波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

天賦の才(続き)

2018年04月06日 | 日記・エッセイ・コラム
森安治(1911~1978年)、伊丹十三(1933~1997年)の生きた時代を思う。戦中をくぐり抜け戦後に才能をきらめかせた両者。波風立男氏の40年先輩、20年先輩だが、こういう人物が世にいたのだ。時代を正確に理解し1人で立ち向かう抜群のセンス、個人の手業でも集団創造でも頭に湧いてくるイメージを形にできる卓越した技術、そうした仕事をすすめる上で他に伝え理解しあう圧倒的で魅力的な言語能力。アナログ時代の記憶に残る卓越した多才な表現者。

                
 
森安治享年66歳、伊丹十三64歳、あまりに早い死が残念だ。残された文章や評伝に触れ、才能開花の環境(家庭や生い立ち、学校生活に『表現』の機会)を思う。両者に強く引かれるのは、そのデザインが商業デザインにもかかわらず人間臭さを強く感じることだ。誰かに認められたい、というのではなく、「自分はこういうのを見たい」のだが、そういうのが無いから自分で作る、という感じがする。庶民に愛されながら媚びず高踏に陥らないのが希有だ。
今、デザインは各パーツ毎に専門化し、イラストは消耗品、ロゴデザインは類似品、レタリングはデジタルな規格品だ。そろそろ限界が来ていると感じるのだが。



画像は、時々は小刀を砥石で研ぎながら削った箸。上から、桜、ウォールナット、花梨。老後の手慰み ありがとう うちを 見つけてくれて『この世界の片隅に』公式ファンブック)(こうの史代他:双葉社)。買って読む。漫画家61名の感想にいちいち頷く竹輪にチーズ詰め燻煙し脱気封印しオヤツに。自家用「波風チクチー」と命名裏ブログ更新、「鰊の塩焼き」で。
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