最初に、昨日の「これからの日本経済の行方は?」の中でまた何時もの「書き漏らし」がありましたので、下記のように追記します。
なお本文も修正しておりますのでご了承下さい。
国土が狭く人的資源しかない日本はトッテンさんの言うように「従業員(つまり国民)を大切にする日本株式会社化」 [するか、高福祉・高負担の北欧型国家化のいずれか、またはその中間を目指す]他生きる道はないような気がします。 ([ ]内追記)
昨日と一昨日の都の公設派遣村閉鎖に伴う利用者800人がカプセルホテルへ転居のテレビ放送を見ていて首を捻りました。
産経新聞によりますと、年末年始に住居がない失業者らに宿泊場所と食事を提供するため、東京都が設置した「公設派遣村」が4日終了、利用者のうち4日以降も自力で住居を決められない約800人について、今後2週間程度、都内のカプセルホテルや都施設などを臨時に確保し、食事も提供する。当初は、延長宿泊先として400人分だけ都内のカプセルホテルを用意、それ以外の利用者には大田区内の都施設などを充てる方針だったが、一部の利用者から処遇の差に不満が続出。このため、都は新たにカプセルホテル10カ所を確保し、希望者全員をホテルに宿泊させることになった。そうです。
[企業団体は公設派遣村とは無関係?]
公設派遣村設置には補助金を出した国、就職相談や村民の世話をした東京都の職員、それと村民が関わっています。
村民に対しては同じ産経で“ごね得”許した「派遣村の品格」 費用は6千万円大幅超の見込みの批判もありますが、派遣村村民である企業から解雇されたために失職のためにホームレスになった人達を産み出した企業の派遣村に関する報道は全くないのは何故でしょう?(都の職員の人達は何で自分たちがこんなに苦労しなければならぬのかとうんざりしているに違いありません。)
普通の庶民感覚で言えば、企業は自分たちの会社の存続を護るために800人以上のレイオフをしたのだから、企業やその上部団体の経団連は国や都に対する道義的責任を感じて、いくらかの寄付の話があっても、企業の人事担当者が都の応援に駆けつけても当然と思うのですが? (もしこのことが報道されていなかったのならごめんなさい。)
経済の専門家のコメントによれば、「いざなぎ景気超え」と言われる長い間企業は膨大な内部留保を溜め込んでいるそうですが、果たして幾らの企業や経営者からの派遣村への寄付金が集まったのでしょう。
ごね得をした一部の村民(報道が正しいとして)も村民なら、それを産み出した企業経営者の倫理観はどうなっているのでしょう。
[米国と日本の考え方の違い]
日本がお手本として来た米国でも失業率が10%近くに達していますが、それでも大きな問題にならないのは、
・米国建国以来の個人の責任、自由主義経済などの考えが確立していること、
・もし落伍者が出てもキリスト教の考え方で施しものをするのは当然と言う考え方で、マイクロソフト社を立ち上げたビル・ゲイツさんが世界最大の慈善基金団体であるビル&メリンダ・ゲイツ財団 を創設したようにボランティア団体の大規模な失業者に対する支援があるためだと思います。
詰まり米国では自由主義経済の考えで自由競争し、企業内でも個人の責任の考えに基づく成果主義で優秀なものは高級を取る一方、企業で不要になった人はお払い箱、それで困っている人は善意の人や団体が助けるというシステムがなり立っており、格差社会の発生と当然だと思われているようです。
一方、一昔の日本の企業では、年功序列制度が示すように、組織重視、個人の責任はその組織に対する責任の考え方、そのために企業は個人に対しても責任を持っていました(その代表的な例は今でも従業員を大切に扱っている出光グループがそうです。) し、企業活動を通じての社会貢献するものとされていました。
そしてもう一つの米国との大きな違いは宗教団体やその考え方を持った団体の失業者に対する支援活動が米国ほど盛んでないことです。
然し、最近の日本の企業は(昨日も書いたように)経済のグローバル化で厳しくなった企業の経営→企業競争力の強化→そのためには給料が少なくて済む非正規社員を採用→景気が悪くなれば解雇または契約解除→解雇された人達の世話は一部のボランティア団体の活動を除いて、基本的には国や地方自治体が世話をする→その費用は国民の税金負担となっています。
その一方で企業は景気回復までは解雇した人やそのためにホームレスになった人達を、眺めていればよいというのでしょうか。
これでは企業に取って余りにも旨すぎる話しと思うのですが。
このようなシステムでは一般企業が放漫経営になって、米国の経済の悪化の傾向にも関わらず、 (銀行などはそれを予測してその被害を最小限に留めたのに)生産を拡大し、バブル崩壊で大量解雇する羽目になったり、また企業存続のために従業員を解雇しても当然という(地域のための企業活動と言う)企業倫理の低下に繋がることになると思うのですが。
[非正規社員への雇用保険料の企業負担の増額]
私は鳩山政権が、製造業への派遣社員の採用を禁止して、唯でさえ悪い景気を更に悪化させるよりも、派遣社員の採用は今まで通りにする代わり、解雇される確率の高い非正規社員向けの雇用保険料の企業負担分をもっと増やし、その保険で国や地方自治体の失業者やホームレスの世話する費用に当てることが出来るようにすべきだと思うのですが。
企業経営者が非正規社員の採用にも(失業者の世話を含む)ある程度の費用負担の増加のリスクもあることを知る方が、企業の健全運営に繋がり、また企業倫理の低下を防ぐ効果もあり、国の財政負担軽減になると思います。
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