訪問団と引き換えに、鳩山内閣が一カ月ルールを破らせたと言う噂がある」くらい言っても大きな問題にならなかったと思います。
 谷垣さんは元政権政党の総裁として、政策論争に集中して、自民党として本来は政策論議を中心にしたいのだという(少なくとも表向きの)姿勢を国民に見せるべきです。
 何故なら自民党は次期の参院選に勝利または善戦するためには、自民党への支持率を上げることを忘れてはならないからです。
 読売新聞社と早稲田大学が16~17日に共同実施した面接方式の全国世論調査 
民主に失望しているとの答えは59%(前回37%)、民主が参院でも単独過半数を獲得する方がよいと思う人は35%、「そうは思わない」が54%と言うのに、自民に「期待している」は42%(同45%)、「失望している」は74%(同76%)の数字の示している事実を自民党も谷垣さんも良く考えるべきだと思います。

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