我が家の小さな庭の道路側。その片隅に白い花が咲いていた。今朝の散歩から帰る途中で我が家を外から眺め、白い花が咲いているのに初めて気づいた。花は赤と緑の二本のもみじの影になっていて、わが家の中からは見えにくい。
家に入り“うちの奥さま”に、「裏の白い花きれいだね。花の名を知っているの。」と今日の質問第1号。「利休梅よ、お茶花です」さらにつづけて「この利休梅ずいぶん前に買ってきて植えたもの」と、いまさら何よと言うかのような答えが返ってきた。
「利休梅」は、原産地中国、バラ科。明治末期に日本に渡来。安土桃山時代(戦国時代)の茶人の「千利休(せんのりきゅう)」とは関係ないようだが、白い清楚な5弁の花が咲く。5月~6月にかけて咲き、梅雨の花ともいわれる。
朝の散歩をはじめてから、花や木、草など、自然のものにとても気がいくようになった。もちろん余所のお宅の美しいお庭を拝見するのもその一つ。美しいお庭はその日の散歩を楽しくさせてくれる。
我が家の小さなお庭に訪れる鳥や、大きくなった植木、鉢に植わったバラの花など眺めながら、いつもゆっくりと過す暮らしに満足してしまい、外から我が家を眺めることはほとんどなかったことを初めて知った。“井の中の蛙大海をしらず”とことわざにはある。今朝の散歩で「利休梅」がわが身知らずということを教えてくれた。
“井の中の蛙大海をしらず”のことわざだが“されど高き空を知る”と後が続く。“高き空を知る”つねにその努力は欠かせないことだ。ささいなこともわが身に置き換える。まだまだ、知らないことが多すぎる。