このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
喫茶店アルファヴィルの入り口ドアを開けると、カウンターの隅でNPO法人なごやか理事長が昼食をとっていた。
今日は公休なの?と尋ねられたが、なんだかとってつけたようで照れ隠しに聞こえた。
「オーナーのお母上からホームに自家製のお野菜をたくさんいただいてね、お礼を言いに来たら、それが素材のお昼までごちそうになってしまって。」
へええ、とのぞき込むと、麦飯にとろろをかけ、黒々としたのりをちぎって散りばめた小ぶりの丼と、きつね色に焼けた大根ステーキ、白菜入りの白みそ汁。
「上品ですね。」
私はオーナーへ言った。
いえ、ありもので手早く作ったので、お粗末さまです。
アルバイトのIさんがカウンターの中からにんじんを少々加えてすりおろしたリンゴジュースをそっと添えた。
「おもたせですが。」
「いやいや、心ばかりのものですが。」
ははあ、理事長は例によって、先日のリンゴ狩りで収穫したものを手土産に持参したらしい。
いよいよ、アルファヴィルにアップルパイの季節到来だ。