電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

コロナ禍とオーケストラ〜「山響クロニクル〜50年の軌跡」(25)〜(27)を読む

2022年12月22日 06時00分43秒 | クラシック音楽
亡母の葬儀や私のコロナ感染等で中断していましたが、地元紙・山形新聞の連載記事は、コロナ禍がオーケストラにもたらした影響をよく表していました。新型コロナウィルスの流行で痛手を受けたのは、飲食業や観光・旅行業界だけではありませんで、音楽や演劇なども大きな打撃を受けました。



10月18日付(25)「逆境でも前へ」。2020年7月、数カ月ぶりに聴衆に生の演奏を届けた山響は、演奏する側と聴衆との間で「ブラヴォー!」という声に代わる声援の送り方として、「Bravo!」タオルや手ぬぐいを発表します。大きな声を出すことが出来ない聴衆が Bravo ! タオルを掲げることで、演奏家に共感や応援の意を示すスタイルが始まり、SNS 等を通じて山形から各地に広がっていく様子が描かれます。



10月25日付(26)「そして原点に返る」では、山形市がクラウドファンディングや直接寄付などの支援の輪の広がりに対して、全国的にも目を見張る額の支援が寄せられます。地域に根を下ろしたオーケストラの意義が再確認されたことでした。ただし、見出しの「すべては山形のために」の「すべて」は言い過ぎでしょう。山響は県外でも演奏会を開きますが、これらも「山形のため」となると「収奪的出稼ぎ」のイメージを受けてしまいかねません。それはやや事実に反するのでは(^o^)/



11月1日付(27)「その先へ」では、第300回記念定期演奏会を取り上げ、コロナ禍の中で培った発信力を活かして地域や観光の視点を取り込んだプロジェクトをスタートさせたことを紹介します。創立名誉指揮者の村川千秋氏と常任の阪哲郎さんの言葉、「積み重ねてきた50年はあくまで通過点。ここが次の50年へのスタートだ」はまことにその通り。私にとっても、古希を迎えてこれからの人生の音楽の楽しみがまだまだ続くのはまことに幸せで、ありがたい限りです。

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