電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

理不尽な応援は足を引っ張る?!

2006年03月18日 20時08分16秒 | Weblog
生来スポーツ・芸能分野を苦手ジャンルとしているだけに、いつ大相撲が始まったのかも判然としないのですが、何やら野球の国際試合が行われているようです。東北と同じくバカ世界地図(*1)でむちゃくちゃな扱いをされている「四国」在住のKazumiさんのブログ(*2)を通じ、この国際野球大会で演じられている、審判による珍騒動の経緯を知りました。
なんでも、日本と米国との試合で疑惑の審判とされただけでなく、メキシコとの対戦ではホームランを二塁打とするなど、あまりにも理不尽な判定に、メキシコ選手たちが怒り、明日なき総力戦で米国を下したということらしい。

こういう審判の性格は、昨日今日はじまったことではなかろうと思います。審判は絶対というのがスポーツのルールでしょうから、審判を制するものが大会を制することは明らかです。その意味では、この審判を起用したところに、大会開催側の意図が見えているように思います。
ところが、あまりにも理不尽な応援は、少なくともフェアプレーをたたえる精神を持った選手には、プラスには作用しないようです。逆に、多くの選手が恥ずかしさに萎縮してしまうのではないか。相手チームは怒りにあふれて向かってくるでしょうし、むしろ足を引っ張る結果になってしまうようです。

仕事の面でも、こういうことはありえますね。気をつけなくちゃ(^_^)/

(*1): 思わず笑える~バカ世界地図
(*2): sigh!~日常あれこれ
コメント (2)

何度もくり返し聞く楽しみ

2006年03月18日 13時17分50秒 | クラシック音楽
音楽を聞いて楽しむとき、その楽しみかたは一通りではないようです。私の場合は、どちらかといえば何度も繰り返して聞く楽しみが中心のようです。

はじめて聞く曲の場合、ぱっと聞いてすぐ魅了される場合もあります。たとえば、シベリウスの交響曲第二番の場合は、1970年に来日したジョージ・セル指揮するクリーヴランド管弦楽団の演奏会をFM放送で聞き、ああ、いい曲だなぁと感じいって以来ですし、リムスキー・コルサコフの「シェエラザード」の場合も、やはりFM放送でエフゲニー・スヴェトラーノフ指揮の演奏を聞いたのがきっかけです。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第一番は、バーンスタインがウィーンにデビューした演奏会のテレビ放送を見て、弾き振りのかっこよさと曲のはつらつとした魅力に気づきました。

しかし実際には、何度も繰り返し聞いているうちにじわっと曲の良さが感じとれるようになってきて、大好きになったもののほうが多いように感じます。たとえば「ひばり」や「皇帝」などのハイドンの弦楽四重奏曲、「謝肉祭」や「幻想小曲集」などのシューマンのピアノ曲、ピアノソナタ第一番や弦楽四重奏曲第一番など若いベートーヴェンの一連の音楽、晩年の第30番、31番、32番などのピアノソナタの魅力など、キャッチーではないけれど深い味わいのあるものです。

私は、できるだけ実演で音楽を味わいたいと思い、地元の山形交響楽団等の演奏会にもしばしば出かけていますが、実際に演奏会で聞ける曲は限られています。地方に住んでいる身であれば、一生聞くチャンスのない曲の方が多いことでしょう。こうした音楽を何度も繰り返し味わうことで、個々の音楽の持つ魅力に気づき、作曲家の苦心や演奏家の努力を感じとれるようになるのは素晴らしいことです。音楽録音の功罪はさまざまあるでしょうが、私としては、何度でも繰り返し聞くことができるという点で、たいへん大きな恩恵を感じます。その意味で、生演奏の一回性を重視するあまり、音楽録音を否定してしまう考えかたには賛同できないと考えています。
コメント (2)

J.S.バッハ「フルート・ソナタ全集」を聞く

2006年03月17日 20時45分46秒 | -室内楽
今週一週間、毎日の通勤に、J.S.バッハのフルートソナタ全集を聴いた。有田正広さんのフラウト・トラヴェルソ、有田千代子さんのチェンバロ、鈴木秀美さんのバロック・チェロの演奏である。
フラウト・トラヴェルソというのはどんな楽器か。例によってGoogleで検索してみた。すると、フルート族に関するこんな詳細な解説ページ(*)があった。
(*):フルート族の楽器の紹介と歴史
これによれば、フラウト・トラヴェルソというのは、要するにバロック時代の木製のフルートの一種で、多くのキーを持つ現在のベーム式のフルートに比べてずっとやわらかい音を特徴とし、軽やかな装飾音を多く持つ音楽の演奏が得意なのだとのこと。したがって、同時代の音楽で、こうした特徴を持つ音楽を軽やかに演奏するのに向いている、ということなのだそうな。

収録された音楽は、偽作の疑いも持たれている作品をふくめて全部で八曲。
(1)フルートと通奏低音のためのソナタ、ハ長調、BWV1033
(2)フルートと通奏低音のためのソナタ、ホ短調、BWV1034
(3)フルートとオブリガート・チェンバロのためのソナタ、イ長調、BWV1032
(4)フルートとオブリガート・チェンバロのためのソナタ、変ホ長調、BWV1031
(5)フルートとオブリガート・チェンバロのためのソナタ、ロ短調、BWV1030
(6)無伴奏フルートのためのパルティータ、イ短調、BWV1013
(7)フルートとオブリガート・チェンバロのためのソナタ、ト短調、BWV1020
(8)フルートと通奏低音のためのソナタ、ホ長調、BWV1035
作曲年代がわかっているものについては、どうやら1720年代から1740年代、作曲家の40代の作品が中心のようだ。油ののった円熟期の仕事といえよう。息子のC.P.E.バッハがベルリンのサン・スーシー宮殿で、フルート好きのフリードリヒ大王のところに仕えていたことも影響しているのかもしれない。たいへんに軽やかな、ギャラント・スタイルの音楽になっている。金属性のベーム式現代フルートの音色とは異り、木製楽器らしいまろやかな音色になっているせいもあるかもしれないが、ずっと飽きないで聞くことができる。

演奏をしている有田正広さんは、世界的に有名なフラウト・トラヴェルソ奏者とのこと。アリアーレ・レーベルとしてリリースされたこのCD(DENON COCO-70556-7)は、添付の解説によれば有田正広さんのデビュー録音だったと言う。デビュー録音でこの楽しく素晴らしい演奏!

■1989年1月、東久留米、グレゴリオの家にてデジタル録音されたもの。
コメント (4)

お世話になっているオープンソース・ソフトやフリー・ソフト

2006年03月16日 22時19分58秒 | コンピュータ
パソコン歴は比較的長い方だと思うが、フリー・ソフトには昔からずいぶんお世話になりました。思い出すままに、少し書いてみようと思います。

MS-DOSの時代には、FDやFMなどのファイラーのほかは、やはりcgrepというテキスト検索ツールとjgawkという言語が真っ先にあげられます。テキストエディタで記録していた備忘録が、1990年頃からずっと、今も続いています。今は、LinuxやWindows上でgrep/awkと同じデータを使っていますが、何かの折りにふと思い出して記録を見ると、けっこう楽しいものです。

Windowsでは、有償のMS-Officeの他には、ブラウザFirefoxとメーラThunderbirdを愛用しています。Firefoxではタブで一気に見ることができますし、Thunderbirdでは迷惑メールフィルタが実に賢く、精神衛生上たいへんよろしいです。

Linuxでは、ブラウザ・メーラ・ページ編集用のMozillaのほかには、まず画像編集に使っているGimpが筆頭でしょうか。次いでテキストエディタのEmacsや図を作成するtgifなどでしょう。意外にも、もっとも多く楽しんでいるゲームが、Linux上のLinesです。これは、上の画像にあるようなもので、縦横斜めに五個以上連続する同じ色ののボールを消して行き、得点を競うものです。他には、ネットワーク漢字フィルタnkfやpdfファイル作成用のdvipdfmxなどが利用頻度が高いツールでしょうか。

WindowsでもLinuxでも、文書組版システムとしてD.Knuth博士が開発されたTeX/LaTeXを愛用しており、各種報告書の作成など、その恩恵には感謝しきれないほどです。
コメント

ディケンズ『デイヴィッド・コパーフィールド』(2)を読む

2006年03月15日 21時43分35秒 | -外国文学
公私ともに多忙な中ではあるが、寝る前に少しずつ読み進めてきたディケンズの『デイヴィッド・コパーフィールド』の第二巻、いよいよ不遇な少年時代を過ぎて、主要な登場人物が勢ぞろいする。

最悪の選択だった母の再婚相手、マードストン姉弟のところから家出して、ベッツィ・トロットウッド伯母さんの家まで歩いたデイヴィッドは、ミスター・ディックの賢明な助言もあり、伯母さんの家で暮らすことになる。ミスター・ディックは、時おりチャールズ一世の亡霊の妄想が起こるほかは、実に紳士であり、デイヴィッドの強力な味方だった。マードストン姉弟と伯母さんが対決し、伯母さんの養子になり、不幸な幼年時代の環境から逃れて自由の身になったあと、ウィックフィールド氏の家をたずねる。そこで、寄宿舎から学校に行くかわりに、ウィックフィールド氏の家に下宿することになり、妻を亡くした氏の愛娘アグニスを知る。ドクター・ストロングの学校で学びながら、聡明なアグニスと仲良く語り合うことはデイヴィッドにとっては喜びであり、忠実を装う雇人ユーライア・ヒープ親子にとっては、実は憎悪の種であった。
ドクター・ストロングの学校は、以前の学校とはまったく正反対であり、デイヴィッドの学習はようやく成果をあげはじめる。年の離れたストロング校長の妻アニーにはやり手の母親がついており、アニーと従兄弟のジョン・モールドンとの関係は怪しげだ。偶然にミコーバー夫妻と出会い、ユーライア・ヒープに紹介したのは失敗だったようだ。ユーライア・ヒープ親子は、デイヴィッドの過去を全部知ってしまう。恋愛ごっこも卒業し、アグニスの素晴らしさも十分にわかってくるころ、アグニスの父ウィックフィールド氏の性格が変わってきたのに気づく。どうも、仕事がうまくいっていないようだ。

ある日、ペゴティのもとをたずねようと旅行に出かけたところ、途中の宿屋でスティアフォースに出会う。そして、裕福だがどこか退廃の影がさすスティアフォースの家に招かれ、そこでしばらく滞在し、スティアフォースをともなってペゴティの待つヤーマスに向かう。到着した日が、偶然にも一途なハムの求婚をエミリーが受け入れた日であり、デイヴィッドも幸福な時間を過ごす。デイヴィッドとスティアフォースは一緒に旅立つが、マーサがエミリーに何を話したのか、そしてスティアフォースの忠実なしもべであるリティマーがなぜ残ったのかに、もっと注意を払うべきだったろう。
とにかくデイヴィッドは、トロットウッド伯母さんの助力により、スペンロウ・アンド・ジョウキンズ法律事務所で年季契約で働くようになる。始めての一人暮しに失敗をしながら。

ディックといいミス・モウチャーといい、ディケンズの物語には奇矯な人物がしばしば登場する。彼らは、後で重要な役割を演じることになる。無駄な登場人物はほとんどいないのだ。物語の大きな流れの中で、自然に登場し、意外な展開の中で予想以上の活躍をする。これは実に見事である。第三巻以降の物語の展開を楽しみにしよう。
コメント

gooブログのトップに紹介されました

2006年03月14日 22時49分42秒 | Weblog
昨日の「家ネコのお手柄?」に、トラックバックがつきまして、gooブログ ピックアップ・フォト・ブログからのものでした。我が家のネコの写真が、3月14日のイチオシ・ブログとして紹介されておりました。たいへんありがたいことです。また、上の画像のように、gooブログのトップにも紹介されておりました。クラシック音楽と読書とパソコンと散歩が中心という、およそ人畜無害なブログ「電網郊外散歩道」が、このように晴れがましく紹介されることは珍しく、たいへん驚きかつ喜んでおります。なお、画像はWindows上のFirefoxでキャプチャしたものを加工しています。

さて、仕事と確定申告で力尽きまして、ほとんど余力がない状態が続いておりましたが、ようやくすこし息をつけるようになりました。通勤の音楽、ずっとバッハのフルートソナタ全集を聴いております。有田正広さんのフラウト・トラヴェルソ、有田千代子さんのチェンバロ、鈴木秀美さんのバロック・チェロの演奏です。ディケンズの『デイヴィッド・コパーフィールド』第2巻は、ようやく読み終えようとしているところ。最後の章を残すばかりとなりました。楽しみです。
コメント (2)

家ネコのお手柄?

2006年03月13日 19時51分07秒 | アホ猫やんちゃ猫
どこから入り込んだのか、我が家に時ならぬネズミ騒動が勃発。物置に入り込んだらしく、出てこない。ネズミ嫌いの家内は、物置からモノを取り出せなくなってしまった。しかし、さすがに家ネコ。エサをくれる飼い主の苦難を救うべく、すっくと立ち上がったのだった。
わずかに物置の戸をあけておいたところ、じっと待つこと半日。ちょろちょろと走り出た子ネズミをみごと取り押さえ、御用にした。よ~し、いい子、いい子。食べちゃだめだよ。コラ、食べちゃダメ!

「農家の嫁の事件簿」(*)宅のネコも同じ芸当をするようだが、我が家の二匹の家ネコのうち一匹も、自分で戸を開けて玄関から出入りする。ちゃんと閉めてくれればいいのだが、そこまでの芸はない。春になると、二匹で畑に出てネズミやピクピク動く細長いモノを捕まえたり、活躍を始めることだろう。やはり、ネコは猛獣です。ふだんはネコをかぶっているだけなのであります(^o^)/
(*):開けたら閉めよ~農家の嫁の事件簿
コメント (12)

子どものスーツを購入

2006年03月12日 18時00分17秒 | Weblog
帰宅して一休みしてから、子どものスーツを購入するため、紳士服店に出かけた。いつもの店で、ベテラン店長さんが丁寧に応対してくれた。息子は身長があるので、既製品では選べず、セミ・オーダーで作ることにした。選んだのは、濃いグレーにストライプの入ったスーツ、わずかにベージュが入った無地の白ワイシャツ、明るい空色のネクタイと同系色の水玉のハンカチ。「馬子にも衣装」程にはなんとかなりそうだ。
田舎者が上京して学生生活を送るようになると、色々なことがあると思うけれど、願わくは他人様の迷惑にならないように、また初志を全うするようにと願っている。入学式まであと三週間。上の子たちは平日に入学式だったので出席できなかったが、息子の大学は休日に行うそうだ。では、私たちも便乗して、結婚記念日を懐かしい都会の空気の中で祝うとしようか。
コメント

鏡がないので、コサージュつけて撮影し確認

2006年03月12日 15時33分06秒 | Weblog
今日は、職場の関係で祝いの会があり、コサージュを付けて出席。あいにく手近に鏡がなかったので、点検のためにデジタルカメラでセルフ撮影し、確認してみた。だいたいまあいいでしょう。こんな使い方ができるので、デジタルカメラは便利だ。

知らない人と隣合わせたときに、話題に困ることがある。そんなときは、お天気の話題が一番無難でいい。今日の天気、近頃の天候、そんな話題から、少しずつ話がほぐれてくる。大阪人なら、さしずめ「もうかりまっか」の一言で、単刀直入にはじまるところか。今日は昨今の少子化の話で盛り上がった。
補助金を出せば少子化が止まるか、という点については、ある女性の方の疑問の意見が説得力があった。子育てが大変で、二人目を産む気がしない、というのが真相だと言う。隣近所で見てもらえるのが田舎のいいところだが、最近は突発的な事故でもすぐ責任だの補償問題になるため、何ごとも自分たちだけでしなければならないはめにおちいるのだそうな。確かに、生活スタイルの違いから両親との同居をのぞまない例が多いわけで、ちょっと美容院に行くのもままならない生活の現実では、一人だけでもうたくさん、と考えてしまうのだろう。その意味では、突然の事故を補償する子育て応援(ヘルパー)保険なんていうのがあると、近所の子どもをちょっと預ってもいいよ、という人は増えるのかもしれない。
コメント (2)

実は降りることができない

2006年03月11日 08時45分23秒 | Weblog
ふだんは有名ブログを訪れることは少ないのだが、このサイト(*)はほのぼのとしていて面白い。
(*):憧れの家 パート2~農家の嫁の事件簿
こちらは、岩手県の釡津田というところの農家にお嫁に行った都会育ちの女性が、夫君や家族、牛の様子、地域の人々の日々の暮らし等をほんわかとしたイラストで綴るもので、gooベストブログ2005 に選ばれたという。
今日のイラストが面白かった。エッシャーの有名なだまし絵を題材に、憧れの家を描いたものだ。ところがその憧れの家は、実は牛舎が中心になっており、循環する水の力で水車を回し、動力を得るようになっている。エッシャーのだまし絵を永久機関の動力に見立てたところが秀逸で、これなら電気代も水道代もいらず、農家のお嫁さんもダンナもラクチンかもしれない(^_^)/
ただし、この絵には大きな欠点がある。実は、のんびり景色を眺めている夫君が下に降りようとしても、降りることができないのだ。夫君はロンドン塔に幽閉されたようなものだ!さて、夫君はどうやって降りるのだろうか(^_^)

ちなみに、私の考えた答えは、





流れる水に飛びこみ、泳いで下に降りる!
コメント (6)

今日は花の金曜日~メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲を聞く

2006年03月10日 21時38分28秒 | -室内楽
今日は全国的に花の金曜日なのだが、連日の早朝出勤と仕事の緊張の連続で、もう眠い眠い。帰宅すると、疲れてぐったりだった。娘の嫁ぎ先の両親から贈られた甲州ワインをいただき、ようやくゆっくりする。今日は、再びメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番ニ短調作品49を聞いた。作曲年代は1838年というから、円熟期に入った30歳のときの作品(*)だ。

第1楽章、冒頭のチェロ(ヨゼフ・フッフロ)の出だしにまいってしまった。対旋律を奏でるヨゼフ・スークのヴァイオリンも素敵だが、ピアノのヤン・パネンカの卓抜さに驚かされる。三つの楽器が存分に活躍する、モルト・アレグロ・エド・アジタート。
第2楽章、アンダンテ・コン・モート・トランクィーロ。情緒ゆたかな緩徐楽章、夢見るような気分がいかにもメンデルスゾーンらしい。
第3楽章、スケルツォ、レッジェーロ・エ・ヴィヴァーチェ。ピアノが主導する弾むようなリズムがヴァイオリンとチェロにも受け継がれ、速い軽快な音楽となっている。
第4楽章、フィナーレ、アレグロ・アッサイ・アパッショナート。曲の終わりかたがとにかくかっこいい。

このCD(DENON COCO-70527)は、1966年にプラハのドモヴィル・スタジオで録音されたスプラフォン原盤で、コロムビアのクレスト1000シリーズのうちの一枚。録音は室内楽でも直接音が中心で、無響室のような当時のスタジオ録音をしのばせるものだ。あまりホールの響きや雰囲気を生かすような録音ではない。だが演奏は見事だ。
■スーク・トリオ
I=9'11" II=6'44" III=3'25" IV=8'59" total=28'19"

写真は、復元された山形県郷土館「文翔館」の見事な飾り天井とシャンデリア。本当は、こういうところで室内楽の演奏を聞いてみたい。

(*): メンデルスゾーンの生涯~主な作品と年代の一覧
コメント

子どもの大学入学手続き

2006年03月09日 21時05分09秒 | Weblog
大学入学手続きの書類が届き、子どもは今、その準備をしている。入学金の納付や誓約書、保証人などのほかに、個人情報取扱いの同意書が目新しかった。このへんは、個人情報保護法の制定以来のことだろう。それから、入学する大学のポータルネットの仮IDとパスワード。これは、シラバスの参照や科目履修登録などに利用するほか、生涯利用できるユーザーIDにもなるという。こんなことは昔の大学ではなかった。いったん卒業してしまえば、同窓会の寄付要請くらいしか大学との接点はない。特別に恩師や友人が教授になったとかの縁でもなければ、大学に足を運ぶことすらまれである。その意味では、大学のポータルネットのユーザーIDを与えることで、大学との接点を維持することができるわけで、面白い試みだと思う。ただ、もらったユーザーIDで、なにか具体的な恩恵というか、メリットがあるのかどうか、そこが問題だが。

写真は、除雪機が吹きとばして積もった雪の中から顔を出した庭木の一部。
コメント (2)

メンデルスゾーン「八重奏曲」を聞く

2006年03月08日 20時53分07秒 | -室内楽
銀行家の父と哲学者の祖父(*)を持つ富豪の家に生まれ、少年時代に文豪ゲーテに愛され、ピアノを聞かせることを日課とした時期があったという幸福な美少年は、12歳~14歳の間にたくさんの弦楽のための作品「弦楽のための交響曲」を書いた。ユダヤ教からキリスト教に改宗した父親は、宮廷楽団と契約、日曜音楽会を開催する。驚くべき姉と弟は、天与の才能を存分に発揮し、さらに注目を集めた。音楽的才能に富んだ姉ファニーとともに、弟フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディは、16歳にしてこの「八重奏曲」と劇音楽「真夏の夜の夢」を作曲する。
(*):レッシングの『賢人ナータン』のモデルとなったモーゼス・メンデルスゾーンは、フェリックス・メンデルスゾーンの祖父にあたるという。

メンデルスゾーンの「八重奏曲」、実はまったく興味関心がなかった。ずっと前に、たまたまズーカーマンによるヴァイオリン協奏曲を聞きたくて購入したCDに、いわば付録として付いていたこの曲が、通勤の音楽としてくり返し聞いているうちに、気に入ってしまったというしだい。
劇音楽「真夏の夜の夢」については、セル指揮クリーヴランド管のきわめてクリアーな演奏や、クーベリック指揮の夢幻的な演奏などを通じ、よく親しんできている。同時期に作曲された曲らしく、若々しい息吹と活力を感じさせる音楽だ。
私は他の演奏を知らないので比較することはできないが、ズーカーマンがヴァイオリンを演奏しながらセントポール室内管弦楽団員と演奏したこの録音(Philips 412 212-2)は、響きが力強く振幅が大きく、リズムの切れ味のよい、活力ある素敵な音楽になっている。

第1楽章、アレグロ・モデラート・マ・コン・フォーコ、14'49"
第2楽章、アンダンテ、7'41"
第3楽章、スケルツォ、4'33"
第4楽章、プレスト、6'30"
total=33'33"
録音:1983年11月、アメリカ合衆国、セントポールにてデジタル録音。

写真は雪がとけて顔を出した庭木の一部。
コメント (12)

雪の中から庭木が顔を出す

2006年03月07日 19時36分02秒 | Weblog
今日もいい天気で、どんどん雪が融けている。除雪機が吹き飛ばした雪に埋もれた庭木も、少しずつ顔を出し始めた。冷たい雪の中で、じっと春を待っている気分はどんなものだろう。じっとがまんの早春をすぎ、躍動する春を迎えた頃に、草木が一斉に芽を出し花を咲かせるのがわかるような気がする。

通勤の音楽、今日もメンデルスゾーンの「八重奏曲」。春のお天気のせいもあり、弦楽の響きがどこか若々しい。
ディケンズの『デイヴィッド・コパーフィールド』も、第二巻の中ほどまで来た。ベッツイ・トロットウッドの家にたどり着いたデイヴィッドは、ようやくマードストン姉弟から離れ、落ち着いて生活できるようになる。親切なウィックフィールドさんの家で、娘のアグニスと出会ったところ。バスケットに家の鍵をたくさん入れた聡明な少女アグニスの真価は、あとから徐々にわかってくる。そして同時に、蛇のような執念深さを持つユーライア・ヒープ母子が登場。ユーライア・ヒープのしゃべる言葉を読むだけで、そのいやらしい感じが伝わってくる。ディケンズの人間描写力はほんとにすごい。
コメント

雪がみるみる融けている

2006年03月06日 20時50分19秒 | Weblog
車で通勤していると、ここ数日のお天気により、雪がみるみる融けているのがわかる。道路はだいぶ前から乾燥しているが、最近は田んぼの黒い土が見えているところも少なくない。おそらくもう一度、弱い寒波がくるだろうが、多少雪が積もり、すぐ融けるくらいですむのではないか。
むしろ、登山者には台湾坊主と俗称されている低気圧が近付いた際に、南の地方に時ならぬ雪が降ることが多い。さて、今年はどうだろうか。

今日の通勤の音楽は、ズーカーマンの指揮とヴァイオリン、セントポール室内管弦楽団によるメンデルスゾーンの「八重奏曲」。メンデルスゾーン16歳の音楽であるという。実になんというか、驚くばかりだ。私の16歳の頃は・・・いや、やめておこう。天才とは比較するだけ無駄というものだろう(^_^;)/
コメント