「僕が映画館に通い出したころはちょうどパニック映画、英語で言うとディザスター・フイルム(災害映画)の全盛期だった。
豪華客船が転覆して天地が逆になった中で、うんていや素潜りで脱出を図ったり、サメやタコやキングコングに追いかけられたり、超高層ビルでの火災に巻き込まれたり。
どの映画を観ても、「オレには無理、生き残れない」というのが率直な感想だった。
ところが、自分自身を襲ったディザスターは全く違う種類のものだった。
生き残ったけれど、死んだ方がまだましなレベルの。」
「昨日、娘が受けた小論文専門の模試のテーマは『幸福と絶望について』だったそうだ。
パパにとって絶望って?と尋ねられた。
口に出すかどうか考えた末に答えた。
自分の力が足りず大切な人たちを守り切れなかったと思い知ることかな、と。」
ポール・マッカートニーの書く歌詞は総じてあまり深い意味(内容)はなく、美しいメロディや力強いビートに乗ってすんなりと耳に入ってくるのだが、その中にどこかイギリス人独特のユーモアであったり皮肉が感じられるのが、やはり凡百のアーティストとは決定的に違うところだ。
1990年の来日公演のオープニング・ナンバーだった「フィギュア・オブ・エイト」も、8の字の軌跡の中を右往左往する男の姿が目に見えるようで、なかなか面白い。
フィギュア・オブ・エイト
ねえ、僕は8の字の中できみに踊らされて
近づいてるのか
離れてるのか
早すぎるのか
もう遅いのか
輪の中をぐるぐる廻っている僕
教えて欲しい
僕らなぜ真っ直ぐに進めないのか
なぜ愛を確実な約束にできないのか
僕は丘を上がったり下がったり
教えて欲しい
暗闇の中を歩くより
互いに愛し合った方がいいじゃない?
憎しみ合うより、愛する方が素敵じゃない?
お互いにいたわり合い
踏み外さず真面目に生きた方が、
8の字の中にとらわれた生き方よりずっといいじゃない?
ねえ、自分でよく考えて結論を出さないと
どうにもならなくなっちゃうよ
大きなダンスホールで繰り返し流れるテープみたいなもの
ねえ、僕は8の字の中できみに走らされて
近づいてるのか
離れてるのか
早すぎるのか
もう遅いのか
輪の中をぐるぐる廻っている僕
教えて欲しい
Figure Of Eight
Well, you've got me dancing in a figure of eight
Don't know if I'm coming or going
I'm early or late, round and round the ring I go
I want to know
I want to know
Why can't we travel a continuous line?
Make a love a reliable covenant all the time
Up and down the hills I go
I got to know
I got to know
Is it better to love one another
Than to go for a walk in the dark?
Is it better to love than to give in to hate?
Yeah, we'd better take good care of each other
Avoid slipping back off the straight and narrow
It's better by far than getting stuck in a figure of eight
Well, figure it out for yourself, little girl
I don't go nowhere at all
It's nothing more than a tape loop in a big dance hall
You got me running in a figure of eight
Don't know if I'm coming or going early or late
Round and round the ring I go
I want to know
I want to know
グループホームぽらん気仙沼の芋煮会に参加しました。
園庭に面したウッドデッキで利用者様、職員と芋の子汁をいただいて。
10月に入ったというのにとても暑い日で、急遽、職員たちがブルーシートをシェード代わりに設置してくれました。
炭火で焼いた秋刀魚や味噌おにぎりにジュース、今年もまた仙台風(みそ味・豚肉)と山形風(しょうゆ味・牛肉)の二種類を作り、本格的です。
それにしても、屋外で食べるとなぜこんなにもおいしいのでしょうね。
新しく入居された利用者様も含めて、みなで談笑しながら、のんびりと秋のひとときを過ごせました。
ごちそうさまでした。
白いロールスロイスが、やや気色ばんだ口調で言った。
「さっき、しまったとおっしゃいましたが、あれはどういう意味ですか?」
私は答えた。
今日のフェスティバルで謁見した老女王の傍らにシルバーの同型ロールスロイスが控えているのを見て、私は怖れを感じたんです。
ひょっとすると、あそこにいるのはきみだったのかもしれないな、と。
きみが私のところへ来て半年、十分丁寧に接してきたつもりでしたが、まったくの認識不足で、ふさわしい扱いではなかったのに気づいて心底恥ずかしくなりました。
だから、しまったなんです。今この時から改めます。申し訳ありません。
白いロールスロイスはその美しいフロントグリルを心持ち赤らめた。
進学のため18歳で家を出て以来、幾度となく引越しを経験してきた。
モノを買ったり捨てたりの繰り返しの中で、今、自室を見渡すと、その長い年月の間、必ずあったものがある。
下の写真を入れた、若草色の小さな額縁だ。
高価なものではもちろん、ない。
表参道の洋書店で見つけた輸入ポストカードを、下北沢の古道具屋で色が気に入って買ったその額に入れた。
100円ショップはまだない時代のことだ。
(子役出身の英国人俳優)ロディ・マクドウォールが女優ミア・ファローを撮った写真。髪型から推察するに、彼女が妹プルーデンス(「ディア・プルーデンス」)とともに、さかんにビートルズたちと遊びほうけていた60年代半ばのものだろう。
大した理由もないのだが、引越すたび、これを部屋の壁に掛けてきた。
お守りのようなものである。
そのささやかなご利益を、大切な方々におすそ分けしようと思う。
健康で、安心・安全に過ごされるよう、祈りを込めて。