先日、図書館から借りてきた本で、五日市哲雄・久保田博南著『おもしろサイエンス・大豆の科学』を読みました。若い頃に岩波新書で中尾佐助著『栽培植物と農耕の起源』を読み、興味を持っていたこともあり、岩波新書で山本紀夫『ジャガイモのきた道〜文明・飢饉・戦争』(*1)を面白く読みましたが、今回は「大豆」の話です。
大豆は、たぶん豆腐や納豆などと一緒に、中国から渡ってきた食べ物なのだろうと漠然と考えていましたが、本書のカバーを見たらどうも違うらしい。そこで内容に興味を持ち、借りてきて読み、備忘録ノートに気づいた点をメモしてみたという次第。本書の構成は、次のようになっています。
内容的には、「おもしろサイエンス」というシリーズ名のとおり一般向けに書かれたもので、専門的なレベルの高いものとは違いますが、最近の知見を加えながら上手にまとめていると感じます。以下、私が興味を持った内容です。
なるほど、縄文時代から自生している豆を利用していたのですね。そう言えば、白米に大豆を入れて炊く豆ごはんは個人的に大好物です。グリーンピースではなく、やっぱり大豆がいいですね。そして麹さえ入手できれば手作り味噌は作りやすく美味しい。しかし醤油は難しいと感じます。工程が多く、また複雑です。そう簡単なものではないようです。
(*1): 山本紀夫『ジャガイモのきた道』を読む〜「電網郊外散歩道」2020年11月
大豆は、たぶん豆腐や納豆などと一緒に、中国から渡ってきた食べ物なのだろうと漠然と考えていましたが、本書のカバーを見たらどうも違うらしい。そこで内容に興味を持ち、借りてきて読み、備忘録ノートに気づいた点をメモしてみたという次第。本書の構成は、次のようになっています。
第1章 大豆っていったいどんなもの?
第2章 大豆と栄養素のすばらしき関係
第3章 ちょっと驚く大豆の食品としての機能性
第4章 大豆を発酵させれば日本伝統の食品になる
第5章 大豆を加熱する、搾る、添加物を使って加工する
第6章 これからの大豆食品
内容的には、「おもしろサイエンス」というシリーズ名のとおり一般向けに書かれたもので、専門的なレベルの高いものとは違いますが、最近の知見を加えながら上手にまとめていると感じます。以下、私が興味を持った内容です。
- 青森県の「三内丸山遺跡」で大豆栽培が判明して以降、日本各地の縄文遺跡で1万数千年前から大豆が食べられていたことがわかった。
- 日本の大豆の自生種子の存在が確認され、大豆の野生種としてツルマメの自生も確認された
- 自生ヤブツル小豆やツルマメ等の豆類は、縄文人の大事な食料資源、クリの栽培だけでなくマメの縄文農耕の存在
- 大豆は自家受粉できる。雄しべと雌しべを持つ両性花で、虫媒花でも風媒花でもない
- 品種として(1)夏大豆(2)中間大豆(3)秋大豆の3種類あり、寒冷地では春に種まき、夏に育ち、秋に収穫する早生種の夏大豆が適する
- 大豆と枝豆の違いは、大豆の成長過程で枝豆が収穫できる。枝豆は未成熟な大豆のことで、栄養面では大豆が優れるが、枝豆は葉酸が豊富で緑黄色野菜の特徴も持つ
- 大豆の加工食品(1)蒸す・煮る(発酵させて味噌、醤油、納豆、そのまま煮て煮豆)、(2)しぼる(豆乳、おから、加熱し固めてゆば、豆腐、揚げて厚揚げ、がんもどき、油揚げ)、(3)炒る(炒り大豆、きなこ)、(4)油を搾る(大豆油、大豆ミール)
- 大豆は根粒菌と共生、窒素固定を行い、タンパク質が豊富、必須アミノ酸を全部含む食品
- 大豆の種類は(1)黄大豆(味噌、納豆などの原料)、(2)緑大豆(山形県の秘伝など寒冷地に)、(3)黒大豆(煮豆、丹波黒など)、(4)赤大豆(煮豆、旨味)、(5)紅大豆(山形県、希少種)、(6)茶大豆(山形県のだだちゃ豆など香り、枝豆に適する)、(7)白大豆
なるほど、縄文時代から自生している豆を利用していたのですね。そう言えば、白米に大豆を入れて炊く豆ごはんは個人的に大好物です。グリーンピースではなく、やっぱり大豆がいいですね。そして麹さえ入手できれば手作り味噌は作りやすく美味しい。しかし醤油は難しいと感じます。工程が多く、また複雑です。そう簡単なものではないようです。
(*1): 山本紀夫『ジャガイモのきた道』を読む〜「電網郊外散歩道」2020年11月