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「漱石と熊本」姜尚中さんの講演を聞いて

2015-05-22 21:03:49 | 日記

来年は夏目漱石の生誕150年を迎える。そのためか漱石にまつわるニュースや行事が多くなってきた感じがする。

5月22日に開催される東京大学名誉教授姜尚中さんの「漱石と熊本」と題した講演会の新聞記事を見たのは3月中ごろのことだった。夫婦40組を招待するとあり、ただちに応募したのだが、なかなか返事がこない。残念だが駄目だったかとあきらめかけていたところ、開催日も近まった4月末になって招待券が届いた。嬉しかった。

姜尚中さんは熊本市の出身、漱石は熊本と深いかかわりを持つ大作家。どんな講演となるのか期待は膨らんだ。やっとその日を迎え、受付時間に間に合うよう余裕を持って会場にきたところ、すでに大勢の人が列を作っている。

  

この講演は朝日旅行が企画した「漱石の世界を歩くシリーズ」の第3段であることを会場で知った。ツアー客は東京、大阪からも参加され、招待客を含めると500人の参加があったそうだ。

講演の前に、全国的に大人気の「学生服姿のくまモン」と椛島熊本県知事のごあいさつがあり、笑いと拍手で会場はおおいに盛り上がった。そこに 姜尚中さんが登場し、いよいよ約1時間半の講演がはじまった。

全国的に「漱石」といえば「坊っちゃん」、「坊っちゃん」というと「松山」と思われている。漱石の人気で熊本は、松山に完全に負けている。漱石が松山にいたのは約1年。熊本では4年3カ月を過ごしている。熊本と松山の人気の差は多分漱石の作品「ぼっちゃん」と「草枕」の違いにある。坊っちゃんは万人に好かれた痛快な作品。だが漱石は「坊っちゃん」を4週間で書き上げている。一方「草枕」は長い期間をかけて想を練った作品だ。しかし難解だともいわれる。このことが人気に影響しているのだろうか。

さらに「漱石は“大人”の作家、芥川龍之介や太宰治は“麻疹”(はしか)の作家だ。漱石を語る上で『草枕』『二百十日』は外せない。柱となっているのは、水と女と川。漱石は人間の情を描いた傑出した大人の作家。」と話された。

楽しくて有益な講演会だった。参加できてよかった。家に帰りすぐに「草枕」の文庫本を開いてみた。語句も内容も確かに難解なものがある。辞書を繰りながら時間をかけても必ず読み上げてしまうと決めた。また一つ仕事が増えました。