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電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

叔父の訃報を機にペリカン万年筆を再び使い始める

2015年07月16日 19時23分04秒 | 季節と行事
先日、職場に母方の叔父の訃報が届きました。とりあえず、忌引休暇を申請して自宅に戻り、パソコンから新幹線のチケットを予約して上京しました。



車中、思い出されるのは、子供の頃に送ってもらった、たくさんの本です。某出版社勤務で文芸編集部に所属し、子供がなかったせいか、甥(私)が本好きなのを知ると、色々な本を送ってくれたのでした。例えば

  • モーリス・ルブラン『奇岩城』
  • ジュール・ヴェルヌ『十五少年漂流記』
  • ジュール・ヴェルヌ『海底二万哩』
  • バーネット『秘密の花園』
  • オルコット『若草物語』
  • 浜田廣介『泣いた赤おに』

などなど、少年時代の読書の嗜好は、明らかにこれらの本の影響下にありました。



今から40年以上前の学生時代に、叔父の家を訪ねた時にもらったペリカン万年筆は、その後、ずいぶん長く愛用することとなりました。残念ながら、これで舶来志向になることもなくこれまで過ごして来ましたが、万年筆の多様性は認識することができました。考えてみればみるほど、色々と思い出されて、少々切なくなりました。

前夜は、あまりの暑さによく眠れず、涼しい新幹線の車内でしばし爆睡しました。叔父の家では、同じく甥の一人である従兄と合流、叔母を慰めつつ食事をしました。夫を亡くして一人になった叔母さんは、気丈に振る舞ってはいたものの、喪主の挨拶などとてもできないと声が震えます。で、従兄と二人で役割を相談して分担することとしました。

叔父にもらったペリカン万年筆で、翌日のご挨拶の文面を考えていると、なんだか筆跡が叔父のものに似てくるようで、悲しい気持ちになりました。

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磯田道史『無私の日本人』を読む

2015年07月15日 06時04分12秒 | 読書
文春文庫の2015年6月新刊で、磯田道史著『無私の日本人』を読みました。元はと言えば、文春のウェブサイト「本の話」に載っていた案内(*1)がきっかけで読んでみたものです。

本書は、1話1人の人物をとりあげ、三話から成っています。したがって、紹介しているのは次の三人。

  1. 穀田屋十三郎
  2. 中根東里
  3. 大田垣連月

1人目の穀田屋十三郎の話は、どうやら映画になるらしい。仙台藩の貧しい宿場町・吉岡宿は、疲弊の激しい町の将来が不安視されていました。老舗の造酒屋・穀田屋の十三郎は、父の懸念が現実になりつつあることを憂えます。公が民の暮らしを守れないとき、人々はどう生きれば良いのか。貧しい者から順番に餓死の波に飲まれていく、亡びのそら恐ろしさをどうすれば良いのか。

十三郎は、菅原屋に相談します。菅原屋が長年温めていた秘策とは、まとまった金子をお上に貸して、年々、利息を取る、というものでした。実際に交渉する段になると、その過程はけっこうハラハラドキドキ、なかなか簡単ではありません。藩側の交渉相手は、萱場杢。勘定方にあって百年に一度の能吏と言われている切れ者です。この萱場の下した否決を、どのようにしてひっくり返したのか、なかなかの見せ場です。なるほど、これなら映画になるわけだ、と感心してしまいました。



第二話は、無欲で清貧を通した詩人学者の話。そして第三話は、たぐい稀な美貌で武芸にも優れるが、なんとも不運な女性の話。あらすじは省略いたしますが、ちょいと身も蓋もない感想を持ってしまいました(^o^;)>poripori

というのは、いかに乳幼児死亡率が高い時代とはいえ、蓮月さんが次々に愛児を失うのは、理由があるような気がしてなりません。おそらくは、藤堂新七郎なる若様のお胤を宿した芸妓から生まれた子を、たまたま知り合いだったという縁で常右衛門がもらい受け、育てることになるという生育歴です。つまり、本来ならば母親や祖父母などから教えられ受け継ぐことになる、その時代の実際的な衛生上の知識や習慣を、ごっそり欠落したまま育ってしまったのではないか。保健所も母子手帳もない時代に、自分も知らないのだから、赤子もうまく育てることができず、かくも次々と死なせることになってしまったのではないのか、というわけです(^o^)/

いやはや、ほんとに理系の石頭で、身も蓋もない受け取り方になってしまいましたが、「国際的に紹介すべき立派な日本人」かというと、ちょいとエキセントリックに過ぎるような気がするなあ(^o^;)>poripori

(*1):古文書の中に見つけた 世界に伝えたい日本人~「本の話」WEB・自著を語る

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「Bun2」第60号(2015/6月)がきっかけで「マイベスト筆記具」を考える

2015年07月14日 06時04分11秒 | 手帳文具書斎
久しぶりに行きつけの文具店に行き、パイロットの青インク・カートリッジやらサクランボの品種識別のためのプラスチック製カラー名札プレート等を購入してきました。ついでに、まだ残部があったステーショナリー・フリーマガジン「Bun2」第60号(2015/6月号)をもらってきました。



その特集記事「手書きの道具にこだわる」の中で、ナミキの蒔絵万年筆は、どうも豪華過ぎて当方とは無縁の世界のように感じましたが、「ペン字講師・阿久津直記氏が考える"マイベスト筆記具"の選び方」は、比較的興味を持って読みました。その内容は、小見出しを拾って見ると、

「字を書くために筆記具を選んでいますか?
何本の筆記具を使い分けていますか?
書きたい文字の目的を明確にしてみよう
メーカーごとのコダワリを比べて明確にしてみよう」

というものです。



筆者が常用するのは、三菱のスタイルフィット・ボールペンで、使っているのは0.5mmのジェットストリームと0.38mm及び0.5mmのユニボールシグマ(いずれも黒)だそうです。

「読みにくい字」として「字がつぶれている」点を特徴として挙げ、それを防止するために、書く文字に対して必要以上に太いものは使わないという点を指摘しています。

うーむ、どうやら筆者の字はかなり小さいらしい。老眼世代には、油性の0.7mm でも相当に細く感じるように、かなり大きめの文字でないと、つぶれる云々よりも前に、「まず読めません。」



その流儀で言えば、現在の「マイベスト筆記具」として、使用頻度から、

  • パイロット カスタム・グランディ(中字) 青インク・カートリッジ
  • プラチナ #3776 ブルゴーニュ(細字) 古典ブルーブラック
  • 三菱 パワータンク 1.0mm/0.7mm (黒・赤)
  • ジェットストリーム 1.0mm/0.7mm (黒/赤)

あたりが該当しそうです。次点は、意外にもカクノではなく、キャップにクリップが付いているプレッピー(0.5)あたりか。

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ハイドンのオラトリオ「四季」から、「夏」を聴く

2015年07月13日 06時00分46秒 | -オペラ・声楽
先日から、通勤の音楽にハイドンのオラトリオ「四季」を聴いております。以前は、私が関東某県に就職する際に、大学時代の恩師から贈られたハイライト版のLPをもっぱら聴いておりました。ベーム指揮のウィーン交響楽団の演奏で、グンドゥラ・ヤノヴィッツ(S)、ペーター・シュライヤー(T)、タルヴェラ(Bs)にウィーン合唱団という顔ぶれです。CD時代になって、カラヤン指揮ベルリンフィルの二枚組CDを入手し、これを愛聴しております。

カラヤン/BPOの2枚組CDをパソコンに取り込み、USBメモリにコピーして使うとき、マツダ・デミオの音楽プレーヤでは、標準では二つのフォルダのうち最初の(一枚目の)フォルダを再生し、次に二枚目のフォルダに移る、という動作をしますが、反復再生を指示していると、最初のフォルダ内だけを連続して再生するようです。今回は季節に合わせて、「夏」のほうを取り上げることにいたします。

ハイドンがオラトリオ「四季」全曲を完成したのは、1801年のはじめ頃だそうです。初演は、同年の春に、ウィーンの某侯爵邸の大広間にて、ハイドン指揮のオーケストラと合唱と、計180人以上が出演したのだそうな。そして、およそ1ヶ月後にはウィーンで公開初演されます。作曲の際には、英語の詩をドイツ語の台本に訳したスヴィーテン男爵とのいざこざもあったそうですが、すでに堂々たる作曲家として知られ、ロンドンで大成功を収めて収入も大きかったために、当時流行していたオペラの旋律を取り入れるというような不本意な提案は、きっぱりと退けることができたとのこと。かわりに、自作の交響曲の旋律が取り入れられています。

登場人物は、農夫シモン(Bs)、その娘ハンネ(Sop)、娘の恋人ルーカス(Ten)で、これに合唱が加わります。楽器編成は、Fl(2),Ob(2),Cl(2),Fg(2),ContraFg,Hrn(3),Tp(3),Tb(3),Timp,弦五部。
Wikipediaの解説では、カラヤン盤とはトラック分けが少々異なるようですので、以下、カラヤン盤に基づき、メモします。

第1曲:静かな弦楽の序奏の後に、恋人ルーカスがテノールで「灰色のヴェールに包まれて」を歌います。彼は、どうも夜を徹して起きていたらしい(^o^)/
オーボエの後に、父親シモンがバスで「夜明けの先触れが告げられる」と歌います。ニワトリの鳴き声だったのかな?
第2曲:ホルンの音で「目覚めた羊飼いは喜ぶ羊たちを呼び集め」ると、父親シモンの歌に続き、娘ハンネが「朝焼けに空が赤く染まっていく」と歌います。美しい風景描写です。
第3曲:ハンネに続き、ルーカスとシモン、そして合唱が加わり、太陽が昇ってくる様子を歌います。「万物の魂、この世の瞳、神の力の至高の姿、我らは心から感謝を捧げます」とは、まるで異教徒の太陽信仰のようですが、日の出を見る人の共通の感動なのかも(^o^)/
第4曲:シモンのレチタティーヴォ「あたり一面がざわめいている」。畑に麦が実り、日に焼けた農夫が収穫に励む様を歌います。堂々たる歌唱です。
第5曲:ルーカスのレチタティーヴォ「真夏の太陽は」。雲一つない空から照りつける光は、エアコンなどない当時は、さぞや大変だったでしょう。
第6曲:ルーカスが「暑さに自然は苦しみ喘いでいる」と歌います。真夏の太陽の厳しさは、週末農家でも先刻承知です。何を今さら、と思いますが、聴衆はウィーンの貴族や市民なのでした(^o^)/
第7曲:暑さを避けてやってきた薄暗いオーク(樫)の森。ハンネが「さあ、暗い森にきました」と歌います。近くの茂みから聞こえてくるのは、若い羊飼いの草笛の音、という想定で、オーボエが奏される仕掛けです。



第8曲:ハンネのアリア「なんて良い気分なのでしょう」。そりゃあ、恋人と一緒で涼しい森の中であれば、「胸は高鳴る」のもよーく理解できます。父親はお邪魔虫かもしれません(^o^)/
第9曲:シモンのレチタティーヴォ「おお、見よ、蒸し暑い空気のなか」に続いて、ルーカスも嵐の訪れを継げると、ハンネが「恐ろしい気配に自然は息をひそめています」と歌います。弦のピツィカートで、緊張感を高めています。
第10曲:合唱「嵐」です。アタッカでフルートが飛び立つ鳥を描くと、すぐに激しい嵐の場面が合唱で劇的にダイナミックに表されます。なかなかの迫力です!
第11曲:恋人ルーカスが「暗い雲が切れていき」を歌い、恐ろしい嵐が静まったことを告げます。娘ハンネも夕日の風景を歌い、父親シモンは牛舎に帰る牛の群れを歌います。うずらの鳴き交わす声、こおろぎの声、沼のカエルの鳴き声に夕べの鐘の音。全員が「夕べの鐘も鳴り終えた。空には星がきらめいて、安らぎへと誘っている」と歌い、曲が終わります。



ベームのハイライト版LP(グラモフォン:SMG-2046)では、ルーカスのレチタティーヴォ「真昼の太陽は」、ルーカスのカヴァティーナ「万物は力を失い」、ハンネのレシタティーヴォ「さあ、暗い森に来ました」、ハンネのアリア「何という爽やかさ」の四曲だけでしたので、「嵐」の劇的な合唱を聴くことができるのは嬉しい。

CDのほうは、この時期のEMI録音の特徴なのか、ダイナミックレンジを大きく取るためか、録音レベルが低めなのは気になりますが、少し音量を大きめにしてやると、カラヤンとベルリンフィルをバックにした歌と合唱の素晴らしさを堪能できます。


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スモモを収穫してはみたものの

2015年07月12日 06時03分30秒 | 週末農業・定年農業
お天気の模様をみながら、合間を見てスモモの収穫作業をしましたが、なんとも残念な結果でした。今年は、サクランボの収穫が例年になく早まったために、毎年行っている六月上~中旬のスモモの防除ができませんでした。そうしたら、七月の今の時期になって収穫して見たら、シンクイムシの被害が出てしまい、とてもじゃないが出荷などできそうもありません。虫食いのなさそうな実を選んで自家用とするくらいで、あとの実は穴を掘って埋めてしまうしかなさそうです。残念!



適正な防除を適切な時期に。少しの手抜きが、後になって大きくしっぺ返しを喰らう、という意味で、果樹園農業の厳しさを感じます。少し慣れてきたのをいいことに、手抜きをしてはダメだということなのでしょう。スモモは残念ですが、早々と見切りを付けて園地の草刈りを済ませ、サクランボの収穫後の防除と施肥、モモとリンゴの摘果などの作業に力を注ぎましょう。




写真は、なんとか虫食いでない実を選んで、スモモのヨーグルトです。赤いのが「ソルダム」、黄色いのが「フームサ」、少しほの赤いのが「サニーハート」。味は美味しいのですけどね~(^o^;)>poripori

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雑誌等で舶来文具が推奨される理由

2015年07月11日 06時01分45秒 | 手帳文具書斎
デザインに優れた有名ブランドの人気製品だからといって、品質や耐久性なども優秀とは限らない。以前、高校生の文房具ブログとして紹介した「テーゲー日記~文具と万年筆のブログ」(現在は沖縄で楽しい大学生生活を送っている模様)では、ラミーの万年筆がポキリと軸折れした件が報告されています(*1)。
(*1):LAMY2000の軸折れについて~「テーゲー日記~文具と万年筆のブログ」より

このケースは、どうも構造的な弱点のように思えます。また、他にも舶来有名万年筆で似たような軸折れがいくつか報告されているようです。しかしながら、私が使っているような、パイロットやプラチナなどの国産定番製品では、こうした経験はありません。

海外有名ブランドの製品は、デザイン性に優れる半面、おそらくはコストの追及の関係から、意外なところに脆さをかかえているように思えます。同価格帯の製品ならば、国産文具のほうが品質や耐久性に優れている。あとは、デザインをとるか長く使えることを優先するか、ということなのでしょう。

代表的な舶来ノートであるモレスキンについても、万年筆のインクが裏抜けしてしまい、もっぱらボールペンや鉛筆で書いている人が多いようで、お値段は桁違いなのに、紙質と書き味は今一つと評価されているようです。このあたりも、舶来製品はデザイン優先、という偏見を持ってしまうゆえんです。

では、なぜ雑誌等では国産文具ではなく舶来製品を取り上げることが多いのか。ここからは田舎の中高年オジサンの邪推ですが、こんなふうに考えてみました(^o^)/

  • 国産文具を取り上げるときは、ライバルメーカーの同クラス製品に気を使う。舶来製品の場合はそんな気を使わずにすみ、無難だから。
  • 雑誌等の編集者は互いに競い合っている面があり、無難な国産定番製品を取り上げたりすると、編集者仲間からバカにされると恐れているから。

はて、これはどの程度あたっているものでしょうか(^o^)/

さらに推測を重ねると、年配の世代ほど舶来信仰が強く、お金の余裕もあるので有名ブランドを志向し、若い世代は実用志向とブランド・デザイン志向と二極化するのではないかと想像していますが、さて実際はどうなのだろう? それとも、年配の世代でも、やっぱり二極化しているのでしょうか?

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高野利也『ガン遺伝子を追う』を読む

2015年07月10日 06時05分09秒 | -ノンフィクション
進歩のはやい分野では、概説的な本はあっという間に古びてしまいがちです。生命科学、とくにガン遺伝子研究などという分野では、日進月歩、新聞紙上でも様々な知見が話題となり、つい先日も「がん細胞のゲノム解読」が報じられた(*1)ばかりです。



岩波新書で、高野利也著『ガン遺伝子を追う』は、岩波新書黄版という装丁からわかるように、今からおよそ30年前の1986年の刊行で、現在は品切れか絶版のもよう。その意味では、むしろ研究の進展を追いかけた当時の、同時代的な熱気の残る本と言えそうです。

本書の構成は次のとおり。

第1章 正常細胞とガン細胞
第2章 ガンの原因は遺伝子に作用する
第3章 ヒトのガン遺伝子を求めて
第4章 ガン遺伝子の正体
第5章 ガン遺伝子タンパク質をとらえる抗体
第6章 ガン遺伝子タンパク質の働き
第7章 細胞増殖の異常を引き起こすガン遺伝子
第8章 細胞の分化、ガンの転移とガン遺伝子
第9章 細胞のガン化の仕組みを考える
第10章 研究の問題点と将来

1979年、マサチューセッツ工科大学のR.A.ワインバーグらが、メチルコラントレンという発ガン物質でガン化したマウスの細胞からDNAを抽出し、マウス培養細胞に移入して細胞のガン化を確認します。続いて1981年には、ヒトの膀胱ガン等のDNAを同じように培養細胞に加えて、細胞のガン化を確かめ、ヒトのガン細胞のDNAには「ガン遺伝子」が含まれており、これが動き出すことで「ガン化」が起こることを示します。

そこから多くのガン遺伝子が発見されるとともに、正常な細胞にもガン遺伝子があることが判明します。とくに、ラス遺伝子の場合、タンパク質のアミノ末端から数えて12番目のアミノ酸(Gly:グリシン)を支配する(コードする)塩基(GGC)のうち1個が変異してGTCとなり、その結果アミノ酸がバリン(Val)に代わっていることがわかっています。つまり、遺伝子の上では、遺伝の暗号がただ1文字変化しただけで、タンパク質のアミノ酸1個が変化し、その結果、細胞がガン化することになるわけです。

ただし、遺伝子上の変化がどのようにガン化を引き起こすかについては、まだわかっていないとしながら、ワインバーグの二段階仮説を紹介します。正常な細胞では、免疫のしくみによってがん細胞の発生は抑えられていることから、ガン抑制遺伝子の存在が明らかになります。



本書では、ガン遺伝子の発見と研究の経過を追いながら、細胞増殖と分化の仕組みを見つつ、ガン抑制遺伝子の発見までを扱っています。おそらく、ガン抑制遺伝子の役割など近年の成果については、もっと最近の本を手に取るべきなのでしょう。それでも、最近の新書のお手軽さを感じているだけに、黄版のころ岩波新書の格調と充実度を痛感してしまいます。

(*1):がん細胞のゲノム解読~2015年6月29日付共同通信より

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先日のサクランボ・タルトについての備忘メモ

2015年07月09日 06時03分43秒 | 料理住居衣服
先日、いただいて美味しく賞味したサクランボのタルトについて、作り方をざっくりと聞きました。来年以降の備忘のために、メモしておきましょう。

  • タルト生地は?  ふつうのタルト生地です。
  • クリームは何?  カスタード・クリーム。
  • サクランボはシロップに?  生のまま二つ割りです。

ふむふむ、なるほど。

私は、お菓子作りの経験はほとんどありませんが、見る人が見たら、わかるのでしょうか(^o^)/
しっかりしたタルトの台の上に、カスタード・クリームがたっぷりと乗り、その上によく熟したサクランボ「佐藤錦」が乗っています。「佐藤錦」の甘酸っぱさとカスタードクリームの甘さが、とても良いバランスでした。多量に作りおきする場合には、いたみを防止するために、カスタードクリームに少量の洋酒をたらしたり、サクランボをシロップにつけたりすることはありうることでしょうが、できればサクランボは生のままのほうが良いと感じます。爽やかな季節感のあるお菓子です。



カスタード・クリームのところを、チーズ・クリームでも美味しいかもしれません。いやいや、もしかしたらレア・チーズケーキの上に、「佐藤錦」をびっしりと敷き詰めたら美味しいかも……うーむ、これは来年以降の課題としておきましょう(^o^)/


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梅雨は長引き、ぐずついた夏に?

2015年07月08日 06時02分15秒 | 季節と行事
先ごろ発表された7~9月の三ヶ月予報(*1)によれば、梅雨前線の北上が遅く、全国的に雨の降る期間が長くなる見通しだそうです。降水量は平年並み~多く、気温は平年並みになる見込み、とのことでした。これを、北日本・東日本の日本海側について要点を抜き出すと、こんなふうになるでしょうか。

  • 7月:北日本は、平年と同様に曇りや雨の日が多い
  • 8月:北日本や東日本の日本海側は、平年に比べて晴れが少なく、降水量は平年より多い
  • 9月:北日本は平年に比べて晴れが多い

この予報を読み、「梅雨が長引き、ぐずついた夏になる」ということか? と感じました。うーむ、桃とリンゴの摘果などの作業時期や、収穫時期の判断が難しそうです。なにせお天気は、人間様の都合などはお構いなし。都合良く土日に晴れてくれるとは限りませんので(^o^;)>poripori

亡父が存命ならば、たぶん「お天気が心配になってきたら週末農家も一人前だ」と笑うことでしょう(^o^)/

(*1):全国3ヶ月予報~気象庁:季節予報 より

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アホ猫(母)、16歳、たま駅長を悼む

2015年07月07日 06時05分57秒 | アホ猫やんちゃ猫
我が家のアホ猫(母)は、1999年の5月生まれで、16歳です。過日、報道された和歌山電鉄貴志川線のたま駅長(*1)とは、たしか、生まれたのがわずかに一ヶ月違いでした。このときの会話です。

私「おーい、アホ猫、たま駅長が死去だって。」
アホ猫(母)「えぇっ!アタシと一ヶ月しか違わないのに!そんな…(絶句)」
私「そんなに力を落とすなよ。おまえの娘猫が心配するじゃないか。」
アホ猫(母)「まあっ!娘はアタシの永遠のライバルよ!あいつよりも、1分1秒でも美しく、長生きしなければっ!」
私「娘と張り合っているようじゃ、お前さん、まだまだ大丈夫だよ。」

どうやら、数字の数え方が「1、2、3、たくさん」のアホ猫でも、誕生日が一ヶ月違いというのはわかるようですネ(^o^)/

写真は、この春にスーパー・ハイテンション・ジャリンコな孫たちがやってきたときに、一緒に撮影したものです。



我が家のアホ猫(母)は、「アタシはたま駅長の分も長生きするわ」と申しております。遠く東北の地から、アホ猫(母娘)とともに、たま駅長の冥福をお祈りいたします。

(*1):たま駅長~Wikipediaの解説

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ハイドンの「四季」を通勤の音楽用にUSBメモリへ

2015年07月06日 06時03分26秒 | コンピュータ
日曜日は残念ながら休日とはならず、近所の親戚の初七日でほとんど一日がつぶれました。午後から夕方まで一眠りして、通勤の音楽を USBメモリに補充。今回は、ハイドンのオラトリオ「四季」を、カラヤン指揮のベルリンフィルで。



CDから Linux パソコンに取り込むと、OggForbis(拡張子.ogg)形式で保存されます。これを、ファイルマネージャで USB メモリにコピー。



CDは二枚組ですが、パソコンに取り込んでしまうと、フォルダが二つできます。パソコン上では、再生ソフト RhythmBox でプレイリストを作成することで、メディアの交換なしに連続して聴くことができます。このあたりが、新型マツダ・デミオのプレーヤーではどうなるか、興味深いところです。

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池上彰『そうだったのか!日本現代史』を読む

2015年07月05日 06時04分54秒 | -ノンフィクション
集英社文庫の、池上彰著『そうだったのか!』シリーズより、『中国』に続き『日本現代史』を読みました。
本書の構成は、次のとおり。

第1章 小泉内閣が生まれた
第2章 敗戦国・日本 廃墟からの再生
第3章 自衛隊が生まれた 憲法をめぐる議論始まる
第4章 自民党対社会党~「五五年体制」の確立
第5章 安保条約に日本が揺れた
第6章 総資本対総労働の戦い
第7章 日韓条約が結ばれた
第8章 文部省対日教組 教育をめぐって抗争が続いた
第9章 高度経済成長 豊かな日本への歩み
第10章 「公害」という言葉が生まれた
第11章 沖縄は帰ってきたけれど
第12章 学生の反乱に日本が揺れた
第13章 日本列島改造論と田中角栄
第14章 バブルが生まれ、はじけた
第15章 連立政権の時代へ

いずれも興味深い内容ですが、私の生まれる前の頃の話が、とくに興味深いものがあります。敗戦国・日本が廃墟から再生するについては、経済の破綻の中を生きのびなければならなかったこと。わが老母は、戦時中、女学校の同級生たちと共に、神奈川県の軍需工場に動員されたのだそうですが、食べ物が乏しくて、ひもじくて閉口したといいます。同級生の中に農家があり、送ってもらった食物を分けてもらい、うれしかったそうな。戦後すぐにお嫁に行くときに、非農家出身にもかかわらず農家の長男に嫁いだのは、食物に不自由しないだろうと思ったから、と笑います。なるほど!です。

戦争犯罪の追及や農地改革などについても、戦争中は軍国主義の旗振りや監視・告発に奔走していたのに、戦後になるとコロリと旗色を変えて、政治家としてのし上がっていった人など、村の役職にあった祖父や、先年亡くなった父からも、「大嫌いな人」として名前を聞かされたものでした。ああなるほど、その人は、占領軍に取り入ることによってそれが可能になったのだな、と合点がいきました。

そういえば、私が物心ついた頃にも、当地には進駐軍の将校が家族と共に住んでおりました。その子どもたち、兄と妹とは、一緒に遊んだものでした。駐屯地はすでに米軍から今の自衛隊に引き継がれていたはずなのに、なぜあの米軍将校家族は居住していたのか? その理由が、おぼろげながら理解できたように思います。もしかしたら、あれは情報将校であり、自衛隊はその成立時から、米軍の傘下にゆるやかに組み込まれていたということか。思わず眼からウロコです(^o^)/
いや、単に国際スパイ小説の読みすぎだったりして(^o^)/



公害や沖縄返還、あさま山荘事件、田中角栄、バブル経済などは、まさに同時代史です。思わず懐かしさが優先しそうになりますが、本書のように解説され意味づけられてみると、平易でたいへんわかりやすい。『そうだったのか!日本現代史』という書名は、まさにそのものズバリです。

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野外で体を動かすことの楽しさ

2015年07月04日 06時02分35秒 | 週末農業・定年農業
近所の親戚の葬儀は無事に終わり、ほっとしました。まずは一安心です。

梅雨に入る前にサクランボの収穫が終わることができたので、こちらもほっと一息ついています。この期間は、週末農業で土日がつぶれるだけでなく、早めに帰宅できた時には、なかなか日が沈まないことをいいことに、薄暗くなるまで畑に出て収穫をしておりました。

でも、幸いにお天気も良かったので、「つらい」という感じはあまりなく、むしろ日頃は運動不足気味でもあり、体を動かす楽しさがありますし、収穫の進み具合が目に見えますので、達成感もあります。昨年、野鳥にやられて収穫が半減するという痛い目を見ましたが、今年は防鳥ネットの隙間も細かく点検しましたので、ムクドリどもに「してやったり!」という気分もあったりします(^o^)/

気候が良いと、体を動かすのも楽しい。真夏や真冬ではそうもいきませんが、まだまだ雨の合間を見て、農作業に精を出すシーズンです。これからの仕事としては、

  • 梅とスモモの収穫
  • 桃とリンゴ、プルーンの摘果
  • サクランボの収穫直後の施肥
  • 柿の剪定

といったところでしょうか。

過日、少し離れたところにある果樹園から、脚立を回収してきました。ついでに、リンゴ「つがる」の摘果をしてきましたが、雨が降り出しましたので、あわてて撤退。あまり濡れずに済みましたので、まずまずでしょう(^o^)/
その後は、着替えてさっぱりとしたところで、ドビュッシーの「弦楽四重奏曲」を聴きました。

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今年も健康診断を受診する

2015年07月03日 06時00分58秒 | 健康
過日、今年も健康診断を受診しました。例年どおり、

  1. 身長・体重
  2. 視力
  3. 眼底検査
  4. 聴力
  5. 内科
  6. 心電図
  7. 血圧
  8. 血液検査
  9. 胸部レントゲン
  10. 胃がん健診

という内容です。

ただし、血液検査については、希望により尿酸、尿素窒素、大腸がん(便潜血)、前立腺がん検診を含みますので、採血量が三本と、少々多めになります。採血担当者が消毒綿を手にして「アルコールで気持ち悪くなったりしたことはありますか」と訊くので、「飲むのは好きです」と答えたら笑われました(^o^)/fuzakechadameyo

心電図担当の方も、幸いに美しいメゾソプラノではなかったため(*1)か、あまりドキドキせずに済みましたが、はたして結果はいかに? ドキドキ。

バリウムを飲んでいますので、下剤を飲み、水をたっぷり飲み、おにぎりを食べた他に、バナナとヨーグルトを食べて、さらに昼食を食べました。写真は、お菓子も解禁!ということではなくて、過日いただいたお手製のサクランボのお菓子(^o^)/

ちなみに、採尿したスピッツや便潜血検査の検体への記名には、加圧式ボールペン・パワータンク(PowerTank)がやっぱり便利でした。こういうものまで万年筆で書こうという無謀さは、さすがにありません(^o^)/



近所の親戚でまたもや不幸があり、本日は火葬と葬儀、告別式の予定。なんだか差配のプロフェッショナルになりそうですが、今回は堂々と長寿番付の最高位に位置するほどの高齢で亡くなったケースです。最後までボケずに、憧れるほどに聡明な女性でした。合掌。

(*1):今年の検診結果は昨年よりも改善して~「電網郊外散歩道」2014年8月

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キングジムの「Lezaface」について

2015年07月02日 06時02分42秒 | 手帳文具書斎
2010年の春に購入したB6判カバーノート、キングジム社の「レザフェス(Lezaface)」は、すでに五年を経過しております。当初は、ノート二冊を挟むことができ、表紙にはジッパー付きのポケットがあり、しおりに使えるフラップやゴム製のペンホルダーまで付いていることから、期待して購入したものでした。五年を経過した今、備忘録ノートはA5判のノートを使っており、赤いB6判「レザフェス」の使い道はごく限られてしまっています。

  • セットしたB6判のドット罫線のキャンパスノートは、文房具に特化した情報メモや、インクを変更した万年筆あるいは新しく入手した筆記具の試筆用として使っているだけである。
  • 表紙のジッパー内に入れた付箋は、使った記憶がない。
  • ゴム製ペンホルダーは、経年劣化でビロ~ンと伸びてしまっており、ペンの保持力に難がある状態。
  • プラチナ社の古典ブルーブラック・インクを用いたプレッピー万年筆のクリップを、見出し板代わりのフラップ折曲げ部の布に引っかけて使っている。

とまあ、こんな状態。



考えてみれば、ペンホルダーがダメになったからといって、全体が見捨てられるのはもったいない話です。コスト的に厳しいのかもしれませんが、ペンホルダーはゴム製でないほうが良さそうです。私の用途には、この製品は宝の持ち腐れのような気がしますが、あって困るものではなし、いよいよとなったらペンホルダーをちょん切って使い続けることといたしましょう。このあたり、中高年の「捨てられない症候群」のような気もしていますが(^o^;)>poripori


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