普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

官僚の士気を低下させている政務三役

2010-01-09 11:07:43 | 鳩山内閣

 この数日読売新聞と朝日新聞で官僚に関する報道が流れました。
政治主導の人事加速、主要官僚の退任相次ぐ 

  鳩山内閣で最近、主要官僚の急な退任が相次いでいる。
  「脱・官僚依存」を掲げる政権の意向に沿う形だが、異例の人事に霞が関では戸惑いが広がっている。
 総務省の鈴木康雄次官は通常国会召集を控え、原口総務相に勇退を申し出た。15日に発令する見通しだ。鈴木氏は昨年7月に就任したばかりで、省庁の官僚トップの次官が1年足らずで交代するのは極めて異例だ。
 鳩山政権になって政策決定は閣僚、副大臣、政務官の「政務三役」が主導している。鈴木氏についても、「課長から結果を知らされるような状態に嫌気がさした」という声が出ている。
 仙谷行政刷新相は昨年、立花宏・国家公務員制度改革推進本部事務局長を退任させた。 仙谷氏は退任の理由を「前政権下の体制は、私どもが考える基本理念と同じかどうか分からない」と説明した。
 前原国土交通相も昨年本保芳明観光庁長官を退任させ、旧自治省出身でJリーグのサッカーチーム運営会社元社長の溝畑宏氏を新長官に充てる人事を発表した。
 霞が関では「最初は様子を見ていたが、そろそろ本格的に人事に手を突っ込み始めた」と警戒する向きがある。

郵政改革室長の異動案に亀井氏「反対」 総務相と不一致 
 退任が内定している鈴木康雄総務事務次官を内閣官房郵政改革推進室長に起用する案について、亀井静香郵政担当相は8日の記者会見で、「全然、考えていない」と反対する意向を表明した。
 原口氏が鈴木氏の異動先として検討する郵政改革推進室長には、国民新党側の主導で、昨年10月に総務省OBの清水英雄氏が着任したばかり。


「政治主導で官僚指示待ち」経産次官が懸念 

 平野官房長官と各府省次官の会合で、経済産業省の望月晴文次官が、鳩山政権の掲げる「政治主導」の政策決定が官僚の士気低下につながっていると懸念を表明していたことがわかった。
 望月次官は「旧政権では大臣から指示される前に自分たちなりに問題意識を持って取り組んだ。今でも同じようにやらないといけないが、政治主導が重くのしかかり、中堅・若手官僚が『指示待ち』になっている傾向がある」と指摘した。そのうえで、「国家公務員は国の資産だ。『指示待ち』が増えると不良資産になりかねない。そうならないように政治の力で食い止めてほしい」と要請した。

 私は昨年の6月の民主党の公務員制度改革についてで概略次のような私の考え方について書きました。 (カッコ内は現状です。)
・個室に閉じ込められないこと(自分で閉じ籠もってしまう)
・ラインの地位に坐ること、つまりその人の決済が無ければ仕事が進まないような地位に置くこと(ラインの地位に座ったのは良いが何もかも自分でやろうとして自分で忙しくしている。)
・官僚を頭から押さえ付けるのが良いか、政府と官庁の職員の一体感を持たせるが良いかで、もう一度考え直すこと(今の所前者の方向)
・政務三役は何時も現場(職員たちの職場や地方の現場)に出ること(忙しくて出る暇が無く職員たちから浮いた存在になりかけている)
・アフター5の飲み会など積極的に参加すること(長妻さんの話し以外な殆ど聞いたことがない。これで部下の官僚の本音が判るのだろうか。官僚がどう思おうと頭から押さえ付ければ良いと思ってはいないか?)
・コンピューターなど導入と言う事務処理上の大きな変化に関わらず手つかずの、官庁の事務の合理化を進めること、そのために現在の監査機関の他に、日本能率協会など生産性向上専門の査察機関も投入すること(多分考えもしていない?)
・職員たちと民主党員の間で一体感を持たせるには、同じ価値観をもたせること、その為に会計制度を民間なみの制度にして、職員に原価意識(特に一般企業で言う固定費)を持たせること。 (上から押さえ付ければなんでも出来ると思っている。)
・民間会社のように小集団活動や提案制度を取り入れて庁内の活性化をはかること(長妻さんの他は、政治主導の考えが強すぎて職員の自発的な意見も聞こうとしない)
・公務員制度の合理化を合理化をする前に、その前提となる人事考課制度のなどの多くの法案の制定や改定を行うこと(今のところ手つかず)
・官公労や日教組に属する公務員の合理化を進めること(長妻さんが日本年金機構で不良職員の処分に手を着けた以外になし、今後とも手つかずになる可能性大?)
・公務員制度の合理化が思うように進まなければ、財源の確保も出来ず、4年間の消費税論議もしないと約束した民主党がその政策は殆ど出来ないことになる(この可能性大?)
・民主党よりはるかに強力な官僚組織を動かすには、上からの圧力で動くかどうか、それを敵に廻して巧く行くかどうか、考え直した方がよい(いまの所その気はは全くない)

[報道を見た感想]
   私が報道を見た限りでは、私が心配していた通りになっているようです。
 合理化の対象になる公務員達は、民主党員には失礼ですが、その質と人数、専門部門の経験そして情報量に遥かに優れています。
 そのような彼らを活用しない手はないと思うのですが。
 公務員制度合理化の基本は公務員達の士気、モチベーションを如何にして上げるかに掛かっていると思います。
 これ書いていてふと気がついたのですが、長妻さんだけが巧く官僚を使っているような気がするのは、彼が日本電気の営業、日経ビジネス記者として民間企業のやり方を知っているのかも知れません。
 学校を出ていきなり政治に首をを突っ込んだ全くの管理の素人、官僚から政治家に転身した官庁の管理方法しか知らない人たちが、いきなり政務三役として動いているのを見ると、学校を出ていきなり技術者としていきなり作業者を使っていた私を思い出します。
 政務三役の人達は、今まで合理化に苦労してきた企業のやり方を勉強しなければ、一般企業で言う独りよがりの最悪の上司になる(か既になっている)ような気がするのですが。
 今日の読売の社説
での菅氏は、「役所の中の役所である財務省」を突破口に、霞が関の中央官庁全体の改革につなげるとしている。しかし、官僚を敵視してはうまく運ぶまい。上手に使いこなすのが政治家の役割であることを忘れてはならない。と言う指摘を鳩山さんはもとより政務三役の人達は謙虚に受け止める必要があると思います。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。

政治ブログランキングへ

政治ブログへ