昨年の今頃、山響モーツァルト定期で購入したCDで、イザイの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」を聴いています。演奏は、松田理奈さん。作品27の6曲から、第2番イ短調を取り上げます。ちょうど、演奏会当日のアンコールで披露したのが、この曲の第1楽章でした。
あれ、どこかで聴いたことがあるなあと思いましたが、それもそのはず、J.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番」の第1曲(前奏曲)の旋律が使われ、それが見事に尖鋭なイザイの音楽になっています。添付のリーフレットによれば、曲はジャック・ティボーに献呈され、それぞれの楽章には次のような表題が付けられているそうです。
次の第2楽章からは、ベルリオーズやサン=サーンスが用いた「怒りの日」の旋律が登場、ゆっくりとした緩徐楽章です。そして、舞曲ふうと言うにはずいぶん風変わりですが、リズムはたしかに舞曲風ではあります。エネルギーは次第に蓄積され、フィナーレは尖ったイザイの音楽が変奏されていきます。
松田理奈さんの演奏は、内向的な集中力だけではない、外に向かうエネルギーや、客観的な形をきちんと整える理性的な面も、兼ね備えていると感じます。
2010年にフィリア・ホールで収録されたデジタル録音で、たいへん明瞭に美しく、ヴァイオリンの音色を聞くことができます。型番はビクターのVICC-60758です。
(*1):山響モーツァルト定期第19回でヴァイオリン協奏曲第1番と交響曲第23・28番等を聴く~「電網郊外散歩道」2013年6月
あれ、どこかで聴いたことがあるなあと思いましたが、それもそのはず、J.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番」の第1曲(前奏曲)の旋律が使われ、それが見事に尖鋭なイザイの音楽になっています。添付のリーフレットによれば、曲はジャック・ティボーに献呈され、それぞれの楽章には次のような表題が付けられているそうです。
第1楽章:「幻影または執念」、前奏曲。ポコ・ヴィヴァーチェ。
第2楽章:「憂鬱」、ポコ・レント。
第3楽章:「亡霊たちの踊り」、サラバンド、レント。
第4楽章:「復讐の女神たち」、アレグロ・フリオーソ。
次の第2楽章からは、ベルリオーズやサン=サーンスが用いた「怒りの日」の旋律が登場、ゆっくりとした緩徐楽章です。そして、舞曲ふうと言うにはずいぶん風変わりですが、リズムはたしかに舞曲風ではあります。エネルギーは次第に蓄積され、フィナーレは尖ったイザイの音楽が変奏されていきます。
松田理奈さんの演奏は、内向的な集中力だけではない、外に向かうエネルギーや、客観的な形をきちんと整える理性的な面も、兼ね備えていると感じます。
2010年にフィリア・ホールで収録されたデジタル録音で、たいへん明瞭に美しく、ヴァイオリンの音色を聞くことができます。型番はビクターのVICC-60758です。
(*1):山響モーツァルト定期第19回でヴァイオリン協奏曲第1番と交響曲第23・28番等を聴く~「電網郊外散歩道」2013年6月
ですからこれを得意に演奏していたのも嘗てはフランコベルギー派や名人芸の演奏家でしたが、最近はドイツ系の奏者もレパートリーとして取り上げて、特にユリア・フィッシャーなどはその話題性を含めてかなり成功している例です。
ユリア・フィッシャーの演奏というのは、たとえば
http://www.youtube.com/watch?v=R6wTk6rBIXk
などは、まさにこの曲ですね。