春の京都、鴨川のしだれ桜をまた見たいと思う間もなく春は通り過ぎていく。一期一会がいかに大切か、時を経て実感する。あの日、あの時、あの場所で、たしかに経験した事柄が薄れていく。日々が過去と現在と未来の定点だということは誰しもわかっていることだろうけれど、ふとただ通り過ぎていて、いつの間にか10年、20年があっという間に飛んでいくことがありえるのだ。「光陰矢の如し」はそのとおりだと実感するのは年を取っ . . . 本文を読む
手堅い立役のお二人ですね。可能な限り観たい舞台です。夫婦の姿が描かれています。12年も離れて暮らしていた親子の再会を描いた物語です。今から300年前の琉球では首里から塩屋はとても遠かったに違いない。いわば当時の出稼ぎで田舎降りをした森川の子は、生計を立てるために花売りをしていたのだ。塩を作るのではなく、花を売る商いで世過ぎ身過ぎをしていた一人の貧困下級士族の家族の物語である。生きづらさがここかしこ . . . 本文を読む