普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

批判精神のないテレビ

2010-01-11 10:53:57 | 情報、マスコミ

 昨日のフジテレビの「新報道2001」は全く変わったやり方をしていました。
 番組案内によると「新春副大臣大集合…景気&雇用&老後不安で激突財務相交代劇の真相&政治とカネ との触れ込みで各省の副大臣約10名が勢ぞろいしたのは珍しかったのですが、彼らと討論する側は、居酒屋チェーンを経営し、安部さんのときの教育改革に参加したワタミ株式会社の社長の渡邉美樹さんともう一人、それとフジテレビの解説者の僅か三人だけでした。
 本格的な討論番組なら政権側とほぼ同数の野党や評論家が出るのが普通ですが、結局多勢に無勢で産経新聞の同番組の報道
のように
・菅氏の円安誘導発言についてどう思うか
 大塚耕平内閣府副大臣「菅氏は経済界の見方を言った。経済界が少し円安にいったほうがよいと思っているという評価は間違っていない」 (事実は経済界や鳩山さんからも批判されています。)
・年末に発表した政府の成長戦略は100点満点か
 長浜博行厚生労働副大臣「国民に理解してもらう過程で一緒に100%にしていく   (一般の評価は40~60点台しかないようです。)
・小沢一郎幹事長の存在が一番大きく感じるか
 渡辺周総務副大臣「影響力があるのは当然だ。与党の幹事長が言われたらしっかり受け止めなければいけない」
(マスコミとしては小沢さんの独裁的手法の危険性について突っ込むのが当然と思うのですが。)
とあるように鳩山政権のPR番組になってしまいました。
 渡邉美樹さんが、消費税問題に関連して、「税金を上げる前提は国民の信頼を得る事だ。その点で鳩山さんや小沢さんの金の問題で不透明な所をなくさねば、国民の信頼をえられない」の発言に副大臣全員が沈黙。
 然し、折角渡辺さんが問題点の核心に触れたのに、司会者は直ぐに話題を変えて仕舞いました。
 そしてその渡辺さんも所要で中座したので、後は完全に鳩山政権の考え方を訊く番組になって仕舞いました。
 「新報道2001」の前身は「竹村健一の世相を斬る」で渡部昇一さんや堺屋太一さんなどと当時騒がれていた教科書問題や南京虐殺問題の裏に朝日新聞がある事を指摘(それから「朝日・捏造」の言葉が定着してきました)するなど活躍していたのですが、昨日見た「新報道2001」はNHKのように政権にある人の意見を紹介するだけ、マスコミとしての批判精神はどこへ言ったのでしょうか。(公共放送のNHKが政権にある人の考え方を紹介するのは悪いことではないとおもいますが。)

 渡辺さんの問題発言がスルーされて仕舞ったと言えば、土曜日のNTVの「ウェークアップ!ぷらす」で橋下さんが「民主党が国家公務員総人件費を2割以上削減と言っているが、これはただ経費を地方に廻しただけで全くインチキだ」だとの問題の発言をしましたが、キャスターの辛坊さんはこれを無視してしまいました。
 これに就いては私も何度が書いたのですが、確かにに「民主党政策集INDEX2009
の[地方分権推進と国家公務員総人件費の削減]の記述の大胆な地方分権等の結果、国家公務員の定数も大幅に減少すること等により、国家公務員総人件費を2割以上削減することが可能になります。を見ますと、明らかに公務員の経費を国から地方に廻すだけ、当然その経費は国から交付金などの形で地方自治体に廻すので、国全体からみれば一銭も削減にならないようです。
 然し普通の人達の眼に触れる民主党の公約には「国家公務員総人件費を2割以上削減」と書いてあるだけ、正に詐欺紛いの政権政党の公約を橋下さんが指摘したのに、(テレ朝の古館さんや鳥越さんならとにかく)読売テレビの辛坊さんが無視したのには首を捻りました。
 辛坊さんと言えば彼が司会する「たかじんのそこまで言って委員会」もひと頃の硬派の番組からかなり変質して来ているような気がするのですがどうでしょう。
 これでは三宅久之さんや金美齢さんなどの論客がいるのに勿体ないと思うのですが。

 何度も書くのですが、国民もマスコミの一部もまだ鳩山政権の政治主導の行政改革に期待して、問題だらけの他の公約の実施や経済運営や安全保障についてはまだ甘い眼でみているようです。 (今日の読売の世論調査ではまだ56%の人が鳩山内閣を支持しています。)
 今、日本は未曽有の経済危機、中国など新興国の台頭、中国の軍備強化など厳しい環境に晒されています。
 そのような時に渡辺さんや橋下さんが指摘したような問題点を無視するマスコミ、そして、彼らが鳩山政権のやり方に首を捻りつつもまだ甘い態度を取り続けてこれからの日本はどうなって行くのでしょう。
 また小沢さんのやり方で、自民党の支持団体や首長を締めつけて、最大野党の自民党をコテンパンにしようとしています。
 そして参院選後、思い通りに何でも出来るようになった民主党政権が、(小沢さんの独裁的なやり方を恐れて反対意見を出せない党員の口を封じて)今提案しかけている外国人参政権付与は言うまでもなく、過去の日本の行為を追求する恒久平和調査局の設置、人権擁護法案、元慰安婦に謝罪と金銭支給など、(村山発言のように)今後また政権が変わっても後を引きそうな政策がそのまま通ったら、日本はどうなるでしょうか。
 そして国民は政権交代を期待して民主党政権を誕生させたのに、また何十年も同政権が続くことになりはしないでしょうか。
 やはりマスコミは(米国調査会社からさえ鳩山政権が世界10大リスクの5位に上げられている今こそ)鳩山政権や小沢さんのやり方の良い所は支持し、悪い所は徹底的に追及するなど、是々非々の態度を忘れていては、日本は大変なことになるかも知れぬことを何時も考えて置くべきだと思います。
 テレビは新聞以上の国民に対する影響力があると思います。
 経営上の厳しい環境にあることも判りますが、その批判精神を忘れては肝心のその存在価値が疑われることなりはしないでしょうか。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。

政治ブログランキングへ

政治ブログへ