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(「青年王尚温の夢」 の舞台美術です。背景幕を使わない舞台ですね。現代沖縄芝居だったゆえですね#)
普通の琉球史劇ではない。新作史劇である。長台詞を日本語からウチナーグチに翻訳した吉田妙子さんの御苦労が偲ばれる。時代の流れのなかでまさに沖縄の根を捉え返そうとするこの時点で、とてもいい舞台になった。市長や文化協会長のウチナーグチがまたとてもよかった。はいさい、はいたいが日常になりつつある那覇市はいいね。それを宮古語や八重山語、奄美語でも飛び交ったらいいね。多言語社会のユニークさ、は脳が刺戟される。
(昭和5年版がいいみたいですね。これは再販の表紙のコピーです!)
島袋全発の『那覇変遷記』は尚温の話やその頃の冊封使・李鼎元のことがかなり取り上げられていますね。李鼎元の使録も解釈しています。島袋さんはよほど李鼎元さんの「使録』がお好きなのだと分かります。冊封使と琉球王の関係、彼らの視点から見た琉球とか、多様に描いた琉球の舞台が見たいですね。
沖縄芝居の脚本では大城立裕さんの戯曲は参考になります。主な物語に必ず伏線があって、舞台を笑わせます。そしてやはり伊良波尹吉さんの歌劇はいいですよね。「薬師堂」など組踊を継承した芝居構成になっています。いわゆる沖縄の伝統芸能の型があります。うまくその形式にのって新作沖縄芝居が創作されたらいいですね。
公の資金で実験的な新しい作品の誕生はいいですね。
≪ちょっと話題が変わります≫
多文化主義の陥穽はすでにヨーロッパで表に出ているようだ。ゲットー化ということばにハットした。中東からアジアからアフリカからヨーロッパEUを目指してきた者たちが、文化の融合ではなく、サバイバルの価値で自らの文化規範を維持しつつ、社会の下層の境界の層になる。