憲法が施行されて68年を迎える今日は「憲法記念日」。今朝の新聞各紙は憲法に関する記事で溢れていた。
憲法改正について与党自民党は草案を示し、改憲の準備におこたりない。もちろん最後に見えるところは憲法9条の改正のようだ。1945年8月15日の終戦の日を迎えたのは国民学校(小学校)4年生の時だった。幼くはあったが大空襲も体験した。艦載機(グラマン)から機銃掃射を受け恐怖にかられた記憶はいまも消えない。戦争の恐ろしさを身をもって知る最後の世代でもろう。
当時は小倉市(現在は北九州市)の中心地から3㌔のところに住んでいた。8月9日の長崎原爆の当初の投下地は小倉市だったと後で聞いた。もし長崎でなく小倉に原爆が投下されていれば、私はもうこの世に住んでいなかったであろう。戦争は戦闘員に限らず女子供までも殺戮する残虐なものだ。
1947年に新憲法が施行された。先生が授業の中で新憲法の話をされた。
日本は戦争を永久に放棄し平和な国家に生まれ変わる。戦争のない世界がくる。もう爆弾は落ちてこない。空襲警報、敵機襲来のサイレンも鳴らない日が永遠に続く。と。子ども心にも嬉しさがこみあげてきた。
安倍総理が政権をとってから雲行きが変わってきた。憲法改正の論議がにぎやかになってきた。自民党は憲法の改正草案を発表し、憲法9条の改正を目玉としている。戦争にも繋がりかねない危険なことだ。
怠慢かもしれないが憲法については良く知らない。でも、戦争だけは起こしてならないという気持ちはとても強い。その意味で、ノーベル平和賞にもノミネートされる平和の証、憲法9条の改正は断じて行うべきではない。ささやかな声を挙げることとしよう。
憲法9条の条文を読み返してみた。
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、 国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
過日、安倍総理は国会答弁の中で“わが軍は”と発言された。憲法9条第2項に「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」とある。我が国に軍隊など存在しない。これが今までの定説ではあるまいか。安倍総理の頭の中には、すでに9条の改正が織り込まれているのだろう。
朝日新聞の世論調査では改憲不要が48%、必要が43%で、「変える必要はない」が「変える必要がある」をやや上回っている。憲法9条については「変えない方がよい」が63%、「変える方がよい」が29%となっていて、国民の大多数は改憲を望んでいない。
先の国会討議で社民党福島代議士の「戦争法案」発言の削除を自民党は求めた。横暴としか言いようがない。
憲法改正はなぜ必要なのですか。安倍総理にお聞きしたい。国民に対する十分な説明を安倍総理を始め政権与党の自民党は十分に果たしていない。というより避けている。
「戦争法案」発言の是非はひとまずおくとして、2度と戦争だけは起こして欲しくない。
最後に、戦争に繋がりかねない憲法9条改正には断固反対と申し上げることとする。