普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

自民党の再生なるか?

2010-01-27 11:15:37 | 自民党

 24日に開かれた自民党大会について読売新聞は概略次のように報じています。
・自民党大会は、政権奪還に向け、民主党への対決姿勢を前面に押し出した。
・谷垣総裁は「鳩山政権は『民主党革命』を標榜しているが、これはすでに『裏切られた革命』というべきだ」など約15分間の演説の随所で、政府・民主党を「鳩山不況」「小沢独裁」などと激しく攻撃した。温厚さを一変させた気迫に、いつもは谷垣氏に辛口の党幹部も「闘う姿勢が示せて良かった」と評価した。
 自民党が戦う姿勢を示したのは良い事ですが、それより先ず考えねばならないのは次の参院選で勝つためには、先ず低迷しいてる自民党の支持率を上げることです。
 そのためには何故自民党が国民から見放されたかを考えることです。

・谷垣執行部は大会で、民主党との違いを打ち出すことに総力を挙げた。新綱領では「政治主導という言葉で、与党のみの判断を独裁的に押し付ける国家社会主義的統治と断固対峙」とうたい、民主党の取り組みが弱い財政再建や憲法改正を基本政策の柱に掲げた。運動方針では、与党が次期衆院選後まで封印した消費税率引き上げも明記した。
 「与党のみの判断を独裁的に押し付ける国家社会主義的統治と断固対峙」するためにどうするのか、そのために政治家が出来ることは国会で攻撃するだけでなく、その本来の仕事である国家主義的統治をさせない政策を打ち出すことと思うのですが。
・自民党内に谷垣執行部への批判がある現状さえ、「自民党は自由に何でも言え、小沢氏に怒られるから団結する民主党との違いが如実に出ている」と、セールスポイントに転じようという空気だ。
 今の小沢問題で一種の危機状態にある民主党内の沈黙よりも、自民党の方がはるかに自由の状態にあるのは評価できますが、衆院選大敗の一因となり、地方県連から批判を浴びた、選挙前の大混乱への反省はあるのでしょうか
・しかし、(小沢さんの資金問題と言う)「敵失」に乗じた反転攻勢の行方は不透明だ。自民党の支持率はなお20%に過ぎず、34%の民主党に水をあけられている。大会前日の全国幹事長会議では「支持率低迷は政策にある」との指摘が出た。鳩山政権は「事業仕分け」など、霞が関改革を進めるが、自民党側は改革案を提示しないままだ。県連側は「誰でも分かる政策を五つ、六つ出してほしい」と注文した。
 前にも書いたように政治家・政党は政策で勝負すべきですが、後の自民・民主両党の政策比較の所でもう一度考えてみます。
・党改革がすっきり進まないことも、有権者の支持が回復しない要因と見る向きが多い。参院選比例選候補の「70歳定年制」一つとっても、党大会に先立つ23日の党会合で厳守を求めた江藤拓衆院議員に、尾辻参院議員会長が「説教される必要はない。いつでも刺し違えるぞ」と反発するなど、世代間の意識差は大きい。

 読売は世代間の意識差と書きましたが、私はそれに加えて大きなのは自民党有力者と国民の意識差と思います。
 自民党が求められているのは、国民に密着した政党だと思います。
 自民党はそのためにどうあるべきか考えるべきです。
 舛添さんは「私が首相なら閣僚の7割は民主党から選ぶ」と言ったそうですし、私も鳩山政権の政務三役が良く勉強しているのに感心しています。
 然し、自民党は若手の養成を怠り、ベテランの有力者や族議員で内閣を動かして来たのがいまの状態になっていると思います。
 少子高齢化ではありませんが、自民党は将来を考えた時に新陳代謝をすべきで、少なくとも比例選候補の「70歳定年制」はしっかり護るべきだと思います。
・夏の参院選の目標も運動方針に「第1党の座の奪取」と掲げたが、「意気込みを示しただけ」(党幹部)というのが実情だ。民主党の単独過半数獲得阻止が現実的な目標になるが、地方県連には「敗北すれば党は分裂だ」との危機感も出ている。
 自民党が弱小政党になるかならぬかの大事な時期に、また党幹部の不規則発言です。
 この人は前にも書いた衆院選前の前の大混乱への反省をしているのでしょうか。

[民意から遊離した?自民党の政策]
  そして読売は自民・民主の党大会で示した方針の比較を出しています。(括弧内は今までの世論調査から類推した一般の国民の支持率(択一)です。)
自民党の政策
 早期の憲法改正(30~50%)
 社会保障と少子化対策のための消費税値上げ(30~50%)
 在日米軍基地の再編と地もと負担の軽減(30~50%)
民主党の政策
 税金の無駄遣いにメス、国民の暮らしを護る政策(40~60%)
 雇用、環境、景気、地域を柱とした戦略的財政経済運営(60~80%)
 政治主導、国民主導の仕組みを整備(60~80%)
 括弧内の数字は勿論大雑把なもので異論のあるところと思いますが、全体としてみると、民主党の政策の方が遥かに自民党のそれより国民に対するアピール度があると思います。
 自民党幹部は県連が言うように「誰でも分かる政策を五つ、六つ」何故ならべなかったのでしょう。
 
私は前に「民主党は当面は国民から大きな支持を受けている政治主導の行政改革を中心にし、その他の件は政権運営の経験を積むまで経済、安全保障など自民党の政策の継承をしその不具合点の修正、民主党の政策の良い所を順次取り入れ入れ換えをすべきだ」と書きましたように、自民党の政策には問題があったにしてもそれなりの良い所もあったと思っていますし、今でも民主党の政策と勝るとも劣らない政策を持っててると思います。
 上記の比較の様に、自民党の政策は少なくとも当面の国民の期待に応えていない様です。
 その基本的原因は何かと言えば、自民党の感覚と国民のそれに大きな差があることです。
 自民党が指摘し、国民が最近心配し始めている「与党のみの判断を独裁的に押し付ける国家社会主義的統治と断固対峙する」ための具体的な政策を何故打ち出さないのでしょうか。
 自民党は前回の衆院選で大敗の大きい一因が自民党国会議員と国民の遊離にあったことを、とっくの昔に忘れているような気がしてならないのですが。

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